転生少女、と、贖罪。
「亜里沙ちゃん、いえ、アリシアさん。貴女は魔王という存在はご存知でしょうか?」
瑠璃ちゃんはサーラ様モードに戻ったみたい。わたしも。うん。意識を戻そう……。
サーラさまは、ゆっくりと静かに、語った。
☆☆☆
魔王、と、は、この世界を滅ぼす、存在です。
わたくしは、神の啓示により封印されし魔王の復活を識りました。
そして、それを阻止するキーも。
魔王が復活すれば、この世界は終わります。
かと言って、魔王という存在は、決して滅ぼすことができない、いえ、滅ぼしてはいけない、そんな存在なのです。
ある意味、魔王とはこの世の理、この世界そのものとも言えるのです。
しかし、
何度も言いますが、魔王が復活すれば世界が滅びます。
で、あるからこそ、魔王を識り、そして、万一復活を阻止できない時は必ず封じなければなりません。
貴女の……手を貸して頂きたいのです。
いえ、貴女にしか出来ないことがあるのです。
どうか、お願いです。魔王の復活を阻止する為に、お力を貸して頂けないでしょうか?
わたしに何が出来るというのだろう?
でも。何かを観て識っているのだろう大預言者サーラ様のお言葉に、逆らう術はわたしには無かった。
そして、瑠璃ちゃんのために、何かできる事があるのなら。
わたしはきっとなんだってしただろう。そう。贖罪。なのだ。これは。