転生少女、と・・・・・
あたたかいものがわたしを包む。
これは……、瑠璃……?
意識が何処かに漂ってるようなそんな、浮遊感。
そして。
違和感。
何処かわからないけれど、どこか、が、疼く。
ああこれは何のキオクだろう。
今のわたし?
それとも、未来のわたし?
それとも……、過去のわたし?
身に覚えのないキオクが身体の中に侵入してくるようなそんな違和感が暫く続き、そして、わたしは目を開けた。
え?
目の前にサーラの顔があった。
すごく近い。
っていうか、わたし、サーラを抱きしめてる?
ソファーの上でわたしに覆いかぶさるように気を失っているサーラ。
そして、そのサーラが落ちないよう? 抱きしめているわたし。
あうあう。一体これは……。
ほっぺたをぎゅっとされてから、そのまま記憶がない。
うー。
とりあえず起こそう。
「サーラ、起きてサーラ。重い、よ」
両手で肩を持ち上げながらわたし。
っていうかほんとちょっと重い。
だらんとしちゃってる人間って重いんだな、とか、そんな事が頭に浮かび。
とりあえず近すぎるその顔を離す方向で揺さぶる。
あ……
と、サーラの唇が動いた。
「サーラ、起きてサーラ」
ううん……
と吐息と共に声が少し漏れる。
どうしよう。
完全にわたしの上に乗っかってるサーラをどかそうとするとソファーから落ちちゃいそうになるから出来ないし。
なんとかこのまま身体を入れ替えられないかな。
そう思ってもう一回抱きしめ身体を捻る。わたしの方がソファーから落ちるように退けば、なんとかなるかなぁとか考えて。
んっしょ、ってなんとか横向きになった所でサーラの目が開いた。
「あ、なんで? アリシアが目の前にいる」
ん?
「あは。大好きだよーアリシア」
そう言うと、その目の前のサーラはわたしに抱きつき頬ずりして。
そして、そのまままた寝てしまった……。らしい……。