転生少女、と、ナナコと瑠璃。
「わたし、絶対亜里沙ちゃんから離れませんから!」
「でも、危険だし……」
「嫌です! そんな事言うなら亜里沙ちゃんの方が危険です。それに……、帰って来れる保証がないんですよ!」
「それは……、わかってるけど、たぶんなんとかなるんじゃないかなとか……」
「ダメったらダメです。亜里沙ちゃん一人そんな所に行かせるわけにはいきません」
「だけど……。このままもし先に残りのカケラがグリフォンに渡り、いえ、渡らなくても、万一先代魔王が蘇ったら……」
……終末プログラムも一緒に復活する可能性もあるかな……。
「だから、絶対それは阻止しなきゃ」
それに、わたしにはこの世界が大好き。この世界がデリートされるかもしれないなんて、絶対に嫌。
もともと終末プログラムを産んだのは瑠璃自身。彼女の日本の身体が助かる為に、この世界の消去が必要だった。
でも、それはもう解決した筈。今更終末プログラムなんて出番ないよ。
だから……。
絶対に、この世界、この世界の瑠璃を守る。
それに。
ナナコの為にも……。
わたしは絶対に魔王の力を、キオクを取り戻さないといけない。
その為にできることは何でもする。
……アリシア……。ごめんアリシア。あたし、幸せだよ。アリシアと過ごせたことは一生の宝物だ。だから、あたしのことは大丈夫。なんとか、なる、よ……。
「わかりました」
「ごめん。サーラ、ううん、瑠璃ちゃん。わたしわがままだね。でも、このままじゃ嫌なの。なんとかしたいんだ」
「わかりました。わたし、亜里沙ちゃんと一緒になります」
え?
「そのままでいてくださいね」
サーラは両手を伸ばして……。
わたしの顔、ほおを掌で挟むように包む。
そして。
ぐねん
と、空間が歪んだ、気がした。