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転生少女、と、狼の魔獣。

「魔物の暴走って、やばいですよね?」


「スタンビードっていう現象ですね」


「それってもしかして……。魔王の魔獣と関係ありそう?」


 ……ありえるよ。大きな魔力は魔物をも恐怖に落とすから。


 じゃぁ、行かなくちゃ、だよね。


 これって依頼になってるのかな?


「流石に危険すぎてここのギルドじゃ手に負えないからベルクマール城まで援軍頼んでるところみたい」

 と、カウンターに話を聞きに行ったリーザが帰ってきてそう言った。


 うー。

 時間がかかると収拾するのにも余計に時間かかるよね……。


 ……あたしたちだけで行っちゃう?


 うん。


「わたしたちだけでこれなんとかしよう」


 たぶん、なんとかなるんじゃないかな。うん。


「ええ。魔獣をなんとかするにはまずこの魔物のスタンビードを防がないとですね」


「このパーティでの初陣ですね。腕がなります」


「まあ、なんとかなりますね」


 サーラはともかくコルネリアやリーザも乗り気だ。

 えーい。やるしかないよね。




  ☆☆☆


 で。

 なんとかわりとあっさりと魔物を退けたわたしたちは、その奥の魔力溜を目指して進む。

 クロコが先頭を歩いているので心強い。

 空気までねっとりとした感じになってきて、いよいよ現場かと思った所で、それ、は、居た。


 ギロンと此方を見る目は鋭く、その真っ白な体毛がバシバシと弾けているようで。

 額にある大きな一本の角が黒く光っている。


 それ、は、クロコよりも大きな狼だった。




 グルグル!

 そう唸ったかと思うとクロコが飛びかかった。


 それを合図にわたしたちも攻撃を仕掛ける。


 その狼はまずクロコを片手で弾き飛ばすと、その大きな角から黒い稲妻を放った。


 そう。黒いとしか言いようのないその禍々しい稲妻は、わたしたちの前方で弾け。


「大丈夫ですか皆さん!」

 サーラの防御シールドがギリギリで間に合ったのか?


 ああ、あれはまずいね。


 ……うん。正面から行ったら黒焦げだった。


 じゃぁ。


 雷に水はまずい。火はこの辺り一帯が燃え上がっちゃう。


 ……風の魔法がいいのかな。


 わたしのライブラリに残っている魔法のうち風の魔法はわりと強力なものもあったきがする、よ。


「ウインドブレイカー!」


 風の壁を作る呪文。

 わりと簡易に構築できるからこれで。


 狼の周囲を風の壁が包む。

 風の壁は触れると痛いらしく、最初脱出しようともがいていた狼は、次第にあきらめたらしくその場で丸くなり、大人しくなった。


「ちょっとアリシア、それじゃぁこっちも攻撃できないじゃない」


 ああ。ごめんなさい。

 リーザに怒られたけど……、でも、どうしよう?




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