転生少女、と、転生少女。
暫しの沈黙のあと。
「何からお話すれば良いのでしょうか……」
サーラさまはそう、語りはじめ。
「アリシアさん。貴女、日本からの転生者、ですよね?」
にゃ! え? びっくり。どうしてそこまでわかるの?
「あうあう……」
わたしの声は言葉にならない。
「ああ、そういうことか」
ラインハルトさまは何故か納得している感じ。
うーん。どうしよう。どこまで話していいものか。っていうかなんだかみんなばれてそう。さっきのゲートの時も、ほんと絶妙なタイミングだったしね。
「あ、え、っと、そうでは、ありますが……。でも、わたしなんの能力もないデス……よ?」
ダメ。とにかくそれだけの言葉を紡ぐので精一杯。
でも。サーラさまは急に真面目なまっすぐな目で見つめて、ゆっくりと、声を出し。
「わたしも……同郷なのです。前世は岐阜の大垣で高校生してました」と。
え?
「亜里沙ちゃん、よね?」
ええー?
同級生? まさか、誰?
でも、時系列、違うし、わたし大学出てから社会人で何年かは記憶があるし。
でも、まさか、でも、そうしたら、
「まさか、瑠璃……? ううん、そんなわけ……」
そんなわけない、そう言いかけたわたしのセリフは、彼女の涙によってとぎれ。
「ああ、瑠璃なのね……。ほんと、会いたかった……。会って、謝りたかった、の……」
わたしの目も涙で溢れて、世界がぼんやり包まれた。