表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/176

コウラス・コルネリウス・プブリウス。

「あなた、わたくしに隠し事があるのではありませんか?」


 まっすぐに目を見て、私にそう話すサーラ様。


 そう。私が守りたいのはこのまっすぐな綺麗な目のサーラ様だ、と。改めて思う。

 そして、そんなサーラ様を騙すみたいな真似をしている自分が、ものすごく恥ずかしくなった。




 私、コウラス・コルネリウス・プブリウス。

 コルネリウス家、プブリウスの長男で騎士科の四年生。

 上には姉が四人いる。

 皆淑女科だけど。

 子供の頃から姉たちによくおもちゃにされ、着せ替え人形にされてたのもあってこういう女子の格好をするのは慣れてる。

 まあ、似合うし。

 ならいいか。

 って。


 クラスの女王様、マリアンヌ様に目をつけられてからは常に制服もスカートで、擬似同性のお友達、を演じさせられてたから、ほんとこの格好をすることについての違和感とか羞恥とかはあまりないのだ。

 気さくで遠慮のないマリアンヌ様は、

「あまりにも周りが男子生徒ばかりだと気が滅入るの」

 って話してて、私にはほんとうの女子の友達といった感じに接してくる。

 それはそれで、どちらかといったら男子の間では少し浮いてた私にとっても良かった、の、だけれど。


 そんなマリアンヌ様が話すサーラ様のおはなしは、私にとっては楽しみの一つ、だった。

 一歳年下のサーラ様。

 お披露目の時に初めてお見かけした時、天啓が降りたのかと思う程の衝撃があった。

 ああ、この方に一生お仕えしたい。そう思い込むほどに。

 四人の姉を見慣れていたせいか、か弱く可憐で清楚なその姿、そして、真っ直ぐで綺麗なその瞳。に、守ってあげたい、そう。感じて。

 それは、多分、初恋や一目惚れよりも強烈な、何か、だと、そう思う。

 それ以来、私にとってサーラ様は何よりも大切な物になったのだ。


 お父様やコルネリウス家当主の大叔父様は皇太子さまにお仕えしているけど、私は絶対にサーラ様の騎士になる。

 そう決意して。


 そんな折だった。

 マリアンヌ様からサーラ様が家出をするかもしれないから心配だ、と、聞かされたのは。

 私は居ても立っても居られないほど動揺した。

 私がお側で守ります!

 おもわずそう叫んで。


 マリアンヌ様はにっこりわらって。

「ならあなた、今日からコルネリアって名乗りなさい。同性同年代ならどんな場所にも密着できるわ。あ、そうそうちょうど試しに作らせてるピンクの可愛い騎士服があるの。明日持って来るから着てみなさい」

 嬉々としたその姿に、私にはもうそれを断るっていう選択肢は用意されていなかった。


作中で名前の表記が色々混在しててすみません。


ファーストネーム=家名

ファーストネーム・ミドルネーム=家名

ファーストネーム・家名・父親のファーストネーム

こんな感じで表記してます。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ