決意、と、願い、と、隠し事。
マリアねえさまが心配してくれてるのはわかるんだ。
おとうさまとの話を聞いたとすれば、わたしがベルクマールに行きたいって言ってたのも知ってるだろうし。
流石に勝手に行くとは考えてはいないかもだけど、それでも。近くに常に置いておく護衛って意味では女性の方が良いだろうって思うのはまあわかる。
で、わたしの真意を探る意味でも、同年代の子をって思ってくれたんじゃないかな。
……見張りの意味もあるでしょうね。貴女のチカラの事もありますし。
うん。まあ家出するとまでは思って無いだろうけどそれでもね。
……で。女の子で護衛が務まりそうな実力のある子が居なかった、ということでしょうか?
それもあるのかもだけど、まさか、おねえさま、ショタの子に女装させるのが好みなの??
……この子、若干嬉々とした色も出てるから、そういう子なのかもしれませんよ?
そーかもー。
「ねえ、コルネリア。あなた剣と魔法だったらどっちが好き?」
「え、と、剣ですか、ね」
「じゃぁ、今度わたくしにも剣を教えてくださらない? わたくしまだ剣は習った事ありませんの」
「あぶないですよ? サーラ様に危険な事をさせるわけには……」
「あら、危険な事から身を守る為に、剣のノウハウを知りたいのですわ。だめ、ですか?」
上目遣いでそうお願いするわたし。
「いえ、そういうわけではありませんが……。サーラ様は私が守りますから」
真っ赤になってるコルネリア。かわいい。
「んー? あなたもしかして、以前にお会いした事とかございました?」
なんか、ちょっと、見覚えのある表情? かも。
「いえ、たぶん、お目にかかっては無いと思います。私の方はサーラ様を何度かお見かけしておりましたけれど……」
え? それって……。
プブリウスが子供連れて来た事ってあったかしら?
「お披露目の日のサーラ様はほんとう素敵で、私はこの方の騎士になりたいと、誓ったのです」
あうあう。なんかすごく恥ずかしいセリフを……。
「お願いしますサーラ様。私を貴女の騎士としてずっとお側において下さいませんか?」
ああ、この子は本気だ。色でわかる。
……答えてあげたい、けれど、どうします?
うん。でも……。
「あなたの願い、叶えてあげたいとは思うのだけど。その前に」
やっぱりこれはそのまま、というわけにはいかないよね。
「あなた、わたくしに隠し事があるのではありませんか?」
まっすぐに目を見て、わたしはそうコルネリアに尋ねた。