コルネリアとのお茶会。
困った挙句しょうがなくといった感じで席に着くコルネリア。
「どうぞ」
アスターニャが絶妙なタイミングでカップを差し出した。
今日はアールグレイのミルクティー。ガトーショコラのケーキも美味しい。
庭園でのお茶はわたしの日課みたいなもので、午後の気晴らしだ。
流石に周囲に護衛騎士様たちも詰めているのでコルネリア一人が席に座ったからといって問題はないはず。
「ねえ。コルネリアの服は特注?」
ピンクの子供用騎士服なんて、他では見たことない。ミニスカはなおさら、だ。
「はい、まあ、そう、です」
顔を真っ赤にして答えるコルネリア。
「そうよね。わたくし、コルネリアみたいにかわいい騎士さま、お見掛けするの初めてでしたもの」
子供の騎士見習いなら居ないわけじゃない。
騎士科の学生は大抵黒を基調として金をあしらった騎士服で、それはそれでかわいいのだ。
「ミニスカートもあまり見ないものね」
「ああ、はい。これはサーラ様専属として、お側に居られるように配慮? した結果、だそうです……」
ん? どういうこと?
……なにか、不本意って色が見えますわね。
うん。この子、好きでこの格好の訳じゃぁなさそう?
……スカート自体に恥じらってる感じは無いような気がしますわ。
そう。お話を投げかけるごとにコロコロと変化する心の色。それが見たくってお茶に誘ってみたのだけど。
なんだかサンドラ楽しんでない?
……まあ。楽しんでるのはサーラも一緒でしょう?
あはは。まあ。ね。
もうちょっとつついてみよう。
「女の子の騎士見習いは他にもいるの?」
「はい。騎士科に女性は少ないですが、居ないわけではない、です」
「コルネリアは優秀なのね? その若さで専属騎士なんて」
「いえ、あの……」
……マリアンヌ様が……
ああ、ちょっとヒント、見えた。
そっか。マリアンヌねえさまの趣味、か。
ねえさま、今学園の騎士科に通ってたっけ。
あの事件の後。
わたくしも騎士になりたいです! って主張したねえさま。今は帝立中央学園の騎士科に在籍してるはず、だけど。
まあいっか。かわいい、は、正義だよね。