サーラ、と、サンドラ。
……朝よサーラ。そろそろ起きようよ。
うーん。まだ眠いよ。っていうかまだアスターニャが起こしに来ないからもうちょっと寝ててもいいかも……。
……もう。だいたいサーラはアスターニャに頼りすぎなのよ。わたくしの子供の頃のほうがもっとしっかりしていたわ。
うー。あ、そうだ。今日はサンドラの日にしない? 明日と変わろ?
……そんな事言ってるとずっとわたくしの日にしちゃうよ? ダメサーラ。
うー、ダメサーラってなによダメサーラって。いいもんもう目がさめたもん。
わたしは起き上がるとベッドから降りてタンスから着替えを出す。簡単に着られるワンピースに袖を通すとニーソックスを履いてサンダルをつっかける。
うん。
洗面所で顔を洗い歯を磨き、そしてお部屋に戻りドレッサーの前へ。アスターニャはもうそこに待機していた。
「おはようございます。今朝も早起きですね。サーラ様。では御髪を整えましょうね」
「おはようアスターニャ。今日もよろしくね」
わたしはにっこり微笑むと椅子に座り、後の身支度を任せた。
ね。ずいぶんと成長したと思わない?
……うんうん。よく出来ました。
もう。サンドラはそんな風にすぐ茶化す。
……ふくれないの。可愛い顔が台無しよ。
あれから。
わたしとカッサンドラさまは姉妹のように過ごして。
サーラ、サンドラ、と、お互いを呼び合うようになった。
そして。
身体を使うのも一日置き交代に。
お勉強の時間だけはわたしの担当になったけど。
ああ、サンドラには必要ないんだって。ちょっとずるい。
楽しい、な。
気兼ねとかしようと思っても、お互いに心が通じてるのだ。隠し事も出来ないし。
ほんと物理的な意味で気心がしれてる、のだ。こんな関係ってそうないよね。
遠慮もない、こんな関係。心が通じるってなんて素敵な事なんだろう。
自分のパーソナルスペースの中に他人を入れるのが怖かった。そんな過去の自分に今のわたしを見せてあげたい。
だって、こんなに楽しいんだもの。
ああ。
楽しくて、そして。嬉しい、な。
……わたくしも。ですよ。貴女と二人の人生、楽しい。
あは。ほんと幸せ、だ。
一つ前に魔王石のおはなしを入れたくて。今回続きで投稿です♪