二人で……。
涙が溢れて止まらない。
ここは精神世界みたいなものだから肉体的にどうこう、じゃないけど。
涙が止まらない、の。
今までのサーラとして生きてきた存在すべて否定された気がして。
わたしは、生まれ変わった事さえ、間違い、だったのか、と。
悲しくて悲しくて。自分がもう情けなくて。居なくなってしまいたくて。
ああ、この気持ち、あの時と一緒、だ。
亜里沙ちゃん。
やっぱりわたし、生きてちゃいけなかった。
悲しい。
もう。
消えてしまいたい……。
待って、サーラ。そんな風に自分を追い込まないで。
サーラって、あなたの事なんでしょう? カッサンドラさま……。
いいえ。サーラとして生きてきたのは間違いなく貴女です。確かにサーラの姿はわたくしと似ています。それはわたくしが自身の血族に生まれ変わるよう転生の魔法をかけたのでそう準備されたからであるのは間違い無いのです。でも、サーラとしてのこの8年間の人生は、貴女のものなのですよ。
このサーラとしての8年はわたくしではありません。貴女、ですよ。自信持ってください。
目の前のサーラの姿をした少女はそう言うと、わたしの涙をそっとぬぐい、そして、わたしを抱きしめた。
貴女はサーラ、です。わたくしがそれを肯定します。ごめんなさいね。貴女にそんな悲しい思いをさせるつもりはなかったの。
ううん。カッサンドラさま。わたしが転生しちゃったおかげで、今までずっと何もできない状態だったなんて、わたしだったら多分耐えられない。それなのに、ごめんなさい。ありがとうカッサンドラさま……。
二人で、生きていきましょう。サーラ。貴女とわたくし、二人で。
うん。ありがとうカッサンドラさま。わたし、……。うん。二人で……。
ああ。なんか、救われた、気がした。
前世からずっと引きずってきた気持ち、みんな。