転生少女、と、魔力紋ゲート。
「そんなに気を張らなくても大丈夫ですよ。公主様はお優しい方です。それに……。もしも理不尽なことであれば……させません。その為にわたくしが同行するのです」
侍女長さまのお言葉にちょっとうるっと来た。
うん。でも。どうしよう。
「さあ。こちらのパネルに掌をあてなさい。認証のために登録を行います」
「魔力を出す必要があるのでしょうか?」
わたしは念のためにそう聞く。
「そうですね。手のひらを当て、ほんの少しだけで良いので魔力を流します。登録時には必要ですが、認証には必要ありません。自動で感知しますから」
「わかりました。ありがとうございます」
もう覚悟を決めるしかなさそうだ。
わたしはゆっくりと左手の掌を目の前にそそりでているパネルにあてた。
反応、ない、よね。やっぱり。
「はい。そこですこしで良いので魔力を流すのです」
うー。
たぶん意味ないと思うけどこっそり右手で魔力ライターの魔石を握りこむ」
ブー
え?
「おかしいですね。別人の魔力に反応したようです」
そっか。登録時にもちゃんと本人かチェックが入るってことか。登録時にも認証確認をするのね。不正防止の為には必要だよね。
変なとことに納得して。
「どうしたのでしょう。故障でしょうか」
いつまでたっても何回やり直しても、登録完了まで進まなかった。
隣でパネルを操作している侍女長様も、なんだか焦っている。
その時、
「どうしました。何かありましたか?」
そのお声に、はっと全員が振り向いた。
なんと公主様がゲート入り口にいらっしゃったのだ。