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黒い予感。

 夕食は身内だけのリウィアさま歓迎会。

 そんなに豪華にはやらないっぽいけど、久しぶりに会う兄妹なのだ。それなりに美味しいものが出るのかなぁとか考えて。


 わたしはちょっと寝てしまっていたので髪とか乱れてしまっていて、アスターニャに直してもらった。


「アスターニャ、あんまりいろいろのせると重いです……」


「ああ、サーラ様すみません。少しでもサーラ様の可愛らしさを見てもらいたくて」


 そう言うアスターニャは飾りを少し減らしてくれた。

 ほんとはもっとシンプルでいいんだけど、アスターニャ的には許せないらしい。しょうがないか。


 いつものようにアスターニャに手を引かれ食堂に着くと、わたしが一番最後だった。


「まあかわいらしい」


 リウィア様がそう褒めてくれたので嬉しくなって。


「ありがとうございます。わたくしリウィア様に会えるのをほんと楽しみにしておりました。あとでゆっくりおはなしさせてくださいませ」


 そうにっこり挨拶して席に着く。


 夕食はコンソメスープにお魚のマリネ、仔牛のステーキ。そしてデザートにマスカットタルト。

 美味しそうに食べるリウィア様。そしてそれを見て微笑むおとうさま。

 多分、これはリウィアさまのお好きなものをメニューにしたのかな。うん。美味しい。わたしも大好きだ。

 マルクス様も嬉しそうだ。よかった。


「ところで陛下、近頃の空気、危うい色が混じっておりますが」

「ああ、対処はさせてはいるが、難しいな。公国にも万一のことが無いよう、注意して欲しい」

「あれからもうじき五百年が経ちますし、そちらの対策もせねばいけません」

「わたくしに降りてきた預言では、どうやら次の世代での出来事となりそうですね」

「ということはまだ時間があるということなのか?」

「そうとも言えません。わたくしでは無い、と、しか」


 あ、嫌な予感が降りてきた。

 おとうさまたちは子供もいるこの場でははっきりとした言葉にしない、のだろう。

 何の事を話しているのか聞いているだけではよくわからなかった、けど。


 ああ、ダメだ。黒い色がわたしの目にフィルターみたいに被さる。

 見たくない、から?

 でも。


 一瞬、リウィア様が黒い爆発に巻き込まれる映像が見えた。


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