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想いのチカラ。

 雷光に包まれ皆が死を覚悟したその時発動したのはわたしの光の膜だった。


 守るチカラ。


 守りたい、と、想う心がチカラを生んだ。


 ……貴女の想いはこの世界でチカラに変わります。よ。


 そう、デートリンネの声がして。


 どう言う事!


 と、思わず心で叫んでたけどそれ以上の返事は無かった。




「聖女のチカラだ」

 ラインハルトさまがそう、呟く。


 轟音が収まった時。

 雷光はわたしたちの周囲を焼け野原に変えていた。

 バルカの姿は無かった。わたしの守りの中には居なかったからもしかして自分をも雷光に巻き込んだのか?

 それとも……。


「ありがとう、サーラ。君のお陰で助かった」

 ……俺にはわかったよ。あのチカラ、君だって。

 そういうラインハルトさまに、おにいさまも。

「すごいよサーラ。あんなチカラ見たことない。ほんとありがとう」

「サーラ。よかった……」

 おねえさま……。おねえさま、泣いてる。わたしの涙はなんとかとまった。目は泣き腫らして真っ赤になってるけど。

「わたくし……、よくわからなくて、ただ、まもりたくて……」


 わたしはそう呟くのが精一杯だった。


 ☆


 お城に帰るとおとうさまとおじさまが出迎えてくれて。

 おとうさまはわたしたちを抱き寄せた。

「無事で、良かった……」

 そう、ほんと、安堵の色を纏わせ呟いた。


 捕らえられた騎士達は皆、操りの魔道具によって操作されていたらしい。バルカ以外からは皇家に反発する感情は見えなかったし、そういう事なのだろう。

 バルカによって、長い年月をかけて、少しづつ準備されていたのだと。そういう話だった。


 バルカの行方は判らなかった。あの場には死体も痕跡も残っていなかった。




 彼はまた現れる。それは予感というよりも確信に思えた。


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