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転生少女、連行される。

 というわけで。ってどういうわけだか。


 わたしは公主様のもとに連行? されることになった。


 御目通り、じゃないよ? そもそもお側にあがるわけでもない新人メイドなんて、公主さまにお会いすることも無ければ気に留めてもらえるわけもない。わたしの名前すら、知られてないと思ってた。

 だから。


 今回のこれ、ひょっとしてさっきの異変と関係あるんだろうか?


 可能性、あるなぁ。




 わたしの前には侍女長さま。わたしの両隣と後ろには護衛騎士様。さっきの人じゃないけど、三人。


 完全に囲まれたまま公主様のお住まいである最奥のエリアに差し掛かる。


 ああ。


 まずいなぁ。


 この先には魔力紋ゲートが存在するらしい。



 登録したものだけが通ることができるというゲート。


 不審者侵入者防止のため設置されていて、自分たち侍女もお側にあがる際になったら登録するのだ、と、説明で聞かされた。


 でも、たぶん、だけど、わたしって魔力紋、無いんじゃないかな……




 わたしが魔力ゼロを自覚したのは七歳のとき。


 小学校に入学し友達ができて、その子と遊んでいるときに見せてくれたおもちゃ。


 ゲームボーイみたいな小型の携帯ゲーム機みたいなそれは、画面がキラキラしててすごく綺麗だった。


 その子、アイラちゃんはそのゲーム機を上手に操り、画面の中の光るかけらを合わせていく。


 パズル? 絵合わせ? そんなゲームみたいに見え。


「アリシアちゃんは持ってないの?」


 そう、聞かれた。みんな持ってる、って言う話だ。


 どうやら子供の魔力を高める練習用の遊具で、今流行りなのだと。


 わたしもやってみたくなって、ちょっと貸してもらった。


 でも、


 なにをやっても起動すらしない。ほんと、全く。


 そこで、はじめて気がついたのだった。自分はこの世界では、普通、で、ないことに。


 自分には、魔力というものがカケラも無い、ことに。


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