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邂逅 わたしが自殺をした後で。

コミケの準備が出来て時間があいたので、以前予告していた瑠璃の転生したときのお話を番外で載せていきますね。


よろしくお願いします。

 


 そこは純白の世界だった。


 今までずっと暗い世界に生きてきた事を考えると不思議。絶対に地獄行きだと思ったのに。ここは、天国? か。


 亜里沙ちゃんだけがわたしの全てだと思っていた。今でも。その執着を断ち切るため、これ以上亜里沙ちゃんに迷惑をかけない為。


 そして、亜里沙ちゃんに嫌われる自分を想像する事に耐えられず。


 だからわたしは生を諦めた。


 なのに……。




 目の前にぽっかり空いた穴が見える。


 たぶん、あそこを抜けるとわたしはわたしで無くなるんじゃないだろうか。そんな気がする。


 漠然とではあるのだけど、あれが円環の理に通じているような。悟ったっていうのはおこがましいけど、そう、感じる。




 あそこまで行けば、きっと……。


 そう思うのだけれど、それを拒む自分もいる。不思議。




 ……人間って、おもしろいですね。ほんと、興味深い。観てて飽きないです。


 突然そんな声が聞こえた。


 誰?


 ……わたくしは、「管理者」なのですよ。


 管理者……? かみさま?


 ……神、ですか。そう呼ばれることもない訳ではありませんが。 少し違いますけどね。




 目の前の穴にもう一つの丸いものが重なり、そして埋めていく。


 管理者と名乗るそれ、は、姿は見えないのだけど確かにそこに、有る、ことはわかる。


 どうしてわたしのまえに現れたのです? その管理者様、が。


 ちょっと皮肉を込めて。


 ……あなたが、円環の理に還るのは惜しいと、彼の方が仰るのですよ。


 彼の方、って?


 ……ああ、彼の方は、彼の方としか……、人のように区別する名は存在致しませんから。


 あ、な、た、は?


 ……わたくしは、デートリンネ。記録と輪廻を司る管理者です。


 ああ、そうか。


 何が理解できた訳では無かったけれど。これは、生まれ変わる為のイベント? なのか?


 ……貴女を次の生に案内しますね。


 わたしは頷く事しか出来なかった。そして。


 目の前が暗転する。


 ……貴女は還るのです。貴女のキオクの中に……


 そうデートリンネの声が響いた。




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