6日目 朝
ヒビキは、誰よりも早く、朝起きて、ホテルの前で待ってると、奈々(ナナ)とハヤテが二人仲良くホテルからでてきた。
「おはよう、おふたりさん」
「「お、おはよう、ヒビキ」」
二人のぎこちない会話で察したヒビキは、詮索はすまいと、リイナがホテルから出てくるのを寂しく待った。
ヒビキは長く待った感じだったが、実際はそんなに時間はかかっていなかった。しばらくすると、リイナがでてきたため、魔馬車に全員で乗って、迷宮都市で困っているであろう、姫様たちの元に向かった。
徒歩でも、数刻で着くぐらいの距離をあえて、魔馬車で向かうと二刻もかからず、着くことができた。
「歩いても、よかったんじゃない?」
「まぁ、それでも、よかったんですけど、
あんまり遅いとダンジョンに出発できなくなるんで」
ナナさんの質問に対し、軽い感じで回答し、迷宮都市に到着するなり、3人を酒場前で待たせ、酒場にはいっていった。
案の定、オオストラトさん含め、姫様一行がおり、困り果てていた。前回の冒険より、一日遅いせいか、悲壮感が漂っていた。
「こんにちは」
「なんじゃ。われらに用事でもあるのか。
魔法使いでも、ないんじゃろ?」
「魔法剣士では、ありますが、魔法使いの女性を紹介できます。
いかがでしょう」
「なんですと」
「それは、誠でござるか?」
「ええ、超一流です。100メートルを超す大魔法すら唱えることができます」
「何を馬鹿な、王宮一の私でも、唱えれらないのに。
そんなことがあるわけない」
「まぁ、まぁ、話だけでも聞こうで、ござる、ペテ殿」
「見てもらうしかありませんが、
一点だけ、お願いがあります」
「なんじゃ、仕事をしたい20人の冒険者がきますので、
8階のダンジョンで雇ってもらいたいのです」
「むしろ、願ったり叶ったりじゃ
そんなことで、いいのか?」
「あと、ペテ様ほどでは、ありませんが、職があぶれている魔法使いが王都におりますので、
部下に雇っていただきたいのです。
「うむ、会ってみて、決めてみよう」
「はい、それでかまいません。
では、呼んできます」
ヒビキは、リイナを連れて入って行くと、二人の美少女たちが声を荒げた。
「リイナ姉」
「リイナ姉さん」
「僕の婚約者のリイナです」
「え、リイナ姉の!!!」
「姉さんの!!!」
「ご紹介にあずかりました、婚約者のリイナです
よろしくお願いします」
二人が駆け寄ると、どうことかと、アドアとアンナの詰問がはじまった。
「まぁ、積もる話は、ダンジョン内でするにして、
ダンジョンに出発しましょう」
「わかった、なの」
つまらなさそうに欠伸をするエレメールを筆頭にダンジョンに向かった。
「じゃ、リイナ、そっちは任すよ」
「わかったわ」
「さっき、説明したけど、15階のスライムだけ、気を付けてね」
「うん、任しといて」
都市に向かう魔馬車の中で、ヒビキが苦労した点を念入りに説明した。といっても、危険なのは、一点だけなので、説明は簡単だった。
「じゃ、奈々(ナナ)さん、ハヤテ、行こうか」
「ヒビキは、行かなくていいのか?」
「ああ、リイナが少し活躍すれば、あとは、姫様。
あの正面でカンカン音を鳴らして歩いてる美少女だけで、十分だよ」
「ねぇ、ヒビキ君、あれって、重たいやつでしょ」
「ええ、僕では、ダガーですら持ち上げれませんでした」
「だよね、大剣を二本軽々と持つって。
恐ろしいわね」
「俺も、あのスキルを持てば、尊敬させられるかな?」
ヒビキは、危険な思想に気づき、どうやったら説得できるか、考え始めた
「ハヤテったら、何言ってるの。
あんな化け物みたいな力持ったって、普段の生活で困るだけよ
そんな力をもって、あなたは、何をしたいの?」
「いや、何もないけど。最強って憧れるでしょ?
ねぇ、ヒビキ」
「ハヤテ。
彼女は、あのスキルを持ってることで、人から畏怖され、近づいて貰えないしし、
意見を交わすことすら、させて貰えないんだよ。
君は、強い力をもったら、弱い僕やほかの人たちの話を聞けるのかい?」
「判んないよ、そんなの。
なんで、そんなにマジになるの?」
「それだけ、強力な力は、心が強くなきゃ、抑えられないって話なのよ、ハヤテ」
「そうだよ、あの力をもったら、
ナナさんを抱くこともできなくなるんだよ。
触っただけで、相手が吹っ飛ぶんだから」
「え、そうなの。
それは、嫌だな」
「そうよ、だから、ハヤテは、そのままでいてね♪」
「うん」
二人が見つめあうと、お邪魔虫感が多様に出て、いづらくなったヒビキは、二人をおいて先を急いだ。