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3日目

 3日目の朝、ニューイシを含んだ5人の一行は、独立国家に向かう予定のため、魔馬車に乗りこんだ。


 ヒビキが魔馬車にのり、気がかりとなっていたのは、ニューイシが今日、自分の素性を明かすかどうかだった。本来であれば、都市に到着早々、3人を誘導する形で、城に招かれたが、展開も異なり、ヒビキも一緒にいるといった懸念が頭から離れなかった


 人がほとんどいない魔馬車にのると、時間どうりに出発し、何も問題がイベントも起こらず、

昼過ぎにモンテリンクに到着した。魔馬車の間、ニューイシと由香里(ユカリ)と奈々(ナナ)が、

仲良く談話していたが、大きく仲が、発展している様子はなかった。


 魔馬車と降り、町並みを進むにつれ、ニューイシの案内が始まったが、運命の噴水の前を通ったが、遠くの城を軽く紹介するだけで、通過した。


 内容を知っていた二人の美女は、大いに落胆をしたが、顔には出さないで会話していた。


 明日の朝の魔馬車は、大混雑になるため、近くの宿をとり、酒場で食事をとったが、

二人の落胆による気持ちの落ち込みから盛り上がらず、直ぐに解散で宿屋に戻った。


 眠る前に、前回との相違点を考えはじめ、命を救われていたことを考えると、まだ、信頼するには、時間が必要なんだろうと、ヒビキは考えに落ち着いた。


 真夜中になるころ、ようやく、睡魔に襲われ、太陽が昇ると、ヒビキが望んでいたハヤテ救済の一日目を迎えた。


 リイナからの話では、魔法屋で精鋭鑑定のスキルを奪取するはずで、その付近で網を張っていれば、近づける計画だ。


 他の3人には、目的は告げず別行動を行う予定だった。朝一で、魔馬車に向かい、問題なく5人で乗ることができた。想定通り、人数が早々に埋まり、あっという間に交易都市にむけて出発となった。

 

 ヒビキは、道中で今後の展開を何度もシミュレーションし、どうすればいいか、彼なりに考えていたが、決めきれず最終的に選んだ案は、運が絡む案で行くことにした。


 リイナに説明をするため、耳打ちで内容を告げると、

「運、任せになっちゃってごめん」

「まぁ、いいわ。

 悪くなったら、悪くなったで、どうにかなるわよ」

 ヒビキは、リイナの割り切った考えと、何を選択しても信じてくれる彼女を感謝の気持ちでいっぱいになった。


 他3人が、仲良く並んで眠ってたこともあって、二人のやり取りは、特に気にもされなかった。魔馬車は、そんなヒビキの気持ちを気にも留めず、どんどんと進んでいくと、昼時を過ぎ、数刻たったころ、本日の目的の町に到着した。


 3人に後で合流するから、店と宿をとってと頼み、ヒビキとリイナは、魔法屋に向けて急ぎ足で向かっていくと、力なく歩くハヤテを発見した。


 当初の予定では、精鋭鑑定のスキルを持ってる旨を彼の近くでちらつかせ、ハヤテに呪い好きを取らせ、呪いの品でユニークスキルを封じる作戦だった。


 ヒビキは、ふと、ハヤテが本当は、嫌な奴なんだろうかと疑心暗鬼に襲われた。


 助けた相手のユニークスキルを奪うようなやつであれば、彼に寄り添い、手助ける必要なんてないんじゃないだろうかと考えを改めると、もはや、作戦通りに進めることができなかった。

「リイナ、僕は、試してみたいことができたよ。

 見守っててほしい」

「わかったわ、ヒビキの好きなようにしてね」

「ありがとう」


 ヒビキは、困り顔のハヤテに近づくと声をかけた。

「どうか、しましたか?

 困ってることでもあるんですか?」

「はい、昨日から何も食べてなくて、おなかが空いて……」

「そうですか、

 じゃ、何かごちそうしますよ。

 出店で、何か食べたいものがありましたか?」

「いいんですか?

 あそこのバーガー的なものがたべてみたい」

「じゃ、いきましょうか」

 彼に買ってあげて渡すと勢いよく食べ始めた。

 ヒビキは、飲み物を買ってくると、彼に渡してあげた。

「ありがとう」

「いいえ、困ったときは、お互い様だよ」

 彼が、あっという間に全てを食べ終わると、更に声をかけた。

「次は、どれがいい?」

「いいのかい?」

「昨日から、食べてないんでしょ。

 好きなもの選んで」

「ありがとう、ありがとう」

 彼は、頭をさげて涙を流して感謝をしたが、ヒビキは優しく見守るだけだった。


 彼が、涙を拭いて、気持ちを落ち着かせると

「あっちで食べれる麺が食べてみたい」

「うん、じゃ、行こうか」

 先ほどと同じように、買ってあげて、露天の脇で麺類を勢いよく食べるのを見守った。


「おかげで、死なないですんだよ。俺は、ハヤテっていうんだけど、

 君は?」

「僕は、ヒビキだよ。

 仲間と一緒に旅をしてるんだけど、君もくるかい?」

「うん、一緒に行かせて貰うよ」

 リイナを呼び寄せた

「彼女は、リイナって言って、僕の婚約者だ」

「ヒ、ヒビキ。ま、また♪」

「どうも、リイナさん、

 ヒビキくんに、ご馳走して貰いました。

 いいやつですね」

「ヒビキは、いいやつよ。

 だって、わたしの婚約者ですもの、

 ね、ヒビキ」

 そういうと、ヒビキの腕を自分の腕で絡め始めた。

 ヒビキは、ドギマギしながらも、待ち合わせについて語った。

「この後、他の冒険者と一緒に夕食になるんだけど、

 紹介するから、来てほしいな」

「俺は、お金とか何ももってないんだけど、いいの?」

「いいわ。

 ヒビキもお金は、わたしの借金だし、

 一人くらいどうってことは、ないわ」

「ははは。

 じゃ、ヒビキくんも、僕と同じで、からっけつなんだね」

「偉そうにみえて、そういうことです」

 ヒビキは、右側にリイナを連れ、左側にハヤテと談笑しながら、酒場に向かった。


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