僕と闇一凛 中
投稿遅れた+スマホで書いたためどこか変なところがあるかも。
大変申し訳ない・・・
もう一度はっきり言わせてもらうが僕は人間が嫌いだ。
このひねくれた考えを持ち始めたのが中学生からなので、僕は異性に恋愛感情を抱いたことがない(同性もだよ?)。告白されたことなら何度かあるが、結局すべて断るので付き合ったこともない。そんな僕を横山は不思議そうにみていたが、手段も告白の時に言う言葉も『同じ』なのでうんざりしていたのだ。
いつしか僕はいつかとんでもない方法で告白してもらいたいものだと常日頃思うようになった。
しかし実際は動揺するばかりである。
「け、け、けっこ、結婚ですか?」
動揺しすぎて鶏みたいになる僕。我ながらうぶな反応だ。
しかし考えてほしい。出会ってまだ五分も経っていない、お互いの名前も知らない、まだろくに話してもいない。いくらあの男を退治したからといい(まだ転がって動かない)、いくら何でも唐突すぎる。
「そう。結婚よ結婚。どうかしら?」
キラキラした目で僕は見つめるおねーさん。
・・・・・・か、かわいい。
「い、いきなり結婚って早すぎますよ」
「そうかしら?」
「そうですよ。普通は何年間かお付き合いしてからするものです」
・・・・・・よね?と聞き返したくなる気持ちを抑える。僕もそういう類の話には疎いのだ。
「でも私はあなたのことが好きで本気で結婚したいと思っているのよ? 早い遅いなんて関係ないでしょう?」
恥ずかしいからそんなにはっきり言わないで!
「き、気持ちはよく伝わりました。やっぱりいきなり結婚はできませんが・・・・・・」
せっかく見つけた『とんでもない』人だ。もしかしたら運命の人かもしれない。それを考えるとこの誘いを蹴るのはいい判断とは言えない。
と言うわけで・・・・・・
「お付き合いならぜひ僕からもお願いしたいです」
「ところでさっきから言ってるオツキアイ、ってなんのことなの?」
予想外の質問に「え?」と聞き返す。
「だから、オツキアイって一体何のことなの?」
「えっとですね・・・・・・。まぁ恋人同士になるってことですね」
「こ、コイビトだとぉ!?!?!?」
突然発狂し、身を乗り出すおねーさん。
何だろう。発狂するほど恋人という過程を飛ばして結婚したいのだろうか。
「い、今コイビトになりたいと言ったわね?」
「?・・・・・・。いいましたけど」
「ふ、ふうん、コイビトねぇ・・・・・・。まぁ、私の体に興味を持ってしまうのは当たり前だし、思春期だものね。そう思ってしまうのも無理ないわよね・・・・・・」
顔を赤らめ、チラチラ僕を見ながらぶつぶつ呟くおねーさん。 なんか変な勘違いをされている気がするがきっと気のせいだろう。
「そのときは私がしっかりしなくちゃ。彼女なんだから・・・・・・彼女・・・・・・うふふふふふふ」
やっぱこのおねーさん何か勘違いしてるよ絶対! いくらうれしくても普通あんな笑い方しねーよ!
「と、言うことで」
おねーさんはいきなり真顔に戻って言う。初めて声をかけたあのときのようなクールな表情だ。
「これからよろしくね。えっと名前は?」
「赤谷月人です。こちらこそよろしくお願いします」
「私は闇一凛よ」
・・・・・・え?
僕の話を聞き終わった後、神童さんは「信じられねぇ・・・」と本気で驚いた。現在時刻は午前10時。僕は喫茶店で昨日おこった出来事を報告し終わった。
信じられないのは僕の方である。運命的すぎるというのもあるが、何よりも神童さんから聞いていた情報と全く違う人間だったからだ。『綺麗』という点をのぞけば正反対だったといってもいい。
「それほんとにあいつなのか? 同姓同名の別の奴じゃないのかよ」
「あんな美人そうそういないと思いますけど」
「全く持って信じられん。あの闇一が、あの『悪魔』が、男に惚れるなんて・・・・・・」
「僕から見たら悪魔っていうより天使って感じでしたよ」
これは本音だ。あの容姿はもちろん、ちょっと抜けてる性格だって天使の方が似合うに決まっている。
「で、今どういう状況なんだよ?」
「午後から遊びに行く予定です」
「おぉ!? デートかデート!! あっはははははあっはっはぁ!!」
「目立つから静かにしてください」
お前は中学生か。
「じゃあ僕そろそろ行ってきますね」
「おう」
店を出ていこうとしたところで「なぁ赤やん」と呼び止められた。
「何です?」
「お前、あいつとこういう関係になれて楽しいか?」
「楽しいですよ」
これも本音だ。意外なことに。
「確かにいきなりで迷惑なのはありますが、一緒にいて退屈なんて絶対しないし。それに今まであったことのないタイプなので、もっと話したいとも思いますよ」
「そっか」
それを聞いて、神童は安心したように笑うのだった。
「てか代金払いやがれ。なにさらっと帰ろうとしてんだてめぇ」
・・・・・・バレてしまった。
こうして赤谷月人にとっても、闇一凛にとっても、人生初のデートが始まるのだった。