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I become a HERO  作者: kaninchen@うさぎ
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第5話 【With a friend to the cave】


「わ、私とコンビを組んでいただけませんか!?」


「......ふぇ!?」


んーと、何を言ってるんだこの少女は?コンビ......って事はパーティーを組むって事か――いやいや!ハンドガンで接射かまして血まみれになってるやつに向けるセリフじゃねぇだろ!


「あっ、すいません、まだ自己紹介モしてませんでしたネ!初めマシテ、ガンナーさん、ワタシの名前はステ......失礼、アンナ・ミシェールと申します!ちなみにジョブはサモナーしてマス!」


んん、外人さんか。なんか論点ズレてるし......しかも聞き取りづらい、翻訳機能地味に機能してねぇな。


「あぁ、どうも。俺はリアスって言います。うん、まぁ見りゃ分かると思うけどガンナーです......」


頭をかきながら自分よりまぁまぁ背の低い彼女に伝える、彼女はブンブンと首を縦に振り、そのヒマワリの色に似た金色の髪が嬉しそうに跳ねる。


笑顔はそれこそヒマワリのように眩しいし、そのかなり薄い茶色の瞳はそれこそ太陽の輝きを放っている。


......思わず目を細めた。


「リアスさんですネ!先ほどはありがとうございました!」


「あぁ、いえいえ......うん、当然の事っすよ」


「あのッ、アノっ、さっきのピカピカでビリビリしてたロープみたいなのってどうやったんデスカ!?あとあと!ナンデあんなにスムーズな体さばきができるのデス!?このゲームかなりヤリこんでたカタなんですか!?あとは、あとは――」


と、そこまで言うと、アンナはリアスのなんとも言えない顔を見て、それまで興奮が抑えられなかった風の笑顔をしゅんとさせた。


「あの、ごめんなさい......少し興奮し過ぎてマシた......ワタシこのゲーム始めたバカリで......まだ何も分からなくテ......」


「あぁいやいやいいんですよ、じゃあ一つずつ話を整理しましょうか......何から話しましょうか」


「じゃ、じゃああのピカピカロープで!」


「えっと、スキルのワイヤーアクションってやつですね、この手首のやつ見てください」


俺は彼女に手首にくっ付いてる腕時計型の機械を見せる、彼女はその機械を触れはしないがまじまじと見つめ


「なるほどなるほど、ココからあのビリビリが出るんでスネー......あれ、スイッチみたいなのはないんですね」


「はい、出し方は頭で考えて命令出したらワイヤーが出るって感じですね。ちなみに当たり判定は自分以外の全てで、ワイヤーを打ち込めるのは壁と床、とかの建造物と木とか岩とかのある程度丈夫な自然物。実用性は無いですけど『物』ですね、敵の落とした武器とか奪って攻撃なんてのもできます」


「おおー凄い、自由度高いですねー」


「えっと、ミシェール、さん?でいいかな?」


「あっ、アンナでダイジョウブですよ」


「じゃ、アンナさん。最初で選べるスキルって何にしました?」


「えっと......『ランナー』ですね、確か」


「あぁ、『ランナー』ですか」


『ランナー』確か身体能力の中でも特に走る事を特化させたスキルで......効果は、移動速度上昇とスタミナ上昇、足の疲労軽減だったか。まぁ、人気スキルだが、『サモナー』が使うか?


「結構走れるのってヤクにたつんですよね」


「なるほど......」


だから追われてる時も男相手に追いつかれずに済んだのか、それに走れれば身体能力値も上がるしな......


「あーっと、俺はあんま詳しくはないんですけど、サモナーって『詠唱短縮』みたいなスキルありませんでしたっけ?」


「あぁ、ありますヨ。でも結構取るのに苦労するンですよねーなかなかに高ランクのスキルで......」


「そうなんですか、ちなみに使役してる魔獣的なのはなんですか?」


「虎、ですね、一番スタンダードで最初に召喚できるヤツです。ちなみに私は白、聖の魔術を基本としてるノデ、正しくは聖獣になります」


「あぁ、そうなんですねー」


ちなみに、黒、悪の魔術を基本としてるト、ライオンになるらしいです。


と、アンナが付け加えた。――自分のジョブ以外の事は何も知らないな俺......


「あっ、見せましょうか私の虎サン」


「あれ、MPとか大丈夫なんですか?」


「はい、『サモナー』ほ周りの魔法因子......マナを使って『ゲート』を作って召喚ってナガレなので」


「ほうほう」


ではサッソク。そういうとアンナは背中の先端だけ膨らんだ黒めの茶色の木の棒を地面に突き刺し、正座になって詠唱を始めた。


「我、白の魔法を操りし純粋なる魔術師なり。我、聖のマナを操りし純潔なる魔術師なり。あぁ、白の王よ、我が清廉(せいれん)な願いに答え(たま)え。あぁ、聖のマナの精霊達よ、我が(くも)りのない心に寄り添い、力を貸し給え。白の世界の住人達よ、我が高潔な祈りに――」



――あれから、3分、いや5分......まぁいいや。少なくともカップラーメンがすっかり出来上がる位には時間がたっただろう。


最初は正座だった俺も、今やあぐらをかいている、足疲れた。


ちなみにアンナの詠唱は未だに続いている、姿勢も背中をまっすぐ正座のままだ。恐らく『ランナー』の効果も得ているのだろうが、それ以上に彼女は忍耐深いのだろう。


そんな長々とした詠唱に答えるように、周りの空気もピリピリと彼女の杖を中心に張りつめていくような感覚がある、魔法に(うと)い俺にさえ伝わる程の魔力だ......ピリピリとはしているが、攻撃的なそれではなく、雪山に居るような空気の張りつめて方で、少しの心地良ささえある。



そんな空気の中ぼーっとしていると、アンナの声が少し大きくなり、空気の緊張も急速に高まってきた。そろそろだ。


「――さぁ、白の王より受けた様々な恩恵を、聖なる精霊より受けた様々な加護を持って、(ほふ)れ虎よ、悪しきものに断罪を与えよ。護れ虎よ、そなたの主に王の護りを与えよ。いでよ虎よ、聖なる光で、悪を、黒を、討ち滅ぼせ!」


「サモン!セイント・ティガー ドゥ ルミエール!」


そう叫ぶと、彼女の杖の周りで光の爆発が起こり、俺は咄嗟(とっさ)に顔を背け目を閉じる。


恐らくマナとやらの流れだろう、体の周りを空気が流れていき、その流れが波のようにヒュウウと音を立てながら戻ってくる。


「もう大丈夫ですヨ」


と、少し語尾の笑っている彼女の声が聞こえたので、目を開け後ろを振り返った。


「どうデス?可愛いでしょう?」


......正直目を疑った。

驚くことに、今まで虎の影も形もなかったのに、今は巨大な、彼女どころか俺の背丈さえもゆうに越せそうな虎がそこに居た。虎は主の隣で行儀よく伏せをしている。


これが聖獣、これが魔法......これが、サモナーの持つ力......すげぇ、すげぇ!


「えっ、すげぇ!えっそれホントに虎でしょ!?ちょっと白いライン入ってるけど、すげぇ!すげぇ!!」


「フフン、これが私の能力デス!」


腰に手を当て、天真爛漫な自信たっぷり笑顔を浮かべて元気にVサイン。

控えめな胸も相まってますますロリ感が増す。


「ちなみに戦闘力的なのは高いの?」


「数値化は出来ませんが......強いですよ序盤のツヨい味方です」


なるほどなぁー


「ナンなら、戦ってみますか?」


「へっ!?」


「冗談ですよ、多分このコじゃリアスさんには勝てません」


それはないと思うが......飛びつかれたらひとたまりもなさそうだ。



「あっそうそう、リアスさんにもう一つ聞きたい事があったんです」


「何ですか?」


もう、虎はいない。さっきアンナの命令で光になって消えた。


「さっきの戦闘っテ戦闘の前のPvPの申し込みみたいなの無かったんですけど、あれって有効なんですか?」


あぁ、そういやしなかったな。今更気づいた。


「あぁ、ランキングとかについてなら有効じゃないですよ。それどころか金はもらえないし、負けた方は金は減るしで、どっちにもデメリットしかない戦闘、無駄な戦闘になります」


「ソレって、本当に意味ないですね。どうしてそんなモノが......」


「違いは、普通のPvPはランキングは上がるし運営からお金も貰えますけど、ただの無駄戦は金はもらえない、ランキング上がらない、負けた方は金が減り、その場でしばらくの時間経過で幽霊状態からリスポーンします、リスポーンまでの時間も違いますね」


「ハァ......」


「とどのつまり、無駄戦の方はただの嫌がらせですね」


「なるほど......」


「さて、本題に戻りましょうか。パーティー組みましょうってことでしたよね?」


「そうソウ!忘れてました!」


「理由、聞いても良いですか?」


「一つは、先ほど守っていただいた恩返し、二ツは、単純にあなたの強さにホレたから、三つにこんな世界です、協力した方が生存確率が上がると思うんですよ」


「なるほど、ではなぜあの人たちに追われてたんですか?」


「この先に、洞窟、ダンジョンがあるんですよ。知ってますか?」


「いえ、知らないです......」


あったか?ダンジョンなんて?


「そこに、まァ、興味本位で入ったんですけど、出てきたシュンカンに襲われちゃって、逃げてきたってワケです」


「なるほど......んじゃ、組みましょうかパーティー」


「ホントデスカ!?」


「はい、ただし!条件が二つあります」


「はい、守りますワタシ!どんな事でも!」


どんな事でもは言い過ぎじゃ......


「まず一つ、今俺はある女性を探してます、そして、その女性が見つかり次第解散。これを頭に置いておいてもらえませんか?理由は......後で話します」


アンナはこくこくと頷く。


「二つめ、俺をその洞窟とやらに連れてってください、さっそく共同作業と行きましょう」


「ハッ、はい!この私、全力でお役に立たせていただきます!よろしくお願い致しますリアスさん!」


「はい、よろしくお願い致しますアンナ」



こうして街から見て北のエリアで結成したばかりのガンナーとサモナーのコンビはダンジョン洞窟に向けて歩き出した。

今週からテスト期間はいるので少し、少しだけ連載が滞るかもしれませんがご容赦下さい(*・ω・)*_ _)ペコリ

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