第3話 【I am (not?) a murderer】
地味にタイトルに()つけるの嫌だったり、誰か洒落たタイトル付ける才能下さい。
「――では、宿泊代30リズちょうだいします」
宿屋の主人のNPCが差し出してくる手のひらに、ダイヤ型の銀貨を3枚のせる。
「ちょうどお預かり致します、ごゆっくり」
流石は機械的にプログラミングで動かされているNPC。返り血を浴びて真っ赤な人を見ても動じない。
でも広場が賑わってなくて助かった。もし人に見つかったら何を言われるか分からない.....いや、別にスルーされるかもしれないな。
驚く事に、温かい湯に流される少し黒ずんできていた血を見ても罪悪感はそこまで感じてない。
そんなものせいぜいひとつまみ、料理とかのレシピの『少々』と同じ程度だ。
あるのは、人を撃った『感触』人を撃った『恐怖』人を撃った事による『征服感』『恍惚』人を撃ち殺し、目の前で生命が消えるのを見た『喪失感』
――肩までお湯に浸かっているのに、手の震えが収まらない。
とてもじゃないが、気持ちの良いモノじゃない
むしろ気持ち悪いしおぞましい。
だけど安心できることもある。
この感情があるって事は、よくテレビニュースに出てくる人殺しの「人を殺してみたかった」みたいに答える狂った奴らとは違うって事だ。
しかし、いくら『異世界のデス=現実世界の死』じゃないといえ、人は殺した。一応拾ってきた空の薬莢二つがそれを生々しく物語る。
ふっかふかのベッドに座り、メニュー画面から自分のプロフィールからランキングを見る。
たった1人殺しただけで、ランク外から100位上がった。ここも前のシステムとは違う。
前はプレイヤーキルより普通の敵NPCを殺した方がランキングの上がりは良かった。
何か黒いものが、奥の深い所から込み上がって来た気がして、思わず布団の中に潜り込んだ。
――向こうの熱帯夜では考えられない所業だな。
さて、4日目。
朝ごはんを貰おうと下のフロントに降りたら、「朝ごはんは自室に持っていくからお気になさらず」と、説明を受けた。
良いね、親切設計。
今日は出かける予定はないものの、いつもの服に着替える。そろそろ新しい服欲しいな。
「お料理お持ちいたしましたー」
と、言われたので、部屋のドアを開けると主人がお皿をトレーに載せてご飯を運んで来てくれていた。
さて待ってました久々の朝食!
今日のラインナップはソーセージとベーコンとスクランブルエッグ、ミルクとサラダに、トースト――ジャムぅ.....ごめーんご主人、いらなーい。
ともあれ何気に異世界初食事だ、食えるもんは食っとこう.....ジャム以外。
「ごちそうさまでした」
空になった皿に挨拶をして、ベレッタをホルスターに入れて部屋を出る。
さて、どうすっかな.....昨日あんな事があった以上あんまり出歩くのは得策じゃないからな.....
――とすれば北の山岳地帯か。
思い立ったがなんとやら、俺は早速北に向かって歩き出した。
あんまり行くことはなかったから覚えてないけど、確か北は平地はほんの1部だったよな、後は雪の積もってる高い山々.....
そういや、ほんの少し前、北に関する事でなんかあったような.....
あぁ、そうだ、『サイハテ』とかいうのが見つかったとか見つかってないとか、そんな感じだった気がする。
広大なマップ、そのマップ上に映ることのない荒地――そうだ、確かそんなのがあった気がする!
もしかして千夏さんはそこに.....いや、ねぇか。
実際その噂もまゆつばモンだしな。行こう。
最近Hooked(ようつべとかの広告に出てくるトーク式の小説のアレ)始めて、そちらにも進出しようかと思ってる今日この頃です。
次は多分長くなるよ。