テッドモニトモ
テッドモニトモ
「今回、ヒメカに当たってもらう任務は2つある」
蒼いのはそう言った。
そして鞄から資料を取り出した。
任務を与える死神は2人いる。
紅いのと、蒼いのだ。
たまに、アリサちゃんが2人の代わりに死神に言う時もあるらしいけど。
私はそれに遭遇した事がない。
なぜならば、この居場所は蒼いのと金持ちしか知らないから。
私は資料に目を通す。
やっぱり離れ小島の清掃だ、これはおいしい。
そしてもうひとつは、離れ小島の調査だ。
「本格的に……調べるんだね……」
そんな事を私に任せても良いのだろうか。
どうせなら、博士ちゃんにでも頼んだ方がよっぽど効率が良い気がする。
しかも清掃から微妙に日を空けての調査だし。
やけに奇妙な日程だ。
それについて、この蒼いのは何も言わない。
なんか嵌められてる気がする。
「行けるか?」
「この日程の……意味はなに……?」
思いきって聞いてみる。
しかし、蒼いのは答える気配はない。
私はそっぽを向いた。
こんな態度の悪いクライアントの仕事ができるか。
平気な顔して私達を利用するなんて許せない。
「話さないわけじゃない」
「話せないんだ」
蒼いのは仕方がなさそうにそう言った。
その言葉にますます私は不機嫌になる。
蒼いの曰く、結果だけがあって、それに至る過程が未知との事だ。
どういう事かを訊ねると、蒼いのは別の資料を取り出した。
私はそれを奪い取って内容を読む。
そして状況が飲み込めたと同時に、身体の右側が疼いた。