ョシバジナオ ←
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専ら、私への連絡手段はSNSである。
ソーシャル・ネットワーク・サービスである。
なぜならば、この姿を人に晒すわけにはいかないからだ。
あとは、私自身がコミュニティー障害を拗らせているからだ。
文字同士での会話は饒舌だが、対面したり言葉での会話はまともにできた例がない。
ネトゲでできた友達とは呟けるSNSで交流する。
リアルでの知り合いとは無料通話もできるSNSで連絡をとる。
とはいっても、後者の方は登録名が少々面白い事になっている。
私はパソコン上でそのSNSを開いた。
『ともだち』という項目をクリックする。
そこには様々な名前で登録された人間が広がっていた。
跳ねるやつ、金持ち、ラッキーガール……とかとか。
今のところ、連絡はないと。
私は全裸で腕を組む。
「でも……そろそろ次が来ないと……困る……」
明日には右半身に強烈な電気が走るだろう。
ビリビリと、夜も眠れないほどの痛みだ。
そういう時はネトゲをする。
そっちに集中する事で痛みを忘れる作戦だ。
これも成功した例はないが。
「ああ……もう……こんな時間……」
この時間、この部屋の周辺には誰もこない。
いつもこの時を狙ってネットで頼んだ食品やら荷物を、宅配ボックスに取りに行くのだ。
最近の世の中はとても便利になってきたな。
私はいそいそとSNSを閉じてストレッチをする。
全然動いていなかったから、身体が固まって仕方がない。
やはり動く前には四肢を伸ばしておくのは重要だ。
私は嬉しそうにドアノブに手をかけた。
そして勢いよく扉を開ける。
「……おお?」
今日は非常に涼しいな。
いやー、こんなに夏なのに珍しい。
私は笑いながら頭を掻いた。
そういえば、服を着るのを忘れていた。