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バトコノマサミカ

バトコノマサミカ


やあ、ご機嫌いかがかな。

前回の「漂うもの」は無事にこの世に転生する事が出来たよ。

尤も、罪を犯したから生物としてのランクは残念ながら下の部類だが。

昇ってきた魂はどういう基準で転生後の生物が決まるのか?

ああ、それは簡単だし、君達が思っている通りの事だと思う。


徳をたくさん積めば、それ相応の身体を手に入れる事ができる。


もちろん、それによって頭の作りだとか、才能だとかが決まる……というわけではない。

これに限ってはランダムだから、安心してくれ。

なぜそこは定めないのかと言われると、神がそこまで人間に干渉するのはよくないからだ。

なるべく心優しい人間が能力を持つ方が世の中にとっては良いのだろう。

でも、私はそれをしなかった。

だからこの世には『正直者が馬鹿を見る』という言葉があるのではないか?

正直者は何をしても騙される、善意の気持ちを込めてやった結果、大きな損失を招く事もある。

私はそれでもいいと思うが。

なぜならば、生物が生まれ持つ徳と業は前世の徳の積み重ねによって決まるからだ。

正直者は基本的には前世から優しいのだ、魂の本質は変わらないからな。

それは要するに、どんなに騙されようと、大きな損失があろうとも、なんとか立ち直るだけの徳がある。

一方、騙すような人間は前世から業だけを積み続けたのだろうな。

その結果は、どんなに騙して金を手に入れようとも、結局は自分に不幸が降りかかるという事だ。


自分の人生だけではなく、魂の生を豊かにしたいのならば徳を積め。


こんな事を言っても、人間に届く事はないのだが。

正直な話、言う気もないのだが。

この世は不安である事が定まっている。

それのおかげで私はこの仕事がとても充実し、この世を楽しんでいる。

さて、そろそろ仕事に戻らないといけないな。

こんな事を話している間に転生待ちの魂が行列を作ってしまっている。


ああ、今回は前回の最後に語った死神について詳しく話す為の物語だ。

要は、この話をするに当たって最も適切な死神が任務にあたっているのだ。

その子はね、前世からすごく徳を積んでいた子なんだ。

でも、この世は不安定であり、私が予想できない「出来事」もあるんだよ。

詳しい話はその子の過去とかを見ればわかるだろうから。

私はこれで失礼するよ、忙しいのだ。

神様がそんな雑な対応でいいのかって?

いいのだよ、きっちりやるのは性に合わない。

まあ、次からは私ではなく、その子の話を聞いてあげてくれ。


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