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四話 依頼と白狼

ソフィアの見た目は普通に人と変わりませんが、体の一部分をスライム化させる時に青くなります。他には行き倒れてた時のように、体力が低くなったりするとスライムみたくなります。

因みに前回のラストにソフィアが分身を使って情報を集めてましたが、あれはテーブルの下で、自分の手から小さな分身(スライム)を出してました。

「おはようございます。琥珀さん、九九さん」

「んぅ、おはようです…ソフィアさん、主様」

「ふぁ〜ぁ…おはよう二人とも」


ゆっくりと布団から這い出て、背を伸ばしたらでかい欠伸をしてしまった。

今何時だ?思い瞼を上げながらソフィアを見ると、既に服を着ていた。俺達より早く起きてたみたいだ。


「さて、ご飯食べに行きましょう」

「ああちょっと待って、今着替える...ほら、九九。早く起きろって」

「はーい。くふあぁ~欠伸移った...」


言われてささっと着替えたが、外から聞こえてくる雑音があまり無いような気がする。

これは6時前だったりするのか?何でこんな早い時間に...ってそういえば昨日、食事の後の休憩で使い魔らしい白猫に見られてたんだよな。

にしてもなぁ。最初に召喚されたらしい勇者さんは行方不明で、2回目に召喚されたらしい俺らは都市の外って。大丈夫なのかね?


少し軽めの朝食を食べてから部屋に戻った時には、大通りの方には人が沢山いた。

ソフィアが言うには、そろそろ兵隊さんが来ると思う、らしいので今は部屋で待機中だ。やることなくて暇なのは秘密だ。

そうして少しばかり待っていると、何かの咆哮の様なものが聞こえてきた。


ファアアオオオオン・・・


「ソフィアさん、今のは?」

「咆哮と言われるものです」

「咆哮...それって何のためにあるんだ?」

「まだ時間はあるみたいですね...お話します」


昔々のある日の事、三大国に一匹の獣が現れた。三大国とは神竜都市,聖王国,帝国の三つの事だな。その獣は不思議な力を持っていた。それが咆哮による効果だ。

その3匹の咆哮は、国を守るバリアの力があったが、少しばかり違っていた。曰く、神竜都市には強化と防衛、聖王国には守護や治癒の力を持ち、帝国には突破と単純に力を与える効果だった訳だ。


時が経ち獣達は死ぬ前にその能力を相応しい人物、つまりその国の王に託し、この世を去った...という話である。その能力はその子孫に継がれて、今もこうして咆哮をしているそうだ。



「主様、忘れてないですよね」

「あぁ、あんなの忘れるわけないだろ」


咆哮と言えば、俺達がこの世界に来たときに聞こえたアレは一体何なんだ?今の話だと咆哮とは良いものだと思うんだが。そもそもあれは咆哮なのか。


「えっと、どうしたんですか?」

「俺達がこの世界に来たときの話だよ。咆哮と言うより叫び声みたいな声が聞こえてきてな」

「その直後に魔物が現れたんです。一体だけだったので、何とかなりましたけど」


「まさか......」


ん?その反応はなんだ?何か知っているみたいだな。もっと詳しく聞こうと思ったら、扉を叩く音が聞こえた。誰だ?今忙しい...?


「王がお呼びだ。至急来て貰いたい」

「あー......ソフィア、お願い」

「ですね...。少し待ってください!今行きます」


そう言うと部屋から飛び出した。ちょっと聞き耳立ててみると、何やら話し込んでいるようだ。そして以外と早く戻ってきた。


「案内してくれるそうです。ささっと行っちゃいましょう」

「あぁ、分かった」


そういえば使い魔に見られて、誰かが来るかも知れないってこと、忘れてたわ。

取り敢えず兵士さんの後ろをついていき、デカイお城に向かった。






「早速ですまない。頼みがあるのだ、受けては貰えないだろうか」

「……へ?」


城に入って直ぐに豪華な個室に入れられた後、少ししてから王様とその周りの護衛の人達が来た。そして椅子に座り俺達3人を見た後に、そう言ったのだ。頼みがある、と。

ちょ、ちょっと待ってくれよ。その前に俺達の一つ前に召喚された勇者のことだ。


「あ...えっと、受けるのは問題ありません。ただ1つ聞きたいことが」

「うむ、なんだ?」

「前の勇者はどうなったんですか?」

「それは分からない。ある日突然連絡がつかなくなったのだ。各国に協力してもらい捜索したが......行方不明となった」


それで今度は俺達を呼んだわけか。何だかこれ以上考えても良く分からないし疲れてくる。取り敢えず頼みを聞くことにする。


「......分かりました。それで頼みと言うのは?」

「ここから東にある町、ウェルテクスという場所で魔物が大量発生している。そこに向かい魔物を倒して欲しいのだ」

「東、ですか......分かりました。最後にもう1つだけ」

「分かっておる。帰れるかどうかだろう?」

「はい」

「帰すことは出来る。だが今は無理なのだ。世界と世界を繋ぐクリスタルに何らかの異常が起きていてな」

「はぁ...そうですか」

「いや、そうだな。先ずは一度宿に戻るといい。こちらから人を送る。これから先一緒にいるといい」

「はい、わかりました。では失礼します」



「王様、大丈夫でしょうか?」

「……大丈夫だと、そう信じるしかない。すまぬ、後は頼みますぞ...!」




東の町ウェルテクスか......俺達は今、宿の部屋で話し合っている。王様が人を送ると言っていたが、ソフィアはもしかしたらその人と知り合いかもしれないそうだ。後はウェルテクスというのはどんなところなのか、とかな。


「ウェルテクス。通称ウェルですけど、この町にはギルドと学校があるんですよ」

「学校...ですか?」

「はい。とりあえずそれは向こうについてからですね」


学校かぁ...楓と一月、どうしてんだろうな。他のやつらにも会いたいな...。くそ、駄目だ駄目だ。気持ち切り替えてけ!



「えーと、ウェルに向かう途中に魔物に遭遇するかもしれないですよね?その場合、私が殆ど引き受けますけど、取り零したのはお願いします。主様、ソフィアさん」


「分かった...... (俺一応人間なんだけどなぁ)」

「分かりました...... (攻撃より守護に特化してるんだけどなぁ)」



「二人とも。怒りますよ?」


「「ハイ、スイマセンデシタ」」



まぁ俺普通じゃないし仕方ないかな?というか…






「そういえば勇者って今行方不明か」

「はい。今どこに居るのかいろんな国が協力して探してますよ」

「大丈夫なのかねぇ、異世界で行方不明はなぁ」

「主様、ふと思ったんですけど召喚された普通あんな所にでますか?」

「…………」

「あー、それはないんじゃないですか?ククさん」

「それは私が説明します」


「「「!!?」」」


少し省略しながら説明すると、いきなり現れた彼女は名を白狼と言うそうだ。


「これから一緒に行動しますので宜しくです」

「王様が言ってたのが君なのか」

「はい。まずはこの世界について少し、それからウェルテクスについて説明します」



まずこの世界には正式な名前はないが『イクシード』と言われている。そして俺たちみたいな異世界人も一応いるにはいるとか。俺たちが帰るために必要な召喚士さんは今ここから離れた別の場所の病院にいる。後は王様が言ってたクリスタル。これは国を守る物で神竜都市、聖王国、帝国に3つあるがこの全てがあの咆哮により消滅したようだ。一応充分な時間とそれ以外があれば直るとか。最後に何で外に召喚されたかというと俺たちに問題があった。これは九九の暴走の事だね。


という感じに一気に情報を手に入れたが流石に混乱してきた。

多分その内もう少し詳しく分かりやすく教えてくれるかなぁ白狼さん?



「そういえば、と言っていましたけどもしかして作戦が?」

「アレ作戦っていうのか?」

「うるさいです。まず私が神力を使った範囲攻撃をします。相手の数がどれ位かは知りませんがこれだけでもかなりの数を減らせるはずです」

「そして街に近づいてきたやつを私とコハクさんで倒す!という感じです」

「そうですか、じゃあ私も各個撃破でいきます。それからここからも援軍が来てくれるそうですし、ウェルテクスの2強もいますし何とか」


九九がいる限り負けは無いと言っても過言では無い。実際とんでも火力で強いからな。本当相手がゲームとかで出てくる魔物で助かった。これで相手が人だったらかなり精神に来る。魔物なら倒してもそんなに罪悪感?とかないし。いや、元からそんなものはなかったな。

とにかく俺含めて四人のパーティになるわけだが、なんだか面倒なことが起きる気がするな。勇者探しとかいうイベントもおきそうだ。取り敢えずまずは東のウェルテクスに行って魔物の大量発生を抑える事だな。

⑤九尾と鬼の激突⑤

リベンジしようとする5人に、白樺が戦闘の訓練相手をする事になった。5人同時相手にしても余裕のある白樺は、正に最強だった。

訓練の後白樺は、殺音を除く4人に小鬼退治の指示を出す。勿論断るわけもないし断れるはずも無かった。

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