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新・日本昔話  作者:
3/5

桃太郎は仲間を見放し、仲間を集める

きびだんご作戦を失敗に終えた二人はまた新たな仲間を探す方法を考え始めた。



「そういや今巷では『RP』ってやつが有名なんですよ」

浦島が話題を出す。

「あーるぴぃ?」

「そうです。RPです。なんでも、銃の扱いがめちゃくちゃ上手いとか…」

「へぇ、そいつは良いな。ぜひ仲間になってもらおう」

俺が提案してみると浦島は少し深刻そうな顔をして

「実は…そのRPってやつ基本的に他人とはつるまないらしくて」

それは大変じゃないか。

「仲間になってくれるか怪しいもんなんですよ」

はぁとため息を漏らす。

「まぁ、やってみるしかないさ。ダメで元々だ。行ってみようぜ」




「それもそうですね、ではRPがいる町まで移動しましょう」


そうしてまた二人で歩き出すのであった。



≪RPのいる町≫

「なんとか着きましたねー」

そういう浦島の服は所々が破れている。

「途中で出てきたあの、犬、猿、雉。あいつら一体なんだったんでしょうねー」

仲間にしてくれって言ってたけどね。

「鬼討伐隊には金を払ってでも入りたがっている奴らが五万といるのに逆にきびだんごを寄越せとか……」

五万といたのか?俺変わるよ?

「どんだけ頭が高いんだ!!」

犬に至っては這ってたよ?

「まぁ、この桃太郎さまによって平伏させてやったわ!」



それじゃ俺がやってたみたいに聞こえちゃうじゃないか。

浦島さん、あなた高笑いしながらボコボコにしてましたよね。

というかあなたのキャラはどこにあるんでしょうか?

「俺が止めたからよかったものの、続けてたらあまりのグロさに18禁とかにされてましたよ」

「お゛い」

そう言って浦島の肩に手を掛ける。

「そ、そんなことはさておき、あ、RPを探しましょうか」


犬、猿、雉には通常通り話しかけられたのだったが、特殊アイテム(?)であるきびだんごが手持ちになかったため、一緒に着いて来てくれなかったのを浦島がキレた。というのが事の真相である。


「どうやらこの家みたいです」

浦島がある一軒家の前で立ち止まる。

「うわ、なんだこれは…」



俺が口をついてしまったのも仕方がないことだと思う。

町に入ったと言ってもこの場所は中心から大分離れている森の近くにあり、しかも入り口の横には狼の形をした毛皮が飾って(?)あるではないか。


「良い趣味してますね」皮肉をたっぷり込めて浦島が言う。

「そうだな、めちゃくちゃ会いたくなってきたよ」

「僕わかりました。RPさんって普通に外人さんなんですよ」

「ものすごい巨体でハンバーガーとか食べてそうだな」

と、まぁ無駄話はここら辺にしておいて、

トントン、とノックをする。

「RPさん居ますかぁ。





つか、この毛皮がRPさんですでに出迎えてくれてるんですかねぇ」

「おいやめとけ俺たちも皮膚だけ剥ぎ取られて飾られるぞ」


と、その時。

「貴方も十分酷いこと言ってることを自覚しているのかしら」

声がしながらドアから人影が出てくる。

出てきたのは俺達が予想してたような巨体の大男なんかではなく――大人としても割りと小柄な30代くらいに見える女性だった。


「どうも、私がRPですが何か用ですか?」


威圧感。用なんて聞かないと目が語っている。

「あ、あの…その…」

「なんなんですか?」

めちゃくちゃ不審がられてるよ。

「RPなんて言うのに日本人なんだな?」

たまらずフォローを入れてやる。感謝しろよ浦島。


「Red Parkar」


発音よく、彼女が呟く。


「へ?」

英語なんてわからず気の抜けた返事をしてしまった。

「皆は私のことを敬意を込めてそう言ってくださるわ」

「あの…どういう意味ですか?」

「貴方はこんなのもわからないの?」

うわ、バカにされた。

「れっどぱーかー、赤ずきんのことよ」


そう言ったRP――いや赤ずきんちゃんは、確かに年齢的には似合わないような真っ赤な色の頭巾を首の後ろに携えていた。


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