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新・日本昔話  作者:
1/5

桃太郎は年を取り旅立つ

昔々、あるところに40歳の桃太郎がいました。

桃太郎は子供のとき鬼退治に行かなければなりませんが、面倒くさくて行きませんでした。

物語としての『桃太郎』は鬼を退治するまで終わらないため、ずっと続いて30年余りも過ぎてしまったと言うわけです。

桃太郎はすっかり良いおっさんになってしまっていました。

それでも畑仕事をしながらそれなりに楽しく暮らせていました。

が、

ある日、中年桃太郎に大きな事件が起きるのでした――…



五月某日、いつもなら日差しと共に気持ちの良い目覚めとなるはずの朝が、今日は少し勝手が違った。


ドンドン、ドンドンと乱暴に叩かれる玄関の戸。

そのせいで目が覚めてしまう。まだ朝早いんですけど〜、などと小さく愚痴をこぼしながら玄関に向かう。


「はいはい、今開けます」そう言って戸を開けると、黒いスーツを着た、いかにも気難しそうな人が立っていた。サングラスもしていて特徴がつかめない。

背が高く、なぜか釣りざおを背負っている。

「おはようございます、桃太郎さん、実は貴方に早急にやってもらいたい仕事があります」

ハキハキと物申してくる。

「きびだんごですか?おばあさんは10年前に死んでますけど…」

「そんなものいらんわ」

おぉ、ナイスツッコミ。


「桃太郎さん、鬼を退治してきてもらいたいんですけど」

「なんでそんなコンビニ行って来いみたいな軽いノリで言うんだ!」






ツッコミのノリが移っちゃったよ。


「小さいときには、楽勝だったじゃないですか」

「もう過去の話だ」

「行ってもらわなくちゃ大変なんですって」

無茶苦茶ではあるが、とにかく必死だということは伝わってくる。


「我々の世界が終わってしまうかもしれないんですよ!!」

「……はぁ!?」

思わず目を見開く。

「鬼退治をしない桃太郎をどこの子供が見るんですか?」

ぐさっ。

「畑仕事に汗を流す桃太郎をどこの子供が見るんですか?」

ぐさぐさっ。

「そんなものなぁ…誰も興味ないんだよっ!!!!」

ぐさぐさぐさっ。

膝をつく。ついでに俺の精神力も底がつく。

もう立ってらんないよ。





「ただでさえ最近は、やれディズニーだ、やれイソップ物語だって言って日本昔話の人気は低迷してるんですから…」

あーもう駄目だ。俺駄目だわ。うつ伏せで寝ちゃおう。

「いっそのこと桃太郎さんの名前も時代に沿って横文字にしちゃえば良いんじゃないですか?」

「例えば?」

「ピーチボーイとか?」「どこに強そうな要素があるんだ!?」

柔らかそうで、腐りそうだ。


「さすがの僕も一人で行けとは言いませんよ」

…行くことは前提なんだな。


「僕も一緒に行きます」

「お…おぉ」

これは嬉しいことだ。

俺一人でなんて絶対に無理だと思っていたし、見るからに力が強そうなので鬼退治では活躍してくれそうだ。

「それは…よろしく頼みたいな」





そう言って怖々と握手を求める。

「よろしくお願いします!桃太郎さん!」

対照的にガッチリと力強く握り返してくる彼。


「そういえば、まだ名前を聞いてなかったな」

すると彼は、サングラスをはずしにっこりと笑ってこう言った。

「はい、僕は浦島太郎と言います!」



一応全部書き終わってるので、途中で凍結するなんてことはない!!……と思いたいです(笑)

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