1/1
教室1
教室だった。
窓はあるのに、外の景色は見えない。白くぼやけているだけだ。
僕は椅子に座らされている。いや、座っているというより、固定されているに近い。
足は動かない。背中も動かない。
動くのは、手と腕だけ。
(いや、どういう状況?)
声に出してみる。誰も反応しない。
周りには生徒がいる。クラスメイト、だと思う。
全員、前を向いている。
誰も、僕を見ない。
(無視されてる?いや、そういう感じでもないな)
ただ、そこにいるだけ。
妙に静かだった。
チャイムが鳴る。
その瞬間、教室の空気が少しだけ変わった。
机の上に、いつの間にか皿が置かれている。
バランスの良い食事。肉、野菜、スープ。
(給食か)
違和感はある。でも、腹は減っていた。
手は動く。
食べることはできるらしい。
(まあ、食べれるならいいか)
何口か食べたところで、気づく。
壁に、小さく数字が表示されていた。
ー-残り、三分。
(何の時間だろう?)
その意味を考える前に、教室の照明が落ちた。
一気に暗くなる。
残り一分。
どこからともなく、低い音が流れ始めた。
心臓の鼓動みたいに、ゆっくりと。
(,,,,,,なんだ、これ)
皿の上を見る。
食べ残した食べ物だけが、赤くライトアップされていた。




