悲報!確実な為替予測方法、ついに発見される!? ポンコツ女子大生が第一発見者に
ひさしぶりの投稿です。
今回は経済がちょっと面白くなる対話劇エッセイです!
気軽に読んでいただけたら幸いです!
こんにちは、経済学の世界はちょっと難しそう……そんなふうに思っていた時期が私にもありました。でもある日、「背理法って面白いじゃん!」と、ひとつの仮説から不思議な結論にたどり着いてしまったのです。
今回の話は、経済学ゼミの片隅で繰り広げられた、ちょっと風変わりな会話劇。主役は、為替のことを「ファンタジー通貨バトル」くらいにしか思ってなかったポンコツ女子大生。けれど、彼女がふと投げかけたひとつの仮説が、教官をも唸らせる展開に……?
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登場人物
【 さやか(S)】
経済学部2年生。通貨よりスイーツの方が好きな系女子。口癖は「なんか変なこと思いついちゃった」。好奇心と素直さでゼミに混乱をもたらす存在。
【 教官(C)】
経済学ゼミの担当教授。理屈と論理をこよなく愛する偏屈な人。根が優しいため優しくボヤいたりするに留まる。内心では学生の突飛な発想にワクワクしている。
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本編 ポンコツ女子大生、為替に挑む!
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さやかはプリントを机に置き、手を挙げながら言った。
「先生〜、ちょっと変なこと思いついちゃったんですけど……怒らないで聞いてくれます?」
教官「それは面白いって意味かな、それとも本当に変なやつかな?……まあ聞こう。単位は保証しないけどな」
さやか「あのですね……『誰でも使える確実な為替予測方法』って、もしかして、あるかもしれないなって……」
教官「……………ふぅ。深呼吸しようか。君が為替の未来を言い当てるというのは、スイーツの限定品を初見で買えるくらい難しい話だが……続けてみ?」
さやか「じゃあですね、背理法※って知ってます? あれで考えたんです」
教官「ほほう? それはまた意外な単語が出てきたな。数学から経済に応用するとは……聞こうじゃないか」
※背理法とは、「ある命題が誤りである」と仮定し、その仮定から矛盾が導かれた場合、元の命題は正しいと結論する論法です。
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◆背理法、発動!
さやか「はい。こう考えてみました:
1.まず仮定します。『誰でも使える、確実な為替予測方法が存在する』って。
2.それが本当にあったら、みんなそれを信じて動くじゃないですか?
3.そしたら市場もその予測に向かって動いて、予測が当たっちゃう。
4.あれ? 矛盾が起きない。
5.つまりその仮定、否定できない!
6.よって結論、『誰でも使える確実な為替予測方法は、存在するかもしれない!』」
教官「うわ……ちゃんと論理的に通ってるぞコレ。さやかくん、ちょっと待て、それはつまり“みんなが信じたら予測は当たる”ってことだろ?」
さやか「はい!“経済って集団催眠なのかな?”ってちょっと思っちゃいました」
教官「経済学者全員に謝ってこい! しかも案外的を射てるのが微妙に腹が立つ……でも予測じゃなくて、信念が市場を動かすという意味では、自己実現的予言※に近いな……」
※自己実現的予言とは、「ある予測が人々に信じられることで、その信念に基づく行動が予測通りの結果を引き起こす」現象です。たとえば「円安になる」と多くの人が信じてドルを買えば、実際に円安が進行します。予言が結果を生む、まさに“予言が現実になる”仕組みです。
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◆実例(妄想)を添えて
さやか「先生、もっと面白い例、考えちゃいました!」
教官「どんどん来るな……(怖い)」
さやか「トランプ大統領が三期目に当選して、『1か月後にドル円を120円にする。手段は選ばない』って全世界に宣言したらどうですか?」
教官「……トランプが三期目に当選って憲法改正が必要だって分かってるのか? まあ、改憲して三選されたならやりかねんな、あの人なら。で?」
さやか「その宣言を市場が信じたら、みんな120円目指して動くんじゃないかと。つまり“予測”が“確定”に変わっちゃう」
教官「それは予測というより、為替市場への呪文だな。“市場よ、120円にな〜れ!”みたいな?」
さやか「え、経済って魔法ですか!?」
教官「君が言うと本当にそれっぽく聞こえるな……だが、確かにその宣言は“全世界にオープンであるが故に誰でも使える予測”になるわけだ。仮説が現実に一歩近づいたな」
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◆ついに確実な為替予測方法が発見されました!
さやか「というわけで私の結論です!
『誰でも使える確実な為替予測方法は――存在するかもしれないと思って探したら、見つけちゃったかも?』」
教官「……よし、単位はやる。だが一つだけ忠告しておこう」
さやか「なんですか?」
教官「もし“未来の為替が確実にわかる方法”を本当に見つけたら……次の授業には来ないで、もう君は世界征服しなさい」
さやか「了解ですっ!」
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ここまでお読みいただきありがとうございます!
この話は、実際に私(の中の人)が思考実験として組み立てた内容を会話劇にしたものです。
経済や金融の本質は「人間の信念と行動の集合体」。時にそれは、真実よりも「みんながどう信じるか」の方が未来を決めてしまう。
あなたがもし「絶対に当たる予測法があったら?」と一度でも考えたことがあるなら、今日のさやかと一緒に考えたロジックも、案外バカにできないかもしれませんよ?
最後まで読んでいただきありがとうございます
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