2025/10/19 秋華賞 運がつく?
10/19、秋華賞当日。
11時30分ごろにのんびりと京都競馬場に到着です。
今回は日帰りではなく、運よくお安めのホテルが取れたので前日に京都入りしていました。
そう、ホテルが取れたこともあるんですが、この時から運気が向いていた気がするんですよね。
京都ではしとしとと雨が降っていて、傘を忘れた私は濡れネズミになることを覚悟していたのですが、駅からホテルまでの長いアーケード商店街を歩いている間に雨がやんでいたとか。
直前で取れたのにホテルはとてもきれいで快適だったとか。
翌日も雨は降らず、京都競馬場の芝状態は『良』だったとか。
競馬場までの電車の乗り継ぎもスムーズで全然待たないとか。
あれ? なんか運がいいな? と思うことがちょこちょこありました。
そして私が恐れていたジンクスですが、日が変わっても1番人気はオークス馬カムニャックさんのまま!
そしてもう一つの怖いジンクス、芸人のSさんについて。最近はちょこちょこ当たることもあるそうですが、やはり本命にしないでほしい! と願っていました。(Sさんのファンの方、ごめんなさい)
Sさんの本気の予想は……セナスタイルちゃんが本命! カムニャックさんとの二頭軸で3連単マルチ勝負されていました。
もう、動画を見た時はめちゃくちゃホッとしましたね。(本当にファンの方ごめんなさい)
Sさんの影響があったのか、それとも皆が「美味しい狙い目だ!」と異常な人気が出すぎてしまったのかはわかりませんが、セナスタイルちゃんは一時期はエンブロイダリーちゃんよりも上の2番人気だったのですが、結局当日は3番人気に落ち着いていました。
つまり、我らのエンブロイダリーちゃんは2番人気に上がっています。
とはいえ、1番人気ではないですし、オッズも単勝6倍だったので、これも好材料! と私は密かに喜んでいました。単勝6倍って、桜花賞を獲った時と同じだったからです。
これぐらいならあまりマークが厳しくならなそうですし。やっぱり私はエンブロイダリーちゃんは展開さえ向けば勝てる子だと思っていたので。
多くの予想家さんのうち、エンブロイダリーちゃんを消した人たちは「2000mじゃ距離が向かないだろう」と言っていたのですが、私はこれを疑問視していました。
彼女が二歳の時に1800mを凄いタイムで勝っていますし、ルメール騎手も「もう少し距離が長くてもいけるかもしれない」とコメントしていたからです。
そして前回のエッセイでも書いたのですが、彼女は周りに囲まれるとイライラしてしまいそうだなと思っていましたから。
クイーン杯では先行レースでのびのび走って余裕勝ちでしたもの。
桜花賞の時は、周りに潰されそうになっていました。
モレイラ騎手のジョッキーカメラがYouTubeで公開されているのですが、レース中、前の馬がちょっとブレーキかかったり横の馬が接触しそうになって、モレイラ騎手が横に逃げようとするとそっちも塞がれてて結局ペースダウンするしかなく……(まあ、この一連の動きでモレイラ騎手は軽い違反を取られてるんですが)という感じでしたから、馬には相当ストレスがかかっていたと思います。
そのストレスを人馬共に最後の直線で一気に爆発させて馬群を抜いた! という感じに見受けられました。
オークスの時はもっとガチガチに周りを固められ(まあ、一番人気ですからこれは仕方ない事です)、長い距離を終始自分の思う通りに走れなくてイライラしていそうな感じでした。最後の最後に前が開いたのですが、その頃にはもう気力もスタミナも使い果たしてしまっていたな……という印象だったのです。
だからこその!「先行で自分のペースで走れればエンブロイダリーちゃんには十分勝ち目はある!」というのが私の見込みでした。
まあ、勝利実績の少ない右回りという不利材料はありますけれど。でも京都競馬場は坂が向こう正面なので最後の切れ脚を持たず、その代わりに長く良い脚を使える彼女には向いてそうだから右回りはあまり気にならないよね、と夫とも話していたのです。
不安材料はそれよりも横がエリカエクスプレスちゃんの11枠ってことでした。
さて、パドックは二階の最前列を取りたくて割と前から場所取りで頑張っていたのですが、9Rのもみじステークスで、更に運が向いてきたなと思っていました。
実は9、10、11R(秋華賞)の3レース連続、1番人気には川田騎手が乗る予定でした。はい、1番人気、つまりカムニャックさんの鞍上です。
その川田騎手が9Rのもみじステークス、ルメール騎手の乗る2番人気の馬に負けたという結果が流れてきたのです。
「これは……運が、流れが来てる!」
家族とウキウキでそう話していました。とにかく悪いジンクスが一個も無いなんて、前回とは大違いですし。しかしいざ秋華賞のパドックがはじまると、ちょっとそのウキウキが揺らぎました。
カムニャックさんの威風堂々たるたたずまい、女王の風格たるや凄かったのです。
もちろん、我らがエンブロイダリーちゃんも素晴らしかったです! 筋肉のハリは素人の私が見ても良かったですし、厩務員さんに甘えて首を傾ける仕草は健在でしたが桜花賞やオークスの時の興奮ぶりが綺麗さっぱり消えていて、とっても落ち着いていたのです!
「こ、これは……どっちもカッコイイ……」
悔しいですがカムニャックさんの美しさを認めざるを得ません。しかしエンブロイダリーちゃんもとても好調そうですし、しつこいようですが先行して囲まれなければいける! という私の期待は益々大きくなりました。
パドックが終わり、返し馬をみてもいい感じだったのでホッとして席に戻り、レースの開始を待ちます。
秋華賞のレースを見た方なら皆さんご存じでしょう。ゲートの中でカムニャックさんが暴れてしまい、会場がどよめきました。あれで怪我無く出遅れもほぼなくスタートさせた川田騎手は凄いと思います。
しかし、肝心の、展開は!
エリカエクスプレスちゃんの逃げ、これは予想済みです! 絶対そうだと思っていました!
しかしそれを追う先行組は……カ ム ニ ャ ッ ク さん!
「えええ!? それは聞いてないよ!?」
思わず叫びました。後で知ったのですが、この時彼女はすでにかかっていたのですね。スタンド前のスタートで、観客の声援の大きさにびっくりして興奮してしまったのでは……という意見を散見しました。(現時点では大きな怪我も見当たらないそうで、一旦はよしですが、今後が心配ですね)
その先行組を追いかけ、ぴたりとカムニャックさんをマークしたルメール騎手が更にスピードを上げてマークをエリカエクスプレスちゃんに変更し、2番手につけます。
「いいよ! いいよ!」
向こう正面の坂を昇っても、引き続き2番手。私が思い描いた通りの、理想の展開です。
「よし! そのまま一着にいっちゃって!」
今までエンブロイダリーちゃんのレースを3回現地で見てきました。
クイーン杯、桜花賞、オークスです。
今回が一番、安心して見れました。最終コーナーを曲がる辺りで既に「これは勝てる」と思いましたもの。こんなの初めてです。
そして私の期待通り、ぎりぎりでエリカエクスプレスちゃんの武豊騎手をかわし、エンブロイダリーちゃんとルメール騎手はトップでゴールを駆け抜けました。
私は涙ぐみながら、娘と抱き合いました。
ちなみに旦那は蚊帳の外ですw 座席が三人並んでは取れなかったので、離れていたからです。
レースが終わっても、興奮で心臓はバクバク、手足の指先は細かく震えていました。アドレナリンが過剰に分泌されていたんでしょうね。
(余談)
あ、こんなに興奮したから馬券当たっただろうと思いました?
買ってませんwww
これもいくつかあるゲン担ぎのひとつでして。私が馬券を買うと負けるので、応援馬券(換金しない記念用)すら買わないことにしています。
(余談終わり)
なんと、2年に一頭だけ出資している零細一口馬主なのに、出資馬が3歳牝馬二冠を獲ってしまいました!!
しかも! 馬キチの夫ではなく、素人の私が選んだ馬で!!
いやあ……とんでもないことになりました。
こんなこと、一生に一度あるかないかですよね。お母さんのロッテンマイヤーさんとの縁に感謝しかないです。(※1)
★
引き続き泣きながら、秋華賞のレイをかけたエンブロイダリーちゃんの写真を撮りまくったり、意外と寒かったのでラーメンを食べに行ったりしていてハタと気がつきました。
「なんてこと! スポーツ新聞買うの忘れてた!」
ターフィーショップに行って、お昼ご飯を食べて、UMAJOカフェに行って(※2)、早くからパドックに行って場所取りして~なんてやってたら、うっかり買うタイミングを逃していたのです。
慌てて新聞の売店に行きましたら、もうお店を閉めるギリギリでした(そりゃそうだ。最終レース始まってるんだもの。ふつうは今更新聞を買う人などいません)。
どの新聞もカムニャックさんや他の馬を推していて、エンブロイダリーちゃんを1面推ししていたのはスポニチさんだけでした。迷わずそれを買い、そして私はトイレに行きました。
悲劇はここで起きたのです。
トイレの個室に入り、カバンに新聞を差してそれを後方に置き、用を済ませます。
終わった後カバンを持ち上げた瞬間……しっかり刺さっていたはずの新聞がなぜかポロリ。
しかも、なぜかなぜか、便器のど真ん中にダイレクトイン!!
「あああああああああ!?」
京都競馬場女子トイレの中で響き渡る絶叫。(もう皆帰り始めていたので他にお客さんはいなかったようで、近所迷惑にならなくて良かったです)
買ったばかり、まだ一文字も読んでいない、可愛いうちの子の写真が一面に載ったスポニチは、哀れ三分の一がトイレの水に浸かってしまいました……。
それを泣く泣くトイレのごみ箱に捨て、慌てて新聞の売店に引き返します。
売店、シャッターが下りていました……(ちーん)。
うん……こういうの、言うよね。
「ウンがついたから、縁起がいい」ってね!!!
くそう! やっぱ良いことがあると何かしら反動があるもんだな!!
パドックの様子
返し馬の様子
勝利のレイを着せてもらっておめかしの図




