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エピローグ

「本当に一人で行っちゃうの」


 キャンディが涙ぐみながら言った。


「ああ、しばらく冒険者は休業する」


 ハルとバイオレットも町外れまで見送りに来てくれていた


「王都に行くんだね」


「ああ」


「元気でな。また冒険者をやりたい時はいつでも私達に声をかけな」


 私はハルたちに手を振ると、前を向き、街道を進んだ。


 メタル百合の報酬で当分の間は働かなくても生活できるだけのお金をもらった。そこで、私は冒険者を休業し、王都に行くことにした。もちろん目的は復讐だ。だが、その目的は告げず、単に王都にいる家族の元に帰るとだけ、パーティのメンバーに話した。


 ゲイルは死んだ。だが、まだ王女、アントン、判事、そして、私を裏切ったロバートが王都でのうのうと暮らしている。ゲイルは小物だ。私をはめる手伝いをしたに過ぎない。私を破滅させた張本人たちに思い知らせないといけない。


 ゲイルを直接手にかけなかったのは、そのためだ。あの祠で私がゲイルを殺せば、話題になる。現役の治安部隊の隊長の殺害だ。いくら正当防衛でも、王都にまで話が聞こえてゆくだろう。今の段階では目立ちたくない。


 だからゲイルを殺さずに泳がせた。


 そして、思ったとおり、ゲイルが町長室に来た。私は、ゲイルをたきつけて襲わせ、護衛剣士やハルにゲイルを斬らせた。


 ゲイルはメタル百合を横取りしようとして失敗して、ハルという冒険者と町長の護衛に斬られたと王都にいる王女に報告されるだろう。私の関与は表には出ない。


 そんなことを考えながら私は歩いた。辺境の町から王都までは半月近くの旅になる。


 私は空を見上げた。


 昼間なのに青白い月が出ていた。


(待っていなさい。ただではすませない)


 月を見上げながら、そう自分に誓った。



 主人公の復讐はまだ続きますが、第1部としてのこの物語はこれで完結します。


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