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【騎馬王】の真価、ルーネスタの武装の真価

前回のあらすじ

天草菜月と再会を果たす。

ヒュドラ討伐に参加することになった。

「大丈夫かなわたしたち……」

「正直、戦うの苦手すぎて嫌になってくる……」

「菜月の足、引っ張っちゃったらどうしよう……」

彼女たちは菜月の友達でこの任務の前から組んでいた三人だ。


一人目、吉川美咲。特殊スキル【弾ける魔術】を持つ魔法使いである。まだ強い魔法を覚えておらず単体との戦いにはむいていない。


二人目、小野田麻央。特殊スキルは【屈折する矢】。敵の弱点をつくのに適したスキルを持っているが、戦うのが苦手。


三人目、嶋田秋乃。【オールパリィ】という特殊スキルを持ち、盾役として頼もしいスキル持ちだが盾しか持てないというデメリットを持っている。


全員が全員短所があるので菜月を支えられるのかを心配に思っているのだ。

いや、そもそもSランクという怪物を相手に生き残ることができるのか不安で不安で仕方ないのだ。




「みんな〜ただいま〜」

「菜月!」

「良かったよ無事で!」

「それで、いつ出発になったの?」

「明日になりました!」

菜月が言った言葉に、もはや言葉が出なくなった三人。

「わたし……生きられるよ、ね……?」

「大丈夫です!仲間が増えましたから!」

「……え?仲間?」

「はい!入ってきて大丈夫ですよ〜!」




「おはようございますお久しぶりです。」

「……えっ?」

「藤芝さん!?」

「生きてたんだ!もしかして藤芝さんが?」

「ヒュドラの頭を全部切り落とせば勝てると聞いてやってきた。」

まあただ切り落とすだけじゃ駄目なのは知っているけど。


「助かっ、たぁ………」

「ほんと助かる、ほんとに感謝……」

「しばらくこの国に滞在することにしたから、何か教わりたいこととかあれば遠慮なく言ってくれ。」






「それじゃあ頼むぞブレン、ハルバー。」

「ウモォ!」

「ヒヒーン!」

数日後、ヒュドラ討伐のために俺たちは出発した。

まず目撃情報のあった場所から一番近い村まで行き、そこから準備をして討伐戦という流れだ。



数日間でメルが吉川さんに上級の魔法を教えてはいるし、小野田さん、嶋田さんと組手を行ったのでかなり強くはなったはず。

後は俺やソイル、菜月で前衛を張り、他のみんなには後衛での援護を頼めばいい。

「なのになんでついてきたんだ?フィン」

「私も戦わせてください。この国の未来を担う男が、ここで逃げるわけにはいかないのです!」

いや、むしろあかんて。後ろで魔法でも撃っててほしいのに持ってきたの剣だし。



「相手はSランクモンスターだ、やる気に満ちているのはありがたいが、勇気と無謀をはき違えるな。」

「大丈夫ですよ、藤芝さん。」

「菜月お前、流石にそれは……」

「王太子様はAランクならば討ち倒せるほどの強さを持っていますし、もしものときは私が守りますから。」

「そうか?まあ、そこまで言うならいいか。」

「ありがとうございます。役に立ってみせますよ!」

「無理はしないでくれよ?」











そうしてヒュドラの目撃情報がある森林地帯に足を踏み入れた俺達だったが……

「うわ………ひでえな」

「ここまで侵食が進んでいるとは……」

入ってから5分程歩くと毒沼が辺りに広がっていた。

ここを進むのは相当きついと思う。

「どうする?迂回して探すか?」

「いえ、問題ないです。【戦乙女の祈り】!」



菜月がそう唱えると、毒沼が段々と浄化されていった。

「これって、菜月の新しいスキルってことか?」

「そうだよ。菜月があの馬と会って、より一層鍛練に励むようになって。それでいつの間にかスキルが手に入ってたんだって。」

まさに努力家。話しているうちに、毒沼の7割ほどが消えていた。



「これなら先に進めるな。」

「はい!参りましょう!」

ハルバーダイモンに乗って進む菜月に並んで、ソイルが聞きに来た。

「ねえねえ菜月さん、そのお馬さんとどうやって出会ったの?」

「この子とはね、この国に来る前に草原に倒れていたのを見つけたんだ。痩せ細ってて、今にも死んでしまいそうで。

 お世話になってた人たちと一緒に運んでもらって、必死に看病をしてようやく走れるようになったんだ。

 ある日にね、この子のところに行ったら、このぐらいに大きくなっちゃってて。私も驚いたけど、大切な子なことに代わりはないから。

私しか乗せなくなってたんだけど、私が一緒なら乗れるようになったから、今回から一緒に任務に行くことになったんだ。」

「すごーい!流石菜月さんだね!」

「そうでもないよ。この子が懐いてくれてたおかげだからね。」

急にあの大きさになっていた、か。

「なあフィン。あれって、もしかしてー」

「おそらく予想している通りだ。でも、あの人の相棒。それ以上でもそれ以下でもないと思うよ、僕は。」

「……そうだな。」

魔物であろうとなかろうと、菜月に懐いているのだから何も問題はない。

そしてー





「!全員止まれ!こっちだ!」



Sランクモンスター、ヒュドラ。

ついに発見した。








「シャアアアア!!」

「全員退避!!」

十本もの首で一斉に攻撃を仕掛けるヒュドラ。

なんとか避けた俺達は、反撃に出る。

「ソイル、フィン!後衛の防御を頼む!」

「了解だよ!」

「分かりました!」

「菜月!本気出していくぞ!」

「分かりました!」

俺は【キメラゾーン】を発動、更に【血飲み肉裂き】で自分の手を切り血を纏わせ、強烈な風を纏う【烈風槍】を【魔を統べるものの霊槍】に発動させて準備を整えた。

菜月は俺から渡した【守護怨霊の大盾】を左手に持ち、特大剣を上に構えて黄金の炎を纏う(菜月から聞いたが【金灼の宝剣】と呼ばれるスキル)。



ヒュドラの3つの頭が劇毒のブレスを放つ。

「そのままお返しします!」

菜月が盾を使いヒュドラにブレスをぶつける。

3つとも怯んだので俺が切り落とす。

「とりあえずやっとこう。【フレイム】!」

2本の頭に火をつける。火がつかなかった首は再生したが、他の2つは燃え尽きてもなお再生しなかった。



「やっぱりそういうことか。メル!それに吉川さん!俺達が首を切ったら、そこに炎をぶつけてくれ!」


そう言うと、迫る2つの首に向き直り、

「【屍山血河の舞踏】!」

返り討ちにし、更に追撃する。

「【スピアブレイク】!!」

槍に纏った力を放出。もう一つ首を吹き飛ばす。


「私も負けませんよ!」

菜月も2本の首を切り落とす。黄金の炎が切ったところで燃え上がり、再生を止めた。

首はあと3つ。



「ジャアアア!!」

「まずい!」

残った3つの首が、後衛を狙って劇毒ブレスを放つ。

すぐさま下がり、迎撃する!

「【竜魔の息吹】!」


メルと吉川さん、さらにスカイも迎撃する。

「【バーニング】!」

「【ハイドロバスター】!」

「変形!【エアーブラスター】!」


四人でブレスを押し上げる。

そしてその隙に狙うものが一人!

「【屈折する矢】!脳天撃ち抜け!」

一本の矢が刺さり、その矢を押し込むかのごとくもう一本の矢が突き刺さる。

首の一つが不安定になったことで、一気に押し切ることに成功した。


そして、とどめを刺しに行く!

まずは首をすべて切らなければならない。

ソイル、フィン、そして俺が首を切り落とす。

「【岩盤槌】!」

「【大鷲の斬撃】!」

「【特効剣】!」


首はすべて切り落とした。だがこれでは死なない。ヒュドラの心臓はこれでは止まらないらしく、すべての首をくっつけて大きな首を作った。でも心配はいらない。そう、菜月がいるからだ!

「行くよハルバー!」

「ヒヒィーン!!」

風をきって走る。大きな首が丸呑みしようと迫ってくるが、

「いまです!」

その首を飛び越えて、胴体まで走る!

ヒュドラの胸にある大きな藍色の宝玉。それこそがヒュドラの心臓!

「【ルーネスタの刺突】!!」

赤い光を纏い、宝玉を貫いて切り払う!




そしてついに、ヒュドラは倒れたのであった……。

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