ブレア:第一王子とバート
この物語一の苦労人です。
「このクソザコが!」
「は? 新参が嘗めた口聞くなよ」
アホの第一王子コッダーとアホの賢者バートが喧嘩している。もうこりごりだが。
「ハイハイお二人さん、あまりいがみ合いますな。すでにお味方なのですからなあ」
ブレアはうざってえなーとしか思っていないが。うざいこいつら。まあバートとコッダー王子は頭がわりといいから使えてる。精霊人化してさっさと片付けるかなあ。そんな風に考えている。
本当扱いに困るんだこいつら。半端に知恵があるから。バカは与しやすいんだけどかえって扱いが難しいのだ。
「それほど戦いたいならルーフィアに喧嘩を売ってきても構いませんぞ」
「……」
「……」
なぜ二人とも黙るのかな?
分かっておるようだ。あんな化け物にどうやって抗うのか。
いや、あんな小さな女の子に全員怯んでるのはさすがにおかしいのだが、勝てるかといわれるとな。無理でえす!
なんでだ。我らの研究成果、精霊兵全て、がらくたのように蹴散らされてしまう!!
この喧嘩ばっかりでたちまち役立たずと化す第一王子と賢者、なんか役に立たないかのう?
「我があの小娘を倒してやろう」
「お前ごときにできるか!」
「できなそう」
「お主らにできるなら私がすでに殺っとるわい」
無理なのである。神を超えるために私は研究しているのだが、その前に、
ルーフィアという化け物が現れた。まあ魔王もいるのだが。魔王倒せない! その上にルーフィア!
無理ゲーだわこれ。どうしよ。精霊兵のパワーアップするしかないな。普通さ、必死にならないと勝てないのが敵役じゃない?
こっちが必死になっているのだが?
……どうやったら勝てるんだルーフィアに。
おかしいだろ。いや、ルーフィアだけならなんとか倒せるかも知れない……無理か?
その上でエンシェントドラゴンとか出てきたのだ。無理だろうがあい!!
そもそも破壊神の末裔とかそれに類する聖女とか頭おかしいのかって集団が敵なのだ。魔王もいるし。
王子と賢者が必死で精霊化実験をしているが、うむむ、これ無理ゲーじゃね?
なんか世界をひっくり返すような技が欲しい。
「まあ俺様は第一王子だからな! 母上に追放されたが血脈は途絶えていない! 我はニターナ第一王子!! 王子さま!」
「はっ、血脈だけで才能などないわ! 我こそ賢者! お前より私の方が上だ!!」
こいつら本当に頭が悪い。研究はわりと効率良くしてくれてるんだが。なんで?
「さっさとルーフィアを倒してくるんですな」
「……」
「……」
だからなんで二人とも黙るんですかな? 倒せないのは分かってる。
はあ、分かっておりますよ。あれに勝てる人間なんぞおりませんからな。
ルーフィア殿に言ったらボク人間!と叫ばれそうですがな。あの人が魔神の類いじゃないと我らがきついのですがな。どうやって倒しますかな。
さて、精霊化実験を進めますかな。……普通に王子とか賢者とか邪魔じゃありませんかなあ?
うーん、精霊化術も実は次のステージに差し掛かっております。……正直に言って神、オレンジのお方に勝てる気はしませんな。どうしよう。
ルーフィアにも魔王にも勝てないのにオレンジのお方に勝てるわけないじゃろ!!
まあこんな具合で世界をどうこうしようと言うのが甘いのは分かっておるわ。我らの取り組みは実を結ぶのであろうか?
うーん、どうにかルーフィア殿には勝ちたい。無理だが?
「ぬぬう、どうにか勝てないものか」
「あれと戦いたくないが?」
「今の精霊化術じゃ無理よねえ」
「物理的にはとても敵いませんか」
さすがに諦めモードな我ら四人だが一人野生児がいた。
「俺が行くか?」
『無駄死にだ』
全員声を揃えたが。レッドさんマジ野生児。うーん、今の研究レベルでルーフィアに挑めないからな。
「そんなに?! まあ一当てして来るのはよいだろ? 精霊化を受けさせてくれ、ブレア!」
まあ良いですがね。果たしてどの程度効果が出るやら。グリースさんたちも大して結果がでなかったのですがな。獣人のレッドさんなら違った結果が出ますかねえ?
私はラムネ売ってきますかねえ。カエデ市で夏祭りするらしいですからね。
レッドさんには火の精霊と闇の精霊を注入することにした。不思議なことに闇の精霊をベースにすると安定することが分かっているのだ。光の精霊は逆に安定しない。暴走してしまう。やはり夜の女神、星の女神がこの世界の神だからなのか。
闇夜は安らぎをもたらすもので恐れるものではないとは誰の言葉だったか。
まあ良いだろう。一人突撃させてまた経験を積みあげる。
そもそもこいつらにレベル上げさせた方が早い気がしている。ルーフィアの強さってレベルだけと言えばそうなのだ。そのレベルだけが難しいのだが。観測班に鑑定させた結果がレベル五百超えているという結果だったのだが。レベル五百? 頭がおかしくなるわ。我らの精鋭でレペル百だぞ? 五倍はあり得ぬ。王子たちも叫んだわ。
うむう、魔王のレベルも千くらいらしいしな。倒せんわ! さすが魔王!
うん、こやつらのレベルアップから始めよう。さっさと魔物狩りにいけ、王子と賢者。
私は精霊と悪魔の配合を繰り返して実験するのみだ。悪魔を配合すると凶暴化してしまうのが難点だが確かに力は増すのだよなあ。レベルが高い方がかえって安定する。
ルーフィアと精霊を合成してみたいものだが、捕まえようとしても粉砕されるだけであろうな。
そもそもルーフィアに勝つために研究しているのだが?
どうしよう。魔王には絶対勝てないのにオレンジのお方に勝てるわけない。魔王が怯える存在にどうやって勝つねん!!
いや、我らの目的は神を超えること。もうひたすら実験を繰り返すのみだ!!
あ、光の精霊と火の精霊は相性が良いようであるな。うぬぬ、しかしやはり光の精霊を入れると暴走する。ハッスルしちゃうらしい。
闇の精霊と光の精霊を組み合わせると出力が出ない。そりゃそうか。
水の精霊がかなり安定するのだが水の精霊だけだと出力はやはり出ない。火の精霊を混ぜてみると、なかなか良い結果に。うーん、雷の精霊を入れた方が出力も安定性も高いのだよなあ。
闇の精霊と雷の精霊をまぜる、と?
うおっ! これはすごい相性が良いな!!
まあレッドさんは火の精霊と闇の精霊を混ぜたから追加は難しい。これはコッダー王子にでも入れてやろう。
はあ、神を超えるのはまだまだ先じゃな。
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さあ、ブレアさんのごろりんこ!
「持病の腰痛があ!!」




