病院と学校
セレナが一晩でやってくれました。
うーん、バカみたいにお金が貯まってるからセレナの進言もあって病院と学校を建てたんだけど、建ててもらったんだけど、実際にどんなものかは見てないんだ。ちょっと見学することにした。セレナとかかなり肝いりの組織なんだよね。一年目だけどもうだいぶ人が集まってるらしいよ。
だいたい建築速度がスキルで建てれるから速すぎるんだよねえ。アパートとかマンションとかいう建物が次々に建ってる。人が住まうスペースはまず第一に作られたらしい。この辺りはモアリースト司教の差配みたいだね。それをセレナが手伝ってる。
人が増えすぎなのもあるけどこの方面はセレナがすごい働いてるんだよね。食料も食器も生産できないとは言うけどこういう采配ができるんだからすごいと思う。セレナってスキル無くても生きられるよね。炎術も半端じゃないスキルだけど。戦争だと頼りきりになるもんなあ。
スキルで建築関連の仕事ができる人は千人超えているらしい。けっこうレアスキルなんだけどさすがに人口が五十万人も集まってるからなあ。カエデ市そんなに大きくないんだけど? なので密集して建築物が建てられている。火災とかを警戒する意味で道幅は広い。なんか灯り、街灯もたくさん作られてるんだよね。夜でも明るい町になってきた。まあ犯罪とかはゴブたちの警備兵がいるからほとんど起こらない。おかしいな、ゴブリンって犯罪者の見本みたいな生き物じゃなかったかな? うちのゴブは正義の味方なんだよなあ……。
うちにはスキル未修得の児童も何万人といるんだけどね。どこから流れてきたのか……。スキルをまだもらってないって夢があるよね。ハスター王子はもうもらいました~。いや情報操作とかいう神スキルなんだけどね。ランクあげないと使えませんけども。
「みんな、夫が意地悪するんだ!」
「それはよくないのである! 妻を愛するのだ!」
「ハスター王子は妻にはなれませえん!」
「夫が意地悪だ!」
「それはよくないのである! 妻を愛するのだ!」
「このルーティーン何回やるの?! 仕方ないから妻にする?」
まあハスター王子は妻じゃないがね。絶対妻じゃない。まず男の子だし。旦那の可能性はあるよ?
それはおいといて「ひどい」病院と学校を回るんだってば。好きになりそうだからやめて。
病院は治癒術系のスキル持ちの人が多くて、風邪を引いたり怪我をしてもすぐに回復してくれる。治癒術はスキルとしては本当にすごいものだ。魔王クラリスさんのお母さんのジョブだしね。回復魔法ならたくさんあるからね。でもさすがスキルだ、一瞬で何もかも癒してしまう。十人くらい一括で癒したりする。すげえ。エリクサーとかパナケアおごりまくるよ。
治療費はボクが持ってる形になるね。つまり無料で回復してもらえる。税金だからボクが死んでも残るようにしてある。ボクはいつも前線に飛び込むからね。死んだ後もみんなが幸せでいられるように国作りするんだ。ハスター王子とかスージー殿下は前線には出ないからこういう公共施設の管理は任せている。セレナもけっこう積極的に噛んでるけどね。ボクも前線でセレナだけは死なせないようにしよう。セレナは本当にすごいアイデアウーマンなんだよねえ。天才としか思えない。セレナのためになら死ぬよ。
泣きそうな顔をされてもボクが前線に出ない選択肢はない。マッチョなわけじゃないけど頭は筋肉質かも知れないね。戦って勝つことしか考えてない部分はある。おおむねパンを何種出すかとかしか考えてないけど。ボクパン屋だし。
病院には各地から位の高い司教さんとかも来ていたりする。治療は行き届いてるからみんな顔色もいいね。忙しく生きてきたんだろうからじっくり休むといい。いろいろお話を聞けるんだよね。ボクの知らない時代の治世の話とかもあるんだ。国はたくさんあるし治世もたくさんあったんだって。歴史は興味深いね。ボクは歴史にも詳しくなったんだ! ただこの十数年は新書派の歴史なんだよなあ。原典派の人はめちゃ頑張ったんだろう、この国の六割は原典派ってことらしい。新書派って気持ち悪いもんなあ。神じゃなくて王に従った人たちだもの。信仰ってなに?って聞きたいわ。王を信仰するのはバカみたいだよ。人間なんか神様に勝てるわけ無いじゃん。
歴史からは離れるけど、なんでも王都ではオレンジお姉さんが現れて新書派の大御所がたくさん死んだらしい。なので原典派の司教さんは疲れが出て倒れたとか。敵の存在が命を繋ぐなんて分かんないもんだね。みんな安心したのかな? オレンジお姉さん怖いもんね。
病院っていろいろ学ぶことがあるもんだ。死に行く人、お年寄りはたくさんの知識を持っていくんだって分かる。それを教えてもらう意味では学校と余り変わらない。感染症があるから難しいけどなるべく話を聞きたいね。
じゃあ学校の方を見に行こう。学校はセレナのアイデアで四部構成になってる。一つは幼児たちが学ぶ小学校だね。給食を出すことで人を集めてるんだって。
可愛い子供たちが商売や魔法、運動、武芸について学んでるんだ。小さい子達がボクより歴史や計算に詳しくなってる。やっぱりセレナは桁が違う天才だよねえ。ボクがバカなだけかも知れないけど。パン屋しかできないよ。女王? 誰のこと?
次には大人に差し掛かる子供たちが学ぶ中学校。運動とかも騎士レべルだし勉強も政治とか魔法学とか専門性が増してる。時々お祭りもするらしいよ。文化祭とか運動会とか。楽しそう! 通いたかったなあ。まあエルフとか二十代でも通ってるからボクが通ってもいいっぽいけど。通いたいけどパン屋が忙しいよお。悪役令嬢ムーブしたいよお。……ボクじゃ無理だね。
次に専門家たちが学ぶ大学校。そして専門職を極めるための専門学校と、とてもたくさんの学校があるんだね。スキルごとにいろんな教育コースを作っているらしいね。……パンと水コースは無いらしい。ボクしか使えないしね。
セレナも教師陣を手配したりすごい働いてる。なんにも生産できないとか落ち込んでたけどやっぱりセレナは天才だ。誰もこんなこと思い付かなかったよ! ボクも負けずにパンを作らないとね!
そんなかんじで、病院も学校も学ぶことが多かったな。
この国から世界を変えるんだ。ボクはそう思えてしまった。セレナのおかげだけどね!
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魔女っ子セレナがごろりんこお!
「正直しんどい」




