デスワーク
お肉食べたいですね!
はーい、今日もゴリラできゅるんとなりますよー。なんだよゴリラできゅるんって。おかしいだろ。
日常になってしまった五十体のゴリラ美容で十人以上の女の子がきゅるんきゅるんにされている。でかけよう。
……この日常で良いのかなあ? なんか不安なんだけどゴリラに美容されて良いのかなあ?
「うーん、実際綺麗になるんなら良いんじゃない? ミドリちゃんも可愛いし? 変に攻撃的な行動されたらさすがに分かるわよ」
「アイリスの美的感覚が分からないんだよお……」
「少なくともアイリスには常識はない」
「セレナもわりとひどい、けど否定できないね」
「失礼ね、誰が鬼殺し不細工ゴリラ凶悪聖女よ!」
「誰一人としてそんなこと言ってない」
今日も聖女の頭おかしい発言からデスワーク、始まりますよお!
まずは問屋でパンを作るんだけど数百万個もどこにはけてるのよ!! ここだけで死ねるわ!
作んなきゃ暴動起こるんだよねえ。ハイハイそれではメニュー見せてね。……帰りたい。
とにかく問屋にしっかりパンを入れましたあ、リナレアさんがお酒くれましたあ、クラリスさんが問屋の受け付けでぇす! ……ものすごく悪いことしてる気がする! さすがに魔王が問屋とか無いわ! セキュリティは最強だけども!! そりゃ最強だわ! 魔王だもの! でも店員させるのダメじゃん! 王様なのに! 可愛い女王様なのに!
ちょっと慎重に考えた方が良い気がしてきた。さすがに魔王に問屋やらせるのはなくない? 四天王とかいるしチェンジしようかな?
「お、お主まさかかあさまといちゃいちゃしたいのか?!」
「クラリスさんもっちり肌で気持ちいいからいちゃいちゃしたいけど?」
「まずいのだ! 妻たち集まって! ルーフィアがかあさまに落ちかけてる!」
「なんで」
「なんですってえ! そんなのは許せないわあ!」
「女王、様の、隣は、私」
「王子さまあ、私を愛してえ!」
いや、別にクラリスさんと深い関係にはならないよ? ならないよね? なりたいけど。てかエリメータさんとスージー殿下ちょっとお話が必要かも。
「よいかお主ら、ルーは意外と誰でも良いのだ。いちゃいちゃし殺すのだ!」
『ウィー!』
「なんで下級戦闘員みたいに言ったのだ?! まあルーとは積極的に全員でいちゃいちゃするのだ! おかあさまの入る隙間を無くすのだー!」
「ねえ、リンゴ。それなんか戦争の乗りになってない?」
ボクの隣戦争は熾烈を極めているね。ボクはクラリスさんがいいのに。まあアイリスとセレナとリンゴも好きだしスージー殿下やエリメータさんも愛が深くて嬉しいんだけどね。四天王のビビさんは可愛いしリナレアさん、ウィリーさん、コヨリ姫、みんな可愛いしもちもちで大好きだからね。……みんなで争うほどボクのとなりは気持ち良くなくない?
まあトランジスタグラマーだけどね。
え、ボクがモテてるのってこの胸のせいだったりするのかな?! セレナとか吸い付いてくるもんね。一回お母さんって言われた時は思わず突き放したよ。それは赤ちゃんのものだよ! 赤ちゃん作る気無いけどね! そして結局吸われている。
まあそんな夜を繰り返しつつ、パン屋の仕事だよ。
当たり前みたいに問屋で数百万のパンを積む生活なんだけどこれ抗議して良くない?
一年くらいボイコットしたい。言ったらさすがに身内に殴られそうだから言わないけど。なんで労働が必要なんだぁ~。
「店長、味噌ソース鮭カツバーガー十個でぇす」
「美味しそう。まかないはこれにしよ」
たまに記憶に無いメニューも注文が入るけど我ながら美味しそうなんだよね。まかないは大抵それで済ますんだけど、昼御飯文化もすごい広がっててボクの店はそれこそ少しの隙間もないほど人が集まってくるんだ。ヤバイね!
一日何万個パンを出してるのかとは思うけど、注文を受けて的確に品だししてる奥さんたちの方が絶対大変。変なクレーマー来たりするからね。ボクは生産に移っちゃってるからそれは申し訳なくてさ。
「お給料がものすごく良いので全然構いませんよ?」
「うちのお給料他の三倍だからね~。騎士団でももらえない額らしいね」
どんだけお給料出してるんだって話だけど一般的な騎士は数年で家を建てられるほど給金をもらえてるらしいけど、うちはその三倍なんだぁ。騎士が聞いたらこぞって働きに来そう。雇わないけどね。
けどそれだけ出しても余裕で儲かるくらい忙しいんだけどね。もはやデスゲームならぬデスワークさ。
「店長、ハムカツバーガー二十個でぇす!」
「はぁい」
うーん、奴隷だ。ボクは奴隷だね! イートインスペースをフードコートにしたの誰よ!! 忙しいったらありゃしない。品だしも数秒だから文句は出てこないけど! ホットで出してるから魔力がいるんだよお!! しんどい!!
「ここが地獄なんだ……きっとそうだ」
「店長、トマサラサンド二十個でぇす」
「まったく無罪の店員を殴りたくなる社長の気持ちが分かった」
「ひえ」
「出すけど。殴らないけど。ボクそういう理不尽じみた暴力大嫌い」
「さすがは女王様」
どうしよう、殴りたくなっちゃった。いやいやこの子なんにも悪いことしてないから! パワハラ禁止でぇす!
とりあえずパンを出すのがボクの役目さ! どの辺が女王様なのかなあ?! パン屋さん! ボクはパン屋さん!
今日も一日しっかり働いてしまった。ボクの役職が女王って間違ってない? 完全に奴隷みたいに働いてるよ? まあお金は貯まるんだけど、その使い道もなかなか無いし。ドラゴン革の軽鎧とか一式揃えたけどお金は余りまくってるわ。お金って余るほどあると逆に困るんだね。お婆ちゃんやお母さんが生きてるときに欲しかったわ。
「どうしよう、儲かるけど、いらない」
「ルーはもっと贅沢して良い」
「贅沢の方向が分からないんだよお」
「なんという贅沢なことを言うのだ?!」
「ボク贅沢向いてないんだよお」
「ルーフィアはゴージャスに着飾れば良いのよ!」
「聖女頭おかしい」
「さすがに今のはおかしいわ?!」
「ごめん、アイリスじゃない聖女の皆様に謝罪します」
「さすがに今のはおかしいわ?!」
まあどのみち明日もこのデスワークが続くんだ。やめたいけどやめたら暴動起きるし。
ねえ、そろそろエンディング迎えて良くない?
『よくない』
みんなボクの恋人なのにすごい冷たくない?
どうせ戦いはそうそう終わらないんだ。こういう内政はやりつつ戦争も繰り返すしか、
ボクの道は無い。なにか見つけないとね。
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もう、ごろりんこする人がいない!
ならばほとんど出番がないゴブ吉さんに!
「ごぶひんこ」
ゴブリン滑舌悪い!




