拠点を作るよ!
なんか危機感を感じたので投稿します
寒空の下でも暖かくしたパンを抱いていればへっちゃらだし、少し寒い春の旅なのに楽々ボクは進んでいく。
ちなみにカイロにしたパンはライムが美味しくいただきました。なんかすごい食いつき良かったの気のせいかな?
ボクはさらに3ヶ月程かけてカエデ村に帰った。急ぐ旅じゃなかったしルーフィアのパン屋さんが人気過ぎてなかなか旅が進まなかったんだ。一週間の道のりのはずだったんだけど。
お金は安い家なら買えるくらい貯まった。しばらくは働かなくて良さそうだ。とにかく荷物が増えたら旅がキツいのでロバも買って、服やトイレのチリ紙を買いためて進んだ。ロバの名前は魔王を単独で倒した伝説の魔法使いのロバにあやかって非常食にした。頑張れ非常食。負けるな非常食。タフだね非常食。
ちなみにテイムが成功したらしく微妙に批判めいた感情が届いたことは書いておく。
え、食べないよ? ホントだよ? ボクにはパンと水があるからね! ロバって美味しいのかな?
カエデ村に着いた。着いたっつーか。
カエデ村跡地に着いた。でも、事前の予測通り。
建物がないとか村がないとかそんなチャチなもんじゃ断じてない。……なにもなかった。もっといえば草も生えてない。焦げた地面だけが広がっていた。
いちおう旅立つ前に調べてはいたんだ。だから知ってた。カエデ村が廃村になってたこと。
開拓再開してないかなって思って来たんだよ。言ったじゃん、開拓村なら有り難いスキルだって。
ボンヤリと焼け野原を見つめていた。するとライムがなにを思ったのか駆け出した。
ボクと非常食はそれを追いかける。ちなみに非常食は今のところ分かったのはジャムパンが好物らしい。神のスキルで作ったものだから病気にはならないようだ。
草食動物は甘いものが好きで、ウサギや馬が好きなニンジンも甘いから好きなんだとか。神のパンなら塩気も十分だろう。
神授スキルを得ると変な知識がたまに降りてくるんだ。ロバはパン屋が好きらしい。意味は分からない。
それは置いて。ライムはどうやら水場を見つけて駆け出したらしい。元の村はこの小川を水源として作られた村だからね。
と、思ったらなぜかライムは川を飛び越えた。えー、すごいジャンプ力。強くなりすぎじゃない?
ついていく。川が浅くてよかった~。川を超えるとすぐに崖に突き当たる。この構造は知ってたんだよね。
子供の頃良く遊んでたから。小川を越えて西は行き止まり。
だけど、崖の上の方に大きな穴が開いていて、そこまでの道ができてるのは初めて見た。なんだこれ?
そのあともライムについていく。穴の中は魔法で焼き尽くされたあとがある。セレナも言ってたがあちこちに火球をぶつけたあとが残っていた。たぶんゴブリンとかが巣食っていたのを冒険者が焼き払ったのだろう。
『ここをわたしたちのねぐらにしよう!』
そんなライムのはしゃぐ声が聞こえた気がした。
うーん。まあ町まで半日もかからないから買い出しとかはその時にすればいいし、ここをキャンプ地としてもいいけどね。
なにより洞穴で生活ってなんかロマンあるじゃん。ボクは冒険小説と聖書原典やスキル関連の書籍は読みまくったからね。こういうのいいじゃん!
「さすがライムだね!非常食に乗れば坂も楽々だしここに住もう!」
「オッフォオッフォオッフォ!」
「ロバってそんな声で鳴くの?! すごい嬉しそうだ!!」
「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!」
「スライムが鳴いた?! しかもなんか邪悪な感じで鳴いた!?」
ふう、久々に突っ込んだよ。やっぱり仲間って必要なんだね。それは置いとこう。置いとかない? 置いとかないと危険じゃない?
ここに拠点を作るとして必要なものは……にひひ。
お風呂作っちゃおう!
洞窟の岩を水流で削りお風呂スペースを確保、排水路を作りお風呂と排水路には板で仕切りを作る。
ホントはなくてもボクのスキルで作ったお湯は消せるけど、誰かが魔法でお風呂を作ろうとしたら欲しいだろうなって。セレナとか。
あと外から見えないように柵を作らなきゃダメだけど、作業が大変そうだからそれは翌日からにする。ここにはライムと非常食しかいないしね!
と、言うわけでにゅうよーくたいむ! ボクの白い柔肌を見せつけてやるぜ! 誰にも見えないけどね!
肌が綺麗になる効果のある濁った水が出せたのでそれでお湯を作る。ふふん。美肌なトランジスタグラマーな美少女がお湯をいただきます!
観客がいないのがもったいないくらいだぜ! 一人で言ってるとむなしいけど!
あー! いいお湯ぅ! しみるね~! ふんふふん。鼻歌も出るよね。ボクが入れるの大衆浴場ばっかりだったからなぁ。
洗濯物を洗うのも水流操作で余裕だし汚れを落とせる濁った水とすすぐ綺麗な水、そのあともボクが出した水は消せるから一瞬で乾燥。最高すぎないこのスキル!
晩御飯は、ちーずばーがー?なるものを食べる。スキル情報で名前や効能は分かるけど味は……お肉!
ハンバーガー中毒になる妖怪が出るレベルだよ! もう喰ったさ、ハラぁいっぱいだ。
飲み物はなんにしようかな。もう寝るからミルク系がいいけど、ミルクココアにするかな~。
毎日こんな暮らししてたら堕落してしまうよ!
ライムにもハンバーガーを食べさせたらぷよんぷよん跳ねた。美味しかったらしい。むしろ美味しすぎると言いたげに跳ねた。十個くらい出してあげよう。
非常食にはトマトサラダサンドを食べさせたらなぜか踊り出した。ロバのダンスなんて初めて見たよ?!
このパンと水スキル、実は変な麻薬なんじゃ……。
翌日からも拠点を整えることにした。ライムがいるからパンベッドありかも! 無駄がない! スタッフのライムが美味しくいただいてくれる!
壁に穴を開けて本棚も作ろう。あれえ、立派な生活空間できてきた。
トイレも水で流せるから小川の下流まで水路を引っ張って下水をためて浄化する施設を作ろうか。ボクの職業適正が治癒師で良かったな。定期的に浄化魔法をかけよう。
どんな病も治る上級浄化魔法も早めに使えるようにしたいなあ。攻撃魔法も覚えれるなら覚えたい。適性はあるけど魔導書があればなんでも覚えられるとは聞いている。
ボクはスキルにも魔法にも詳しいんだ!
レベルも上げなきゃね。川魚は犠牲になったのだ。
他に生活に必要な施設は、ポーションとか作る部屋とかお客様を招いた時の客間は用意したいかな。
セレナとアイリスの部屋も作っちゃおう!
あー、お風呂の壁作らなきゃ。どうやって作ろう?設計間違ったかも?
誰か土術師来ないかなあ。まあそうそう人は来ないよね。カエデ村が完全な廃墟だし。
いずれ人が集まるとして、なにか産業を作るとかできたらいいんだけどなあ。……戦力も必要かなぁ。
ボクはスローライフ系の小説はたくさん読んだから詳しいんだ!
あとがきのクリップ消してしまったので、楽しかったな、面白かったな、って人はブックマークと評価、レビューもウェルカム
☆☆☆☆☆→★★★★★
って評価でおねがいします!
いや、何度も、変則的に更新してすみません、てことで。




