新たな魔王
レグイーナンさんは女の子です。見た目は人魚のようなヒレが耳で足は普通の人間にヒレを着けた感じです。
火の四天王だったバーナンが倒されたらしい。倒した人が新たな魔王を名乗っているようだ。まあ御隠居がここにいるから偉そうにはしていないらしい。南は安定しそうだ。戦争の回数が減るなら余は満足じゃ。
「なにキャラであるか」
「女王キャラ? 新しい魔王ってどんな人?」
「水の者だな。リナレアの配下だ」
「どうしよう、ボクの中でリナレアさんの株が爆上がりなんだけど。愛していい?」
「照れる」
「ぐぬぬ」
あ、なぜかリナレアさんと対立してるエリメータさんが悔しがっている。
「ショッキングヒートカレーパン二十個ください」
「それほんと死ぬほど辛いですけど大丈夫ですか?」
「罰ゲームに使いますから!」
「毎度有難う御座います」
ボクは店員さんの対応を見ているだけだよ。生産に移ってるからね。リンゴも生産している。ショッキングヒートカレーパンまじヤバイからな。クラリスさんが転げ回ったレベルだ。可愛かった。あの人たまに可愛いんだよ!
「ガラスのグラスを一万個ほど」
「割れない対策はございますか?」
「しっかり新聞紙を集めております」
リンゴ製品ももう問屋に移さないとリンゴが死にそう。問屋だと不意に買い付けに来られても無いものは無いって言えるからなあ。
ボクたちは味方にしか物が売れません。いいですね?
結局は味方を増やしてるんだよねえ。
「一番は食べ物だろう。飢えない国ととても評価が高いのだ」
「仕事もあるといいねえ」
「人が集まれば必然的に日用品は必要になるのでな、仕事は尽きておらぬ。むしろ忙しいらしい」
「お金が足りなくなりそうだけどねえ」
お金ってダンジョンで作られてるんだよね。取ってこないと増えない。インフレにはならないんだ。不思議だねえ。まあ神様がコントロールしてくれた方が人間がコントロールするよりいいけど。
ちなみに問屋の魔王が上司となったリナレアさんはお酒を大放出してもらっている。頼もしい!! ちなみにクラリスさんはご隠居なのでもっと上の立場です。クラリスさんより上の人なんてオレンジお姉さんくらいだわ。
「ビールとサワー、シードル、ミード、ウイスキーとブランデー、その他、問屋にそれぞれ二百樽積んでおいた」
「あなたが神か」
リナレアさんこそが神である。肌が冷たいのも好きだ。
ソックセンとの戦争は止まっている。ニターナ王国軍がけっこう本気だしてきたのと、僕らの国が急激に膨れ上がったので内政が必要になったからだ。リンゴとか問屋でグラスを卸したら区画整理に行く毎日だ。ボクはパン屋さんを休みすぎると暴動が起こるから防戦じゃないと二日か良くて三日しか戦えないんだ。
「ねえ、バーナン倒したの水の人でしょ? リナレアさんがあらかじめ仕組んでた?」
「ふふ、どうかな?」
可愛い~。食べちゃおう。はむ。
「ああ、とても素敵。これが恋」
四天王も魔人族だから惚れやすいらしい。やっちまった。さすがに妻十三人は多い。外にメルフィーナ子爵とミーヤちゃんとセトラさんがいるからね。セトラさんいっつも手伝ってくれてるけどボクが誰かとキスする度に欲しそうな顔してくるんだよね。あげた。喜んでた。外妻になった。ボクは航海士か?
シスターウェンリーはさすがに食べづらいよね。聖者だし。まあたまに食べてるけど拒否されないんだよなあ。妻十四人か。働かないと。えーと六人は確定で四天王がついて外に四人で十四人。間違いないね。
それでまあ、新しい魔王さんこっちに挨拶に来た。
「新しく魔王を名乗らせていただきます。レグイーナンと申します。魔神王様」
「おっかしーな、魔神王なんてここにいないよねえ?」
「もう我慢しなくていい」
「どういう意味かな? リナレアさんでもさすがに切れるよ?! 血管が!」
もうボクは魔神王で確定のようである。殴るくらいしかできないのにい!
「ルーが魔神じゃない?」
「誰がどう見てもルーフィアは既に魔神よねえ!」
「魔神であるな。魔王である我は超えているのだから」
「魔神じゃないルーなどいないのだ!」
「魔神、様」
「王子さまですわ!」
スージー王女だけ愛す。
『えー!!』
スージー王女一番可愛い。アホの娘っぽいとこがさらに可愛い。はむはむ。
「わたくしは頭は良くないですわ。でも愛は深いつもりです」
魔族並みだった。今夜はスージー殿下とイチャイチャしてハスター王子が混ざりたそうな顔を拝むとしよう。
なにキャラだ。
とにかく新魔王様とは同盟を組み、エルエーナの森の攻略で団結することになった。いずれ南北を繋ぐ海道ができる。
………………(ある旅人の視点)
「この町は物が安いのお、辺境なのに……」
原産の周辺の領地で買えばもう少し高値になるのに、なぜかこちらで買った方が安くなる。
一番の理由は食べ物が余っていることだ。海からは遠い土地なのになぜか海産物が溢れている。食料が余っているのだ。この時代に。
普通なら商売にならない土地に売りに来ないと思うだろうが、商人たちも考えている。帰りにはパンやグラスを買って帰るのだ。儲けは莫大であるらしい。それはやめられまい。
持ってきた物も安く売るといっても原価割れはしていないのだからついでに売るなら珍しいものを安く売る。それが商売なのだろうな。
ルーフィアパン店の問屋では毎日数百万もの品が売れているそうだ。作る方も大変だろうな。パンだけではなく食器や酒もさばいているらしい。特に酒は他では飲めないと人気だ。パンもグラスもだがな。やはり酒が一番はけるらしい。
しかしこの町の人々の顔は明るい。食い物に困らないと人は笑顔になれるのだ。この町がそれを示している。
町の中はまだ新しいこともあって清潔で美しい。セレナ様という発明家の方が水洗トイレなるものを作ってから町中に糞尿を捨てる者はいなくなったそうだ。風が運ぶ香りは爽やかな緑の香り。町中なのに森の中を歩いているかのごとく爽やかだ。
町中に並ぶ屋台のひとつで焼き貝を買って食べてみる。味付けがいい。なんでもこの町の料理人はおしなべてルーフィアパン店の味を参考にしているので他の町では考えられないほどの美食化が進んでいるらしい。
この町で仕事を見つけて、ここで住み続けたい。普通にそう思う。
ちなみにこの町では普通に風呂に入る風習があるようで、宿で勧められた風呂に、わしは一時間は浸かっておったのだった。
カエデ女王国か。素晴らしい国であるな!
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では、お約束なので新魔王レグイーナンさんがごろりんこします!
「は、恥ずかしいんですが?」




