邪悪の化身
難しい展開になってきてます。ルーフィアがいるから安心でぇす!
ソックセンとの戦いが再開する。ここはなかなか落ちないなあ。まあ危なすぎるのはあるし、近寄らなければ攻めては来ない。
毎日忙しいけど今日と明日は休日だ。ダンジョンで休んでても誰かに襲われるから町歩きすることにした。それにしても一気に開拓が進んだな。スキル持ちが集まれば建築は一日もかからないんだけど、まあ四十万も集まったら建築スキル持ちもそれは多いよね。
アーミング、ダブロド、ハゲーンの三領地に恨まれやしてないか。ボクは望んでいないのだが?
「ルーフィアさまあ!」
「女王さまあ!」
「……女王言われるの嫌なのだが?」
「魔神さまあ!」
「誰が魔神じゃい!」
風評被害がひどい。魔女や魔王の方が強いのに。
「ハスター王子さまとの結婚はいつですか?」
「しません」
「「えー」」
やめて、既成事実にしようとしないで。ハスター王子以外にも男はいっぱいいるし……。ロンさんもモアリースト司教も好みじゃないが。そもそもが子作りするつもりないんだよなあ。でも人生が長くなりそうだから一回は考えないとだめかもね。
ボクのパンと水スキル、SSSの力は、「神の血肉」となっている。……神様になっちゃうんだよ。このままだとそのコースは外せないし、仲間がピンチになったら絶対に使う。……誰もたどり着いたことがないスリーSとは、神に至る道なんだ。
まああまりにも修行しすぎているボクでもまだたどり着けないから、普通の人には生涯無理なんだろう。当たり前だけど。
魔族ならポンポンスリーS出そうだけど長命な種族はそれなりに成長が遅い。
リンゴもボクから見たら天才だし成長してるけどかなり苦しんでいる。ボクは抱き締めて眠るくらいしかしてあげられない。
……リンゴを抱いて眠ると周りがうるさいのはあるんだけど、このダンジョンで暮らしてからずっと抱いてるからいないのも嫌なんだよねえ。アイリスとセレナの嫉妬は仕方ないね。ちなみにルーティンがいつの間にか決まっていて今日は火の四天王コヨリ姫様がボクの背中にだっこしている。一緒にお風呂に入ってワッショイワッショイしたしキスもしたしお酒もたっぷり飲ませてある。
ボク何者?!
そんな日々を過ごしていたら奴らが暴れだしたらしい。ソックセンで魔物のような悪魔のような人間が現れた。
二日は休めたんだけどなあ。ボクらは今日もパン屋を休んで駆けつける。なぜか「パン屋を休ませた者を許すな!」とかいうわけのわからない閧の声が聞こえる。何万人いるの?! これ、相手これだけで逃げるから!
軍隊って歴史で見ても十万も率いて戦争したところであんまり意味がないんだよね。ひとつの城や砦を囲うのにそんなにいらないし、例えば十万人が一人に襲いかかるとして十万人全員が一人に攻撃できるわけがない。味方に当たらないように精密に十万人が攻撃? アホかな?
戦争は数じゃないんだなあ。だって町の人十万人ならボク容易く刈れるもの。
だから、個人の能力は怖いんだ。どうなるんだろうね?
そう、思っていた。うぬぼれていたんだ。
「どうも、敵の主力がソックセンを抜いてこちらに迫っているらしい」
そう告げたのはメルフィーナ子爵だ。この人は冗談でも嘘でも本当のことを言う。
「カエデ女王国が攻められるってこと?」
「そうなるな」
「ハスターおうじ!」
「いや、聞いてるよ。これ、深刻かも知れないな」
そうだね、ソックセンとカエデ市の間には壁すら何枚もリンゴがもうけてるんだ。なんですんなり攻めてくる。「我でも無意味?!」
「倒さないとね」
セレナの言うとおりなのだけどね。怖いよ。壁も通じない相手なんて。
「壁が通じない敵がいたか私はわかりませんわよ?」
なぜかセレナがちょっと無理して貴族ムーブした。可愛い。まあ王子とかいるからかな?
「とりあえずボクが一当てしてくる」
それが一番安全であり、確実だった。
「死ぬでないぞ」
「リンゴ。ちゅ」
「はむん。死ぬでないぞ?」
「むしろボクを殺せる存在にお目にかかりたいもんだね。行くよ!」
だけど。戦場にいたのはボクが思いもかけなかった存在だった。
アレス?! なんでいるの?! しかも十人はいる!?
『うひゃっひゃっひゃ! お久しぶりですブレアでございますう!』
「炎術:選択:ブレア:範囲:十キロ:威力:煉獄」
セレナが全魔力を使って攻撃を仕掛ける。成功すればブレアの顔を見るまでもなく勝ちだ。まあそんなに容易くはなかった。
『残念ながらそちらの力はもう把握しておりますよ。セレナさんは実に危険ですからなあ!』
「ムバウばあちゃん!」
「掴みましたぞ! 覚悟!」
『あれ? 精霊術?! 不味い! 誰か精霊遮断! このアジトは捨てますぞ!!』
おやおや、慌ててるみたいだね。ボクらを脳筋だとでも思ってたのかなあ? 残念でした。お前たちがボクたちを掴むなら、ボクたちもお前らを掴む。残念ながら、あとは力押しの殴りあいだ!
「アレスもどきがあ!! きえされえ!!!」
ボクの、全力を見せてやろう!!
「スキル:パンと水:パンメテオ:フルスイング:大陸崩壊砲!!」
パンメテオのパンを目の前に出して、ボクがフルスイングで殴り飛ばす。たったそれだけの技だ!!
「ぎゃべ?!」
「ぶえ?!」
「にげ!!」
「あばあ!?」
「さ、災害か?」
「助けておかあちゃーん!!」
罪人は罪人だ。例えば愛を知ってるならその愛の中で生きれば良かったのだ。よくもブレアなんぞに魂を売ったな。等しく地獄をおごってやろう!
「……ルーの攻撃力、世界最強ね」
「我でもあんな破壊力は出せんぞ?」
魔女や魔王より強い?! 球遊びに攻撃力ないよね?!
「ルーフィアの破壊力ね! 私でも引くわ!」
アイリスに引かれるの?! 最悪だあ?!
「どういういみよお?!」
アイリスが頭おかしいって意味だよ? なんにも不思議がないね。不思議。あ、アイリスがしょぼーんって顔してる。
「とにかくさ、アレスもどき狙って出してきたんだよね。ボクね、許せない。ボクが破壊神になったら倒してね?」
「させま、せん」
「私の王子さま!」
ふふ、こんなに愛されたら心を失うこともないね。じゃあ、行こうか。
「おおおおおおおおおおおおおおおう、っっっっっっっっっぅっ、らあああああああああああああああああああああああ!!」
大陸崩壊砲二発目! 邪悪の化身どもが! 吹き飛ばし、殲滅する!!
あ、アイリスごめん、そんなに凹まないで!
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ルーフィアのごろりんこっていつぶりだろう。やり倒せ!
「ごろりんこ。ふっ、ボクよりごろりんこが上手いのはミーヤちゃんくらいだな!」




