無双
ルーフィアは人間ですけどレベル三桁が珍しい世界です。ルーフィアのレベルいまいくつだっけ。四百くらい?
邪魔な悪魔どもを蹴散らしているとデカイ悪魔とエリートぶってる悪魔が出てきた。メイスの一振りで死ぬと思うけど。
ボクをなめない方がいい。
「あれは、本当に人間なのか?」
「オレでも勝てなそうだぞ、兄者……」
「レッサーデーモンどももほぼ壊滅か。兄上に救援を求めるべきかも知れぬ」
「オレは、それがいいと思う」
なんかぶちぶちと相談しているがそれで戦力差が変わるほどボクはやわじゃない。
「雑魚ども、相談は済んだか? 今すぐ地獄をおごってやるからな?」
「兄者、悪魔だ、悪魔がいる」
「我らが悪魔だからな? 弟よ。え、あっちが悪魔かも」
「誰が悪魔じゃ、おっらああっ!!」
さすがに悪魔にまで悪魔呼ばわりされるほどじゃないわ。ないよね?
「ひえええええ?!」
あれ、一発は耐えやがったな。まあまあ強い奴ららしい。
「逃げるべし! 兄者逃げよう!?」
「知らなかったのか? 救世主様からは逃げられない!!」
「それ大魔王のセリフ~!!」
「兄上、来てくれえええ」
こいつらタフだな。それにこいつらより強いのがいるのか。面白そうじゃないか。
「ルー、戦いすぎて凶悪になってきてない?」
「戦ってると気が立ってくるな」
「そんなルーフィアも大好きだから気にすることはないわ! ぶちのめしてやりなさい!」
「……ボクより安定して凶悪な聖女がいるんだけど」
「昔から」
「絶望を感じる」
「なにが世紀末な絶望的天を突いて満足して死ぬタイプの悪魔聖女よ! 失礼しちゃうわ!」
「そんなことは言ってない」
ただ、やっぱり聖女頭おかしいな。
「今だ、死ねい!! 大火球!」
「うっらああああっ!!」
「打ち返され……」
隙をついたつもりか炎の球を放ってきたので打ち返す。
「兄者~!!」
一匹討伐完了。もう一匹はマッチョだしドラゴンくらいタフだ。面倒臭い。
「死ぬ準備、できた?」
「お許しください!」
「悪いことしてなかったら許すのもやぶさかではない」
「子供食べちゃった!」
「死ね」
はあ、悪魔はあくまでも悪魔か。つまんないよ死に絶えろ。マッチョ悪魔も一発でミンチだ。
「ほう、弟たちがまるで歯が立たぬとは。貴様は魔王か?」
「ボクみたいな清廉な魔王がいるものか。いたわ、クラリスさん清廉すぎて可愛い」
「なにを言っている? まあ貴様の命もこれまでよ。上位悪魔の力を思い知らせてやろう」
「御託を述べるヤツの実力なんてたかが知れている。来いや」
なんか強そうな悪魔が出てきたけど、ボクいまだに無傷だし怪我しても瞬時にエリクサーを胃で出せるんだよねえ。やったことはないけど、必要なかったから。
「食らえ」
なんか小さな火球を放ってきた。ボク知ってる、触れると大爆発するやつだね。だから?
「おっらあ!」
「……は?」
メイスの一振りで消しただけだが?
「お、お、お前本当に人間か?」
「ブラック企業社長、パン屋のルーフィアでえす。言ってて泣きそうになった」
あと、子供を苦しめる奴らは許さん。地獄をおごってやろう!
「ふむ、人にしておくのはもったいないっていうかお前本当に人間か?!」
「失礼な! 人間だわ!!」
「うーん、怪しいと思う」
セレナ冷たくない? 炎の化身なのに。
「ルーフィアのお父さんはきっと暗黒魔界大魔王なのよ!」
「誰それ?!」
聖女は安定して頭おかしいし。
「ルーフィアはたぶん我と戦っても勝てるぞ?」
「魔王に?!」
ボクの見立てだと攻撃力順位はクラリスさん、セレナ、アイリス、よく分からないのがリンゴで四天王の人たちも攻撃力はボクより強そう。
ボクが勝ってるのって不死身なとこだけだよねえ。エリクサーどばどば出せるし。攻撃力は低い。物理攻撃力は高いかなあ。まあそれはおいとこう。
「おっらあ!」
「ぐぼあ?! き、貴様、風圧だけでどんな威力を出している!」
「ダウンバースト(十トン)くらいかなぁ。あ、レベル上がってるからもっとか。推定二十五トンくらいだよ。大したことないよ」
「それメイスの一振りごとにだよな?」
「そうなるねえ」
「ば、化け物め」
「うるさいよ悪魔。黙らせてやろう!」
全力で振ったら隕石と変わらん。さあおいで。地獄をおごってやろう!
「ひ、ひえ」
「どうした上位悪魔ぁ!!」
「僕もう悪魔やめるううう!! というかこいつが悪魔じゃないのおおお?!」
「失礼な! もっと地獄をおごってやる!」
味方には勇気を、敵には地獄をおごる、ボクほどの救世主はいないよね!!
「自分で言うな! つか死ねえええ!!」
ものすごい炎に包まれたけど、残念だけどこの程度じゃロンさんの指輪の防御力も貫けないし実は自分でも防御アイテムだの買い集めていたりする。だってボクめちゃお金持ちなんだ。毎日パンを何万も売ってるんだからね。正直十日で家が買える。だからブラックすぎなんじゃ!!
「はい、平気」
「ば、化け物にもほどがあるだろお……」
「失礼だなあ、女の子だよ?」
「すごい無理がある」
「失礼だなあ、女の子だよ?」
「くそ、どうする、アークデーモンを呼ぶか……。あっさりやられる予感しかしない!」
「はやく対応しないと君も死ぬけどね。デーモンなんて殺しても誰もとがめないだろうし」
「……僕もう悪魔やめるううう!!」
本当に不遇な生き物だなあ。オレンジお姉さんもなんでこんな生き物作ったんだろう?
『そもそも悪魔は人の悪意を裁くものたちでこいつらみたいなのは人間の悪党と変わらぬのだ』
理解した。殺していいね?
まあ戦争か。ただの。
だからボクはイヤだって言ってるのにい! とりあえずこいつはぶん殴る!!
「お前に殴られたら死ぬわ!」
「殺すが?」
おおおおおっ
「おっらああっ!!」
「ぎゃああああああッ?!」
死なないよ。タフだなぁ。苦しむだけな気もするけど。ボクダメージ全然受けてないし。ロンさんと結婚するべきか? いやだ好みじゃない。
(すごい失礼な波動を感じる?!)
ロンさんの声が聞こえた?! ロバとかスライムとたまに意思疏通できるからな……。そのレベル……。
(すごい失礼な波動を感じる?!)
まあコントは終わりだ。このデーモンもグレーターってレベルらしいけど、うーん、弱い! もっと鍛えてこい!
1キロくらいの距離を飛ばす特大ホームラン。顔面がミンチになっても悪魔なら平気かな?
「普通に死んだ」
「セレナはすごいなあ……あれ見えたんだ」
「まあね、私もレベル低くないし」
セレナは毎回万単位で敵を屠ってるからなあ。そういうわけでセレナはやっぱり天才だ。愛してる。
「やった」
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皆さんにもこれをおごります「おっらあ!」いりませんね逃げますね。




