マッドゴーレムアタック
ルーフィアは殲滅力は高くないですね。
なんか長雨が続いている。今は寒期だから雪が降っても不思議じゃないけど雨なんだよね。クラリスさんやセレナは魔法的な現象じゃないかと言っている。つまりランシンを魔法的に攻撃しているんだろうと。
んー。まあ周り敵だらけだしなぁ。
雨が止まないのでパン屋もお休みしている。はあ、のんびり。いやあ、仕事がないっていいなあ。幸せだなあ。湿気が強いからイチャイチャも少なくて楽だぁ。もうずっと雨ならいいのに。
「それでなぜうちに来てダラダラしているんだ?」
「冒険者ギルドのマスターが一冒険者に気軽に話しかけるのはどうかと思うよ?」
ボクは今は冒険者ギルドでダラダラしている。冒険者がパンや水飴を求めてくるからたまに出してるけど。
それで話しかけてきたのは中年で痩せマッチョな傭兵風のおじさんだ。ギルドマスターである。ボク、この人の名前知らないや。
「アレックス=ドゥーイングだ」
「初めて聞いたけどかっこいい名前だね!」
「私はサラティナです」
「受付嬢さんも乗ってきた! 可愛い名前だね!」
「私はセレナ=フランベルジュ」
「知ってるよ! なんでセレナまで乗ってきたの?!」
「私はアイリス=フェイルノートよ!」
「黙れ! 聖女め、キスしてやる!」
「はむう!?」
「アイリスだけずるい!」
「セレナもしてあげるわ!」
「うむふう!?」
「僕も」
「ハスター王子とはしませぇん」
「冷たい」
というかなんで王子が冒険者ギルドにいるのよ。放蕩息子か。国に帰らなくていいの? 継承権もうキミにしかないけど?
「ルーフィアがいるところに我ありってね」
「上手くないわやめて帰ってよろしくてよ」
「冷たい」
まあボクら休日はこんな感じで過ごしているんだけど今日は違ったんだ。騒動って安息の日々に起こるんだよねえ。
「……マッドゴーレムが群れをなして押し寄せてきた」
「どこから? 何故に?」
「ソックセンからだな。術師を手に入れたか?」
「マッドゴーレムはそれほど難しくないが土術に関連するスキルがあれば作れるはずだの。しかし大群となると、奴らの精霊術が新たなステージに入ったと見なさねばなるまいな……」
「リンゴもできる?」
「余裕でできるがマッドゴーレムではなぁ……それほど強くはないからな」
どうやら弱いが鬱陶しいだけの敵のようだ。まあ押し寄せてくるので戦わざるを得ない。
「じゃあボクが出陣するね、ギルド長」
「助かるが、気をつけろよ。お前たちランシンの全住民に好かれてるからな?」
「なにそれ重い!!」
有力な武将が前線に立つのが嫌われるのは負けたら全滅に等しいくらい士気が下がるからなんだよねえ。そうはなっちゃダメだよなあ。
ボクは軍略にも詳しいんだ!!
ボクが詳しくないことなんてないからね!!
頭は良くないけど。
まあそういうわちゃわちゃはもういいや。城壁の外にマッドゴーレムの大群が来ていて、冒険者たちが苦戦している。マッドゴーレムは倒しても簡単に蘇生する。冒険者たちが泣きっ面になっているのも仕方あるまい。苦しそうだ。ならば。
「ボクが勇気をおごってやろう!」
こんな泥沼の戦場ではボクも持つかはわからないけど。
「おおおっらああああああああッ!!」
メイス一振り一千体! おっらああああああ!!
『うおおおおおおおお!! すっげえええええええ!!』
仲間の士気が上がったらしい。良かったな。
しかしマッドゴーレムはどんどんよみがえっても来る。……つまらん奴らだ。
「おおおおおおおおおおおおっらああああああああああああああああああああああッ!!」
何万体泥人形作ろうが関係あるか。消し飛べ!
「な、なんでこんなに作った泥人形を軽々しく消してくれているんだ?」
「おや、ボスが出たね」
「ほざけ! 跪け! 我はニターナ王国第二王子チェダーであるぞ!!」
「もう追放されたって聞いたけどー?」
第二王子がもう攻めてきたのか。ブレアの研究は思ったより進んでるのか?
まあ、倒すが?
仲間の冒険者たちがずいぶん苦しんでる。
「お前たちにはいくらでも、勇気を、おごってやる!」
ボクは彼らに好きなパンと水を、酒でも、おごってやる!
勝利するために!
「ぐうおっあああああッ!! 貴様らこの国の王子に逆らってただで済むとおもうなよおおおおお!?」
「知るかあああああ!」
ボクが先陣切って殴り込むしかないよね。
……ボクただのパン屋だよお……。ひどくない?
だがまあな、味方の冒険者たちが傷つくくらいなら。
ボクが行く。
「おおおおおおおおおおおおっらあああああッ!!」
ぱしゃん、と水が弾けるようにマッドゴーレムたちは吹き飛ぶ。
怖がられるかと思ったけど味方は安堵の表情や勢いついた表情で包まれている。みんながボクが無理して戦ってるのを理解してるのかも知れない。ボクは戦い嫌いだからね。でも、傲慢だから。
仲間を死なせるくらいなら、傷つけるくらいなら、敵を殺す。壊す。消し去る。それがボクだ。傲慢だ。
「愛すべき傲慢に力を貸してやろう」
「魔王様?!」
「光術:根絶の光」
……この人本気で強すぎるんだけど。目の前に万はいたマッドゴーレムは一発で消えた。ボクにもそんなことできないんだが?
「攻撃系スキルじゃないのに……まけない。炎術:絶対炎獄」
セレナもパワーアップしてる!! すげえ!! 万を超える敵を焼き尽くすって簡単にやらないで?!
ボクの戦力なんてショボすぎるよねえ。この二人と比べたらダメかも知れないけど。
「そもそも一対一ならこの世の誰もルーフィアには勝てないと思うが? 我が夫はレベルが高すぎる」
「そもそも下手なダメージはエリクサーを外がけであっさり治療される」
「「無理だ、勝てない」」
いや、そんな、そこまでじゃないと思うけどね。セレナとクラリスさんには勝てないよ?
いや、さすがに魔王や魔女には一撃でやられそうだけど、そういえばロンさんに防御の指輪もらってたわ。一撃では絶対死なないと思う。
あれ? 実はボク無敵?
まあ単騎で戦争勝てるなら世の中とっくに平和になってるけど。うちは単騎じゃないか。
ん? 魔王、魔王女、聖女、魔女、アンデッド勇者、災厄スライム、無敵ロバ、ゴリラの群れその他……。ボクら負ける要素あるのかな?
まあ泥人形たちを蹴散らして、ボクらは第二王子を捕縛したんだ。ニターナ女王国に送っといた。親切だね!
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なかなか評価されませんね! ミーヤちゃんに出陣してもらわなければ!
「ごろりんこ」
なんか久しぶり!




