平和ってなんだっけなー。
日常が一番ルーフィアを殺しに来ます。
魔王国、と言うか火の四天王バーナンとニターナ王国の戦争を終わらせたのでボクらは帰ってきた。
ボクはいったい何者なんだ。自分で困っている。迷っている。苦しみ悩み悲しんでいる。スタイルでもコントでもない! マジで!
「店長、イチゴショートケーキワンホールお願いします!」
「カツサンド五十個です!」
「パン屋だった!!」
本当になんなんだよお。戦争じゃ英雄扱いされてものすごい額のお金が戦費としてニターナ王家から払われたけど要らないよお!! ボクはパン屋ももうやめたいよお!! なんで英雄とか女王とかにしたがる、ってなんで女王がパン屋扱いなんだよお?! 女王イヤだってばー! 救世主パン屋とかもうやめてー! 忙死ぬ!
「我もルーフィア=カエデが何者か分からなくなってきたのだ」
「リンゴだけはその名前で呼ばないで!! ボケすぎだよね!!」
「諦めるのだ。これはコントではなくリアルなのだ」
「いやああああ?!」
ボクは絶叫芸よりも丁寧なコントをしたい。……コントしたくなかったわ!! コントじゃなかったわ!! なんでいきなり女王になった?!
「チョココロネ二十個ください」
「トマサラサンド三十個」
「…………なんだろう、ちょっと幸せを感じる。ボクはパン屋で良いんだ……」
そりゃ戦場で相手をぶん殴ってるよりこっちの方がいいよ。ただもうパン屋も辞めたいけど。絶望的に忙しいし。
ニターナ王家との確執が終わったとは言うけど実は王子二人どっかに潜伏してるしね。絶対テロリストどもと合流してるというのがみんなの読みだけど、してどーすんだって意見もある。王家にそのままいた方が戦費も戦力もあったはずなんだ。
つまりは拐われた可能性の方が高いんだよね、ただボクらがスージー殿下を連れてきたように上手いこと乗せられた可能性もある。つまりは遊び歩いている。
無理やり戦わせるにしても王家から連れ出す意味がないんだよね。……いや、新書派を潰すには良いやり方だ。つまりはそういうことだったのか。ブレアたちは本当に敵か味方か分からない。原典派同士ではあるんだけどテロリストだし。でもボクらも勝手に国を作ってしまったからテロリストとあんまり変わらない。
どこがずれてるのか分かんなくなるよ。まあ敵対してるのは間違いないんだけど。ボクらが守る人たちと人を守らないテロリストって差があるわ。そこがずれてる。
あいつら壊したり殺したりしてるだけだもんな。原典の名前出してやってるのが質が悪い。許せない。そういった話なんだよなぁ。
ちなみに女王様は政治的な不利を見て原典派を宣言した。テルナ様だっけ? スージー殿下とは血が繋がってないはずだがおっとりな人だ。厳密には親戚らしい。公爵家のお姫様だったとか。公爵ってほとんどは王家の親戚だからねえ。わざと王女を輿入れさせて公爵にするケースとかあるからなぁ。それでテルナ様は実の息子たちの追放と旦那である国王の幽閉までまとめたらしい。……スージー殿下は怒らせたらダメだな。
「ルーフィア、かあさまが問屋のサンドイッチが大量に売れたから足してほしいらしい」
「ねえ、魔王の娘としてそれで良いの? ていうか魔王様それで良いの?」
「なにがだ、クリスタルガラスを作れるようになったから高級品をたくさんさばいておるが?」
「いや、それ王女様の仕事なのかな……」
「……スージーなんかアルバイト店員しておるではないか」
「させてたわ! ひどい扱いだけど本人喜んでるんだよねぇ……」
あれ、ボクも女王ならみんなもう働かなくてよくない? 市民とふれあう王族っていうとなんか暖かい国をイメージするけど「ジャムパンのストックも切れたらしいぞ! 一万ほど用意するのだ!」ただの奴隷である。パン屋奴隷。カエデ市の倉庫に戻ってパンを補充した。
普通に商売した方が楽しい。でも問屋も食料問題の解決にはなっててボクの目的、飢えの根絶を考えると悪くないんだよなぁ。まあね、まあね、努力しないで結果なんて出ないからね。ブラックでも頑張るしかない。つか誰か手伝えや。
「我は全く関係がない魔王なのになんで問屋やらされている?」
「感謝しております魔王クラリス様」
「なんか気持ち悪いこと言うでない! 感謝感じない!」
いつものんびりしてる魔王クラリス様がキレだした。まあ働かせ過ぎである。ねえ、ボクらもう働かなくても良くないかな?
平穏がほしい、平穏が。魔王様と魔王女様と聖女様と魔女様とアンデッド勇者様と王女様との。多い。しかもなんかみんなスゴい。
あ、明日定休日だ、やったー。なにしようなにしよう。
「我らとイチャイチャするのだ」
「ボクも体力無限にあるわけじゃないんだけどなぁ……。良いんだよ? 気持ちいいし楽しいからね。でも永遠に忙しい気しかしない」
平和ってなんだっけなー。休みまで忙殺されるのって平和なのかなー。そうだ、明日はみんなで寝て暮らそう。それが良い!
「ふふ、やっと我が夫とのんびり過ごせる」
「なんで魔王様グイグイ来るの?! やめて!」
「なんか冷たい?!」
「我もー!」
「はい、魔王女様」
「なんか冷たい?!」
「私ともそろそろイチャイチャしなさい!」
「はい、聖女様」
「なんか冷たい?!」
「じゃあ私が暖める」
「はい、魔女様」
「だめだ私ですら暖められない」
「疲れて、しまってますね」
「ボクもアンデッドになって良い?」
「私は、好きで、アンデッドしてませんが?」
「エリメータさんが冷たい。触れるとちょっと気持ちいいけど」
「私もイチャイチャします!」
「スージー殿下なんで混ざってるかなぁ。大国のお姫様なのになぁ」
「冷たいですぅ!」
「僕も混ざろうかな」
「無理やり気味にネタを突っ込まないでハスター殿下!」
「冷たい」
もうこの世界は氷河期だから全体的に冷たいんだよぉ。今はさらに冬だしね。
「さすがにルーは上手いこと言う」
「セレナが暖めてくれても良いのよ?」
ボクほど暖かい人物はいないと思うんだ。ハスター王子以外とはイチャイチャするし。
「冷たい」
「まあ王子様は他所からお嫁さんもらってきなさい」
「冷たい」
「私はあきらめて?」
「冷たい」
「ボケ倒しはやめるのだ!」
「リンゴも冷たい」
「我はリンゴシャーベットではない!」
「私もアイリスシャーベットになる!」
「なれないから! そのパターン何回やるの?!」
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アイリスって本当に天才ってやつですよね。利口だけど馬鹿という。




