ハスター:計画2
ルーフィア強すぎ問題。
はあ、ルーフィア殿、強すぎんだろ。なんだあれ。一騎当千とは言うけど本当に一騎当千の人間なんかいるかよ。いたよ! ツッコんじゃった! いや一騎で万は殺せるからねキミ?
えー、ルーフィア殿、強すぎるだろ……。物語なら敵対されることを恐れて国とか暗殺ギルドとかが殺しにかかるレベルなんだけど? 隠しもしてないよね。……なんだろ、殺せる気がしない。兵隊では何人ぶつけても無駄。隕石や地震は誰も倒せない。そんな感じ。
まあ炎の魔人が弱かった感じもしたんだが。魔王様いるじゃん。聞いてみよう。
「火の四天王バーナンか。あれはな、ものすごく弱いぞ。百戦百勝だからな」
「とてつもなく強くない?」
「お前はアリを百匹踏んで百戦百勝したーって言ってる奴がいたらどう思う」
「やんちゃなお子さまですね」
「奴だ」
「マジか?! どうして四天王?!」
「おまえさんはさ、強い四天王集めたいのか」
「普通に強いの集めない?」
「毎日命を狙われるのに?」
「魔族事情か! さすがにわかんないよ」
「まあ、戦うべきなのはわかるだろ。我はとても孤立しているのだ。魔王などと呼ばれて」
「なんで魔王になったの?!」
「…………殺した親が魔王ゆえ結果として呼ばれたから?」
どんだけ強いんだよ! まあ、コント、魔王でしたー。面白くないよ怖いよ悲しいよ笑えないよ。
「まあ四天王の水、風、土は性格がいいから、強いけど入れた。火は全部が全員荒いんだよ。強いのはいるんだが」
「火は強そうだねぇ」
「我の光でなぜか死ぬ」
いや本当に魔王クラリス強すぎるね! 国が滅ぶ程度に強くないと魔王と呼ばないってことだ。……なんでルーフィアの恋人なの?
「可愛いじゃないかあ!!」
「はい完全に同意い!!」
なんの戦いだよ。好き好きルーフィアみたいな頭の悪いタイトルで歌を吟じたくなるわ。ルーフィア愛歌い合戦か。楽しそう。
「敗けはせぬ!」
「リンゴちゃん、来ちゃったー!!」
「僕はリンゴちゃんも好きだよぉ?」
「キモいわ!! 二人とも誰だよ!! かあさまとハスターだよ! もっともっと愛らしくなるがよい! なにキャラだ!!」
……僕はルーフィアじゃないんだが? 僕のこの性格からしてルーフィアといとこな可能性大だよなぁ。いとこは結婚できるねえ。結婚したいなぁ。
別にそんなのは関係ないんだよなあ。
僕はそういう感情は姉上だけにしか抱かなかったのに((変態だー!!))ん?なんか数人の、ん? 数千人くらいの声聞こえなかった?! 誰が変態だ! スージーお姉さまが可愛いだけだが? なんかルーフィアの口癖うつった。だからな、そうだったのにルーフィアには恋心を抱けたのです。
まあ、僕はルーフィアが好き。なんか魅了スキルもってんの? そんなのではないよね。民のために好きな人を殺す、そんなことできる人いる?
それも力ずくで置いておくとして。メインの話!
「ねえ、ハスター王子。ボク、君に聞きたいことあるんだけど」
なんかルーフィアに話しかけられた。可愛いなあ。うーん、やっぱり可愛いわ。好きだなあ。
だが正直に言おう。彼女の直感が怖い。ダイレクトに答えを持ってくるんだ。絶対に分からないところを突いてくる。まあ向こうには僕は腹黒に思われてるんだけど。
「たかだか十人で国は起こせないし、そこに平民を混ぜたらボクは怒るけど、……たかがそれだけで戦えないんだけど……。兵隊をどこから集める」
「見破られたか。君すごいね? ボクは絶対証拠は残してないのにどうしてわかったんだい? でもキミの認識は甘いんだ。平民だって自分が大切なことには毎日命を懸けて戦ってる。僕の善意も悪意も関係なくね。君は水が流れないのが幸福だと思う?」
「説明はいらん。常識で考えてるだけだ」
不自然だろうが。それなら人間もゆったり流れていくのが自然。知恵があるのもないのもそいつ自身の能力だ。ルーフィアは天才だしな。
水が流れないのは困るが流れるのが普通なのはそういう事象があるからだな。流動するのが運命なんだ。
「これだけは言わせてくれ。平民にだって王にだって自分の命をかけて生きる義務がある。戦う義務が。生きるために」
「同意してやろう。それが貴様の主張ではないように思うんだが……」
「……」
なんて優しいんだ。なんて優しいんだ。そこに気づくなんて。やはり
「奥さんになって!」
「今の流れで?! 無理です!!」
「どうして?」
「好きな人が、いたから」
僕は、一応一連の事件の調査をしてる。
逆に聞きたい。なんでいきなり好きな人を殺した? いや、現場にいたリンゴ魔王女はすぐに分かったらしいのに……。
「好きな人と、たくさんの命を天秤にかけただけだ。それ以上しゃべるな」
……僕は、記者じゃないぞ。くそ、完全に地雷を踏んだ。
「近くで地雷を踏まれたらボクもふきとぶよ?」
ぷぷぷぶぶふぁ!! いきなりネタを挟むなよ! はあ、上手いなあ。
優しさだな。彼女は傲慢で豊穣、優しさの女神。……たくさんの人を守るために愛する人を一人殺す。一口に言っても無理だろ。誰ができる、そんなことできる。……人類愛が深すぎる。
はあ、及ばないよ、君には。年は一コ上だった。お姉ちゃん増えた~。
「キモいわ!!」
えー、ルーフィアお姉ちゃん。
「無理ですう!!」
まあ、かるーくその気持ちも及んで見せるよ。僕だってわりと傲慢なんだからね。お姉ちゃんじゃないなら奥さんだ。力ずくなんて勝てるわけないだろ!
あー、楽しみだなー。来年はどんなスキルがもらえるんだろう。
ああ、質問に答えてなかったね。ボクの用意できる軍は国軍含めたったの二十万ぽっち。貴族の協力者が何人もいるんだよ。原典派って少なくないから。僕の主体じゃないけどね。
「やっぱり使いっぱしりか」
「言い方気を付けようねえ?」
「冗談だよ、腹黒まっくろ王子様」
「言い方気を付けようねえ?」
安心していいよ、僕の、僕の、愛しいルーフィア……と、お姉さま。リンゴはデザート。
「台無しだよ!!」
冗談だよ、アイリスとかセレナも好きだよ?
「ボクをハーレム要員にするでない!! 浮気もイヤだし本気もイヤなんだってば!!」
はあ、キミを妻にする計画だけはいつまでも成立しそうにないよ。でもほんと、キミってすごく可愛いよねえ。
「毎日ゴリラ使ってるからね」
「意味が分からないよ?」
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