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ボクの領地が爆発したんだ

 60話まで来ました。有り難うございます。



 最近ボクの近くがすごい騒がしいんだ。カエデ村周辺がボクの領地とみんなに認められてきたのが大きいんだけどそうじゃなくってね?


 なんかね、魔物がテイムしていないのに集まりだしたんだ。ゴブリン二千とか狼五百とかオーガまで百とかゴリラも増えたんだ! 五十匹くらいミドリちゃんが連れてきちゃった!


 アルラウネもなんか三百体とか来ちゃって! オークとか呼んでないのに五百くらい来たし、ミノタウロスとかリザードマンとかなんかドラゴンとかも来てるの!!


 フィーバーになってるの! フィーバーになってるの! なんなの?!


 まあ一番問題なのは魔王様がここにいることだ。


「すまぬ、愛しているから許せ、キスするか?」


「するけど許さぬ」


「ルーは傲慢だからいつもきついな」


「なら愛するな」


「するが?」


「どちらが傲慢か分かったものじゃない」


「そのプレイやめない?」


「魔王様もそう思う? ボクもキャラじゃないなーとはいつも思ってる。クラリス魔王様は柔らかくて好き」


「ならやめるのだ!」


「リンゴもおはよう。ちゅー」


「なんだ、この現実逃避にちゅーされた感覚は!」


「まあ事実」


「チューするわ」


「ちゅう」


「わ、私もよろしいでしょうか」


「私もお願い致しますわ!」


 え、とね、えー、とね、えっとね、なんなの?! 魔王族とか聖女とか魔女とかアンデッドとか王女がこぞってキスしてくる環境っておかしくない?! 気持ちはいい。多いんだよ!!


 ミドリちゃんがニューファミリーのゴリラ一家を連れて美容師に来た。きゃるん。一気にゴリラ増えたけど怖いぞ。でも全部美容ゴリラってすごいな。どこにそんなにゴリラいるの? まあ逆にミドリちゃん一人でこのハーレム全員賄うのはきついよね。ボクいつの間にハーレム認めたんだろう?


 だからそれもおかしいと言っておろうがああああああああ!!


 ボクは傲慢なのにやられたい放題だよぉ。


「我は強欲なので気にならぬ」


「リンゴって強いよねえ。さすが自称魔王」


「我が世界を手に入れて半分をルーに渡す予定ではあるな」


「魔王ムーヴ別にしなくても良いよぉ。クラリスさんも半分くれるっていつも言うし」


「魔族ジョークなところがあるから気にするな」


「ツッコめるところにはツッコミたい。ボクはツッコミが切れると震え始めるんだ」


「お主間違いなくヤバい病気だな!?」


「くそう、リンゴばかりツッコむ!」


 ボクよりリンゴがツッコミ向けなのは間違いないんだよねえ。まあそれは良いとして、なぜかカエデ村跡地に人が集まりだした。なんなんだろ。ボクの領地になにが起こってるの? 建物をどんどん建てて商売も始めてる。


「飢えることがない領地、人が集まるのは必然ね」


「セレナの分析いつも助かる。魔物も集まっちゃった。名付けはもう無理だけど」


 なんだろうね、名付け拷問。それはそれとしてさ、ボクが死んだらこの領地ダメになるんじゃないかな?


「王とはそういうものである」


「リンゴは王様好きだねえ」


「……たまに忘れられている気がするが我は魔王の娘。教育も受けておるぞ」


「ほんとだ!」


 そういえばリンゴが魔王国でどんな暮らししてたかさっぱり知らないしうちに来てから抱き枕になってる印象しかないわ!


「ひどいけどほぼ事実!」


 それで魔物と人間が共に流れ込んできて争いになるのかと思ったんだけど……。


「ぎゃぎゃぎゃ!」


「ゴブ太郎さんは商売上手で参るなあ!」


 なんで言葉も通じてないのに普通に仲良く商売とかしてるの? オークの狩人が人間のハンターと猪肉を焼いて一緒に仲良く酒を飲んでたり……。あれ、魔物ってなんだっけ?


「我は魔王だしな」


「うん、なんかそれはもう諦めたというか」


「そもそも魔物だから知恵も理性もないなんてのは新書派の言い分で原典では草木も魔物も人族も魔族も等しく神の愛する存在とされていたはずだが」


「そういえばそうか。じゃあこの状況が正しいんだね」


「お主のパンと水のシンクロ能力も疑わしいのだが」


「やめてクラリスさん、それボクは怖いの」


 変な病気みたいにボクのコント癖が移っていってニターナ西はお笑い王国みたいになってるから。そんなつもりないから!


「本当に望まないくせにハーレムは作るしコントはやるのだな」


「魔王様助けて?!」


「キスする?」


「それはもういいですそれもやめてください頼みますけっこうきついですでも好きは好き」


「可愛い」


「ところで建国宣言をいつするか話し合いに来たのだが」


「来たなメルフィーナ子爵!」


 なぜか絶妙なタイミングでリアルで真面目な話を突っ込んでボケに来る!


「その話し合いのためにハスター殿下も連れてきたんだが」


「うちにあがろうか。さあおいでリアルな世界」


「疲れきってるな?」


「大丈夫かい?」


 いや、さすがにさあ、人口爆発した土地の領主なんだから疲れるよ。ボク村長扱いされてたと思ったらあっという間に町長でそうかと思えば市長と呼ばれ下手したら女王にされてしまいそうでちょっぴり泣きそうなんだ。ボク傲慢なのに!


「みんなに女王になれ愛されろと言われても断り続けてるんだから立派に傲慢ではないか?」


「勘弁してよクラリス魔王様。そもそも魔王すらいるのになんでボクに女王やらせようとするの? リンゴも魔王になりたいんだよね?」


「すまぬ、皿とコップを作りまくって問屋に入れていたから話を聞いておらん」


「忙しくしてごめんね?!」


「ハチミツと水飴と蒸留酒を入れる瓶は用意した」


「殺しに来てた?!」


 ボクも忙しいんだよ!! ちなみにクラリスさんとコントしてる間もサンドイッチやハンバーガー出してたりする。なにキャラなんだボクは。


 まあいいや。パンを出そう。そもそもなんでボクのスキルは魔力不使用なんだか。助けられているのも大きいけどそのせいで仕事も山盛りになってるんだよなぁ。


 最近ではボクの商品を同じ土地で売ってしまって商戦が起こって一時原価割れとかで商売してる人がいたらしいけどボクのせいで損させるのは忍びないよぉ。意味ないし。ボクはみんなに豊かになってもらいたいな。傲慢の前に豊穣でもあるからね!


「ハンバーガーください」


「まだいたのメルフィーナ子爵。だからなんで買い出しなの? ハンバーガーを積んでやろう」


「有り難う、代金だ」


「なんでこの人まともなことしか言ってないのにボケてるんだ……」


「ところで建国宣言をいつするか話し合いに来たのだが」


「そうでした!」






 面白いな、って思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価は☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします! メルフィーナ子爵がボケますから!


「……豆乳を投入」


 頑張った! メルフィーナ子爵は頑張った!



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