旅の始まり!
やっとこの物語の重要なポイントであるスキルの話になります。応援してください! バートをハゲにしますから!
セレナとしばらくイチャイチャしてたけど買い物を終わらせて帰った。家は燃えたので帰れないけど明日は旅に出る予定だから宿を取ったってたいしたダメージはない。治癒魔法の練習をすることにした。目指すは欠損回復だね! ……なんだろう、なんか無駄になる気がする。まあ普通の基礎治癒くらいは使えるようにしておこう。
あー、アイリスとお話できなかったな。アレスやバートたちもやっぱり王宮に行くらしい。勇者スキルと賢者スキルだから?
聖書原典は無視するんだね。スキルは平等なのに。本当に女神様怒りそうだよ。スキルに貴賤なし。これって実は重い文言なのかも知れない。これは新聖書にも残ってるんだけどなぁ。今のカリン教大丈夫なのかな? 教団の意思というより王家の意思なのかもしれないけど。
まあボクごときが口を出すことじゃないか。そのうち誰か解決してねー。なんか盛大に巻き込まれるフラグみたいだけど。
セレナが買い物の際に指輪を買ってくれたんだ。なぜか赤と青の石の二つ。セレナとアイリスの色だって。二人はボクの奥さんらしい。ボク女の子だよぉ。まあ誰かの奥さんになる予定ないからいいけど。同じものをボクの髪の金で二つ買ってあるからセレナとアイリスが一個ずつ着けるんだって。え、マジで婚約?! 嬉しいけど照れるけど女の子同士って貴族の奥さんたちはあるらしいけど! ボクは平民だし! まあ嬉しいんだけどね。この町の男たちアレスみたいなのしかいないし恋人は考えられないから、ごっこ遊びみたいなものだし、いいかな。
一晩宿に泊まって治癒魔法の練習をしつつ、色々とこの町で起こったことを思い出していたけど、アレスたちにいじめられたことやアイリスに男の子だと思われていた上に好かれていたこと、女だとバレてアイリスが大泣きした挙げ句開き直って女の子でも好きって言われたこと、セレナは最初から女の子だと気づいてたけど好かれたこと。これは意味不明だったけど。セレナだしなぁ。
セレナはかなり頭がいいしよく出会ったのは図書館だし努力家だけど、感覚的なものは常人に理解できないんだよね。チョコレートをホットミルクに溶かして新しい飲み物を作ったり。セレナが作った新しいものは数知れない。
アイリスがボクを好きな理由もあんまりわからない。どうも魔法を失敗したセレナをすぐに背負って駆け出した辺りで気になったらしい。その頃は男の子だと思われていたんだよね。
女だと知られたのはたまたま大衆浴場で鉢合わせたからだけどそれまで数年かかったんだよね。貴族なのになんで大衆浴場なんか来たのかと思ったらたまたま見つけて追いかけてきたらしい。最初は痴漢呼ばわりされて意味が分からなかったけどセレナはなぜか初対面からボクが女の子だと知ってたらしくアイリスは落ち着いて観察して事実を知って今度は泣き出した。
アイリスがあんな破天荒な性格になったのは少なからずボクのせいだと思う。
またいつか、会えたらな。アイリスは婚約指輪で喜んだりしたんだろうか?
そう思いつつ、ボクは慣れない宿のベッドで眠りについた。明日、ボクは、旅に出る。
翌日。わりと早くに目が覚めた。衛兵さんに捕まって昨日の火事の件を聞かれたら長くなりそうだ。バレないといいんだけど。貧民の顔をいちいち覚えてないよね? たぶん。
保存食とか着替えでパンパンのバッグを抱えて宿から飛び出す。お世話になりました。
そのまま表通りを駆け抜けて西の門を目指す。衛兵さんに薬草取りに必要だった冒険者ギルドのカードを見せて飛び出した。捕まらなかった。これで今日中に二つは村を越せる。まあそこまで好調には進まなかったんだけど。
途中で小川に差し掛かり、ボクは閃いた。パンと水のスキルを簡単にランクアップさせる方法がある。
このスキルは普通に使う分には魔力を使わない。だけど熱くしたりすれば魔力が必要かもしれない。検証もしてみないとね。
そう、魔力を使わないなら川に水を垂れ流せば無限にランクアップできるんじゃないかな?って思ったんだ。
なので、やってみる。すごく地味な作業になりそうなので大量に放出したいところだけど水害になりそうだからね。ちょっと増水するくらいで抑えよう。両手を前に突きだして心の中で「水よ、出ろ」と唱える。
どぼぼぼぼ、と、水を流す。掌より少し先に水が出現する感じ。濁った水だ。たぶん飲んでも健康に害はないけど美味しくもなさそう。ランクが上がればいい水やジュースやお酒、それよりさらにもっといい液体も出せるようになるらしい。
うん、普通に出す分には魔力はいらないみたいだ。温度を50度に上げてみる。ちょっと魔力必要かも? すごく微量。100度に上げたらけっこう減る。やっぱり常温じゃないと魔力は使うみたいだ。勢いを強くしても魔力が必要になるみたい。
常温でどぼどぼと水を出しつづけるとすぐにランクアップを知らせる音がなった。ちゃららーんって。まあなんの音か一瞬分からなかったんだけどステータスを見たらランクが上がってたんだ。今日はここで一泊していこうかな。たぶんランクが上がればもっといいパンと水が出せるはず。
名前 ルーフィア 種族 人族 性別 女 年齢 15
レベル 8
HP 45/45
MP 28/36
職業傾向 治癒師
現職 初級治癒師
神授スキル パンと水(魔力不使用) ランク E
一般スキル 治癒魔法 薬草鑑定 人望 種族スキル(人族)
称号 ユニークレジェンドレアスキル保持者 川の生物の災害 聖書原典オタク スキルオタク 本好き 薬草鑑定士
あれぇ?! 川の生物の災害ってなに?!
お湯を流したことで魚とか貝とか虫とかをいくらか死なせていたらしい。レベル上がってるし。
……簡単レベルアップ美味しい……とか思ってないよ思ってないよ!! 二回言ったけど!!
一人旅は気楽だけどツッコミがいないのは寂しいね。新しく出せるようになったふわふわパンを出してみる。ボクの小さい掌の大きさくらいのパンが出た。かじってみる。
甘い! ふわふわ! 晩ごはんこれだけでもいいくらい!
すっかり気分がよくなったボクはお湯を川に流しつづける。
パンを食べると体力が回復して傷も少し塞がるらしい。肌や髪の艶も良くなった気がする。水の方もコップに出して飲んでみたら美味しい綺麗な水で、魔力が少し回復した。
永久機関! って思ったけど、このスキルには最大の欠点がある。
すぐにお腹いっぱいになって食べられなくなるのだ。
仕方がないのである魔力の分だけ熱湯を流す。この辺りの生物はあらかた死んだのかレベルは上がらなくなった。まあスキルレベルもう一個上げたらいいか。……旅を続けよう。
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