オーガと冒険者
女の子ばっかりですね。全員でごろりんこしてもらいますか?
ドラゴンを冒険者ギルドで売るとまた大騒ぎになった。まあ仕方ないよね。これでボクもドラゴンスレイヤー!
……パン屋は辞めさせてもらえないみたいだけど。ドラゴンスレイヤーパン屋ってなにさ。ルーフィアドラゴンスレイヤーパン店店長、って長いわ!
「我はルーフィアドラゴンスレイヤーパン店店員にして看板娘のリンゴ=マーク=フィールディア」
「長い長い」
「ルーフィアドラゴンスレイヤーパン店店長宅のルーフィアダンジョンの居候にして恋人のセレナ=フランベルジュ」
「さらに伸ばさないで」
「ルーフィアドラゴンスレイヤーパン店店長宅のルーフィアダンジョンの居候にして恋人のセレナ=フランベルジュの友人兼愛人でやはり居候にしてルーフィアの恋人のアイリス=フェイルノート」
「ツッコミが追いつかない!」
「私も、ボケた方が?」
「エリメータさんにまでボケられたらもうツッコミ辞めさせてもらうから!」
「どうも有り難うございました~」
「なんで締めたのリンゴ!」
コントじゃないからね? 締めても終わらないから!
「人生が終わるまで延々ボケつづけろと?」
「いいから、ボケなくて」
「人生、終わりましたがボケても?」
「ボケないで?」
「仲良くてうらやましい」
「私たちもボケるのよ!」
「ボケないで? というかアイリス普通に話しててもボケだからね?」
「天然ボケちらかしおてんば怪力おっちょこちょい聖女とかひどいわ!」
「そこまで言ってないからね?」
人口増えたらやっぱり忙しくなるなあ。もうこれ以上人が増えたら町に送り返すしかないね。町にも店員が三十人以上いるけどね。その上でゴブたちの名前まで覚えてられないわ。
ゴブはゴブ吉に任せよう。非常食とライムとムバウ婆ちゃんで手一杯だわ。リンゴとセレナとアイリスまでいるし。エリメータさんも増えたし。
「ライバルが増えたし我も目一杯ボケねばな?」
「ツッコミに回れるのリンゴしかいないからね?」
「そんな、ボケのトレーニングを寝ずにやろうと思ったのに!」
「寝てね? そしてツッコミ頑張って?」
「仲良くてうらやましい」
「繰り返そうとしないでね?」
「私たちも」
「いいからね? アイリスは普通にしててね?」
「セレナ、ルーフィアが冷たいの。倦怠期かしら?」
「まず結婚してないからね?」
延々ボケつづけない。ボクもう旅に出ようかな。
って森がまた騒がしい。また変な人が攻めてきたのかな? これ以上人口増えないでほしいんだけど。
「エリメータさんを探しに来たのにこんなところでオーガが出るなんて!」
「森にできたっていう新しいダンジョンの魔物?」
「そのダンジョンの魔物ってテイムされてて人間は襲わないはずじゃ?」
オーガなんてボクテイムしてないけど。ひどい勘違いが生まれてる気がする。これは顔を出さなきゃ仕方ないね。
「こんにちは、冒険者の皆さん。そのオーガはテイムしてないからね?」
「ええ?!」
「た、倒さないと!」
「というかルーフィアさんがダンジョンマスターなの?!」
ボク顔割れしすぎだねえ? パンと水スキルの恐ろしさ、それは人気!
「ボケか現実か微妙であるな……」
「一応ね、手伝おうか?」
「お願いします!」
「また人間共が、我が前に群がり立ち塞がるか。無駄である!」
おお、喋れるんだね、まあオーガはたくさん食べそうだし仕留めておこう。水飴で溺れるといい。
「ごばあッ!?」
何分くらい持つかな。ひたすら暴れてるんだけど。危ないから水飴をプールくらい増やして浮かばせてみる。
ほっほっほっ、種族通り金槌かいな、オーガさん。まあ水飴じゃ誰でも溺れるけどね。救出したらテイムしそうね。
「す、すごい」
「甘い匂いもすごいけど」
「ビンに入れて持って帰れないかな?」
「オーガごと?」
いや、オーガ抜きの水飴売るよ?
商品増えすぎても困るけど、ビン詰めの水飴ならリンゴもスキル練習できるから良いかも?
「我の仕事が増えそうな気配がする」
「もともとコップとか売る予定だったじゃん。全然やってないじゃん」
「う、すまぬ!」
あ、そうこうしてるうちにオーガがやっと止まった。ちゃんと息絶えたかな? うーん、まあ水飴に浸かってるんだからもう良いか。その辺りに投げておこう。
『テイムに成功しました』……やっちまった。
「さすがルーフィアさん。巨人やドラゴンを倒しただけはありますね」
「しびれるぅ」
「憧れる!」
それほどでもないけどね。まあ今さらオーガくらいに負けることはないよね。普通に殴り倒した方が早かったな。まあせっかくのスキルだし使わないとね。テイムしちゃった♪
「パンとか水飴売ってもらえませんか?」
「そういえばお昼時ね。お願いできますか?」
「うーん、まあいいよ。リンゴ、準備してくれる?」
「はいはーい、テーブル、ビン、お皿!」
そういえばこの子たちなにしに来たんだろう?
「あの、エリメータさんというSランク冒険者さんが帰ってこないということで捜索に……」
「あ~。ちょっと帰れなくなっちゃったんだ。伝えておいてくれるかな?」
「え、もしかして亡くなられたり?」
「ちょっと説明が難しいかな~。本人呼んでくる?」
「生きてるのに帰れない?」
「死んでるっていえば死んでるのかなあ?」
「死んでる?! なのに呼んでくる?!」
あ、テイムしてるから念話で呼べるや。エリメータさ~ん。
「はい、主。ご用でしょうか?」
「あ、エリメータさん!」
一瞬で来たね!
「主?」
「うん? サイカ、ハンナ、ミリアか」
三人娘の名前が分かってしまったぞ。いっそう賑やかになりそうだね。
「実はうっかりドラゴンに殺されてしまってな。アンデッドになってしまったんだ」
「ええええええ?!」
「なのでな、帰るに帰れない。ギルマスにはよろしく言っておいてくれ」
「はあ。どうしよう?」
困るよね、Sランク冒険者さんがアンデッドって。まあ暴れたりはしないけど。うーん、やっぱり人間をテイムすると色々問題あるよねえ。
「エリメータさんは家に帰りたいとかあるの?」
「うむ、心残りはありますが……」
「じゃあ町に入れないか聞いてみてくれる? えーと、ハンナさん?」
「わ、分かりました。報告もありますので」
そうして三人は帰っていった。パンとか水飴をたくさん買って。
水飴漬けのオーガどうしよう。水飴は消していいか。テイムしてるんだよねえこれ?
「とてもとても、主殿に我が勝つ術無し。従い申す」
たくさん食べそうだねぇ~。ボク分かっちゃったんだけどテイムした子に、ゴブリンとか狼とか町の人とかもだけど三食食べさせてるから経験値貯まりまくってレベル上がりまくってバカみたいに強くなっちゃったんだよね?!
このスキルだけは絶対平等じゃないよ? いや、労力対価は平等なんだけどブラック過ぎるんだよ!!
名前 ダンロ 種族 ハイオーガ 性別 女 年齢 76
レベル 78
HP 38/2423
MP 816/922
職業傾向 守護者
現職 守護者
神授スキル 生命術
一般スキル 風魔法 強力 直感 乳母 質量軽減 種族スキル(オーガ)
称号 ルーフィアの使い魔 攻撃は最大の防御 守る破壊者 愛深き者 鬼子母神 水飴大好き
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