ドラゴンは食糧
アイリスは一応貴族です。髪型とか美容関連のことは召し使いにしてもらってました。
今日は朝から三人、四人?に、抱っこされて目覚めたが、ウォルイは一人に数えた方がいいんだろうな。ベッドになってるけど。
「素敵な夜だったわ」
「なにもしてないが?」
だめだ、やはりアイリスがいるとボクはツッコミになってしまう!
リンゴとの幸せなボケライフが!
「ちなみにボケられて迷惑被ってるからな!」
ああ、リンゴが冷たいよ! シャーベットのように!
「ボケるな! 誰がリンゴスムージーか!」
「そこまで言ってない」
「私もアイリススムージーになるわ!」
「なれない」
「二人増えて対応が追いつかないからセレナが短文でもツッコむの助かるわ!」
「うぬぬ、本当にルーフィアはツッコミだったのか。我の前ではボケるだけなのに!」
「なにそれうらやましい!」
「なにがうらやましいのかわからないよ?!」
やべえ、アイリスのボケが止まらなくて一向に外出できそうにない!
「美容関係のスキル持っている方がいるのね。朝の準備をお願いするわ。ってゴリラ?!」
「遅いけどアイリスがツッコミ入れた?!」
「さすがに美容ゴリラと肉を喰うロバはツッコむであろう」
「ロバは焼き肉で食べれる」
「うぉふぉ?!」
「いつも強気な非常食が怯えるのセレナくらいだよ……」
「お主がツッコミになるのもこの二人くらいだろう……」
「ボクは最初からツッコミ肌! ツッコミが切れるとおかしくなるんだ!」
「だからお主までボケに回ったら我だけでは追いつかぬ!」
はあ、まったく。三人がかりでボケられたらツッコミが追いつかないってば。
「我のセリフー!!」
まあお話が進まないのでゴリラ美容を受けたら出かけよう。
「ゴリラ美容……」
「ゴリラ美容……?」
「ゴリラ美容! すごい綺麗になってる!」
みんな戸惑ってるけどアイリスだけ喜んだ。アイリスって本当にこういうとこ天才だと思う。順応早すぎる。さて、出かけよう、と思ったけど今日はまた定休日だな。森の中でも散策するか。また魔物テイムしてもいい。
南のエルエーナの森はかなり広いんだ。アイリスはヒロインだ。スゲーつまんないダジャレだから思っただけ。
「なんでかお主の思ってることが分かるのだが?」
「パンの呪いみたいなのやめてほしい」
まあ愛を伝えるにはもってこいのスキルさ!
「ぐぎぎ……恨めしい!」
「大丈夫、ルーは私たちも愛してる」
「……なんでお主のハーレムになっておるのだ?」
「ボクが愛情深いからかな?」
「自分で言う奴はおらぬ!」
「いやー、ホントになんでモテてるのか分かんないし?」
パンと水の洗脳効果みたいなのはあるけどその前からこの二人にはモテてたんだよね。謎だ。
おっと、森の中に……死体が転がってる。ええええええ?!
「冒険者か?! ずいぶんと木が倒されておるな!」
「ボクがちょっと本気だしたくらいになってるね!」
「そう言われればそんなもんか」
「どれだけ強くなったの?!」
「やっぱりルーフィアはすごいのね!」
これはボクがやったんじゃないけどね。ドラゴンが暴れた感じだね。倒れてる人大丈夫かな? 死んでる? エリクサーかけまくってもダメかな?
ばしゃばしゃとかけてみる。
「体温が感じられない。死んでる」
「我が見てこよう……って起き上がった?」
『テイムに成功しました』
「人間テイムしちゃった?!」
「いや、アンデッドになっておるぞ!」
名前 エリメータ 種族 バンパイア真祖 性別 女 年齢 23
レベル 86
HP 2245/2245
MP 3020/3020
職業傾向 勇者
現職 不死者
神授スキル 気剣術 ランク A
一般スキル 聖剣技 吸血 操血術 種族スキル(バンパイア)
称号 ルーフィアの使い魔 不死者 勇者 倒れし者 蛮勇 神に近づきし者 帝国の英雄
うわっ、強い! アンデッドになっちゃった? エリクサーが効いたのかな?
「私は……いったい……。貴女は……私の主?」
「大丈夫? 死んじゃったみたいだけど」
「死? ……そういえば竜と戦って……私は敗れたのか……」
「竜?」
「どうもそのようです。不甲斐ないことに……」
その時、遠くから吠える声が聞こえたかと思うと、かなり高速でなにかが飛んできた。おお、なんか強そうだね! それは大きな羽根の生えたトカゲのような生き物だった。
『貴様、生き汚い人間め、不死者として甦ったか』
「ドラゴンだー」
『ゴミ虫が集まっておるな、まとめて我がブレスで焼き尽くしてくれよう!』
なんかいきなり喧嘩を売ってきたよ。なのでメイスで思いきり殴ってみた。アゴを下から上に~。がちーん。
『ぎゃああああああああああああッ!?』
一発で仰向けにひっくり返ったね。うーん、弱いよ? これでボクもドラゴンスレイヤーだね!
「やっぱりルーフィアは強いわね!」
「普通のドラゴン?」
「我の出番も無かったな!」
「……主はすごいのですね。あれはエルダーですよ」
エルダーってことは上位竜だよね。どれくらい強いのか分からないけどノーマルのドラゴンでAランク、レッサーでBランクがパーティーで当たるくらいだっけ。
ボクは一発殴っただけだからそんなにすごくないかな~。今のドラゴンが弱い奴だったんだよ。さあ、ドラゴンの素材剥ぎ取らないとね。
『き、きさま……』
「あれ、まだ生きてるね。剥ぎ取るから死んでてね」
『ぐっはあああああッ!?』
もう一発思いっきり横っ面を殴った。え、テイム? 大きいからたくさん食べそうだし嫌かな。むしろ食糧にしよう。ゴブがたくさんいるしね。ナイフで鱗削げるかなぁ?
うん、今度はしっかり死んでるかな?
「私の聖剣を使ってください、主」
「有り難う! でもエリメータさん、人間なのにボクにテイムされて良いの?」
「私が甦ったのは主の力ゆえ、構いません。人としての生は終わりましたゆえ」
どうやらバカみたいな魔力の塊のエリクサーをほぼ無尽蔵にかけたのが原因らしい。
人間をテイムってこっちが少し困るよね。自由にしてほしい。シャーマンのムバウ婆ちゃんや非常食が自由だしあれくらいは。まあそのうち慣れるかな?
セレナとアイリスも来たし人口増えすぎかも? まあ楽しくなりそうだし良いけどね。
それにしてもボクも強くなったものだよね。ドラゴン倒すとか。
「うーむ、ルーフィアはパンを売ったら売っただけ成長しておるのだな」
「ちょっと反則気味だよね。まあチートってことだよね」
というかどんだけパン売ってるんだよ。毎日数千個……みんなで一日一個食べるくらい食べてない? ランシンのまちの人口はけっこう多くて二万人は超えてるけど。
あ、なんとなく分かった。ボク人望スキル持ってるからそれが悪さしてるんだ。やっぱりスキル効果だよね~。
「ルーが頑張った」
「ルーフィアは努力家だものね!」
「主、仇を討っていただき、有り難うございます」
まあ良いってことよ! エリメータさんにもドラゴン持って帰るの手伝ってもらおうか。五人で仲良くドラゴンをさばいたよ。
まあルーフィアダンジョン人口はまだまだ増えることになりそうだけど。魔物も増えてるからね。
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