闘争という名の逃走
応援よろしくお願いします! ゴブたちが頑張りますんで!
敵は四人、冒険者のパーティー、おそらくランクはC以下。警告はしてやろう。我が家に踏み込むなら殺す。闘争って逃走だとは思う。まともに話し合うことから逃げてるんだからさ。まあ相手を知らないうちに殺すようなことは確かに嫌なんだけど。
ボクはまず話し合うよ? 殺すのなんて一瞬だから殺ってしまっても構わないんだ、本当は。
丁寧に会談して、逃走はそれからだ。ボクはとっても親切なんだ。風魔法、拡声。
『冒険者たちに次ぐ。貴方たちは当方の敷地に侵入している。直ちに退出することを望む。このままこの土地を荒らすならば法的措置として抗戦する。命が惜しいなら直ちにこの地を去れ。当方には敵対者を攻撃する用意がある』
ここまで言っても逃げないなら殺すかも。殺す? そんな温い処置はしない。死ねないことを後悔するほど痛めつける。口から唐辛子を突っ込んでやる。味覚を破壊してやる。ボクのスキルは伊達じゃない。
「はん、なめられたもんだなあ」
「ゴブリンに味方する、きっと悪に与する魔女なんだな!」
「捕まえて賞金をもらうでがす!」
「可愛かったら犯してもいいずら?」
「お前天才か! たっぷり楽しませてもらおうぜ?」
……どうやら死ぬ覚悟はできたようだ。どうも自分の実力も分からないらしい。ゴブたち死んでないし殺す気はないが、地獄を味わわせてやろう。我がスキル、パンと水の真の恐ろしさを味わうがいい。
「まあ我から行こう。お主に血など見せぬ。隠れておれ。奴らには岩の弾丸を死ぬほど食らわせてくれる。その後は一瞬で岩の下敷きにしてやろう」
リンゴちゃんわりと暴虐。
「リンゴ、殺してはダメ。人類に敵対してもなんともないから生かして帰そう。もし人類がボクたちの敵になるならそれも悪くはない」
「よいが、そうだな、我らに人の味方をする理由はないか、家族が守られるならそれで良い」
少なくともボクの友人とお客様たちを除けばほぼこの国の人類など半分は糞だ。味方する理由がない。ボクのスキルなら一生立てこもっていられるのだ。敵対するなら容赦する必要はない。殺しても問題はないが恐怖を教え込んだ方がいいだろう。二度と侵入してこないように。
とても美味しいパンをご馳走してやろう。かかってこい!
「落石から食らうがいい!」
リンゴによる先制攻撃。高所から足場の少ない城壁内に石の雨を降らせる。足を踏み外せば池に落ちることになる。その池にはとっても美味しいピラニアが住んでるのでたっぷりお召し上がりください。ああ、お召し上がられくださいだったわ。
「ぎゃややあああああああッ!?」
「げえ、池の中にピラニアが?!」
「やべえずら!! 落ちたらおわりずら!!」
「死にたくないでがす!!」
「もう逃げるの? もっと恐怖を見てからにしよう?」
ピラニアなんておまけみたいなものだけど? ボクの特別辛いマスタードを全身の穴という穴から注いであげるよ。死ぬより辛い苦しみを味わってみればいい。ちなみに冒険者が侵入した段階でゴブたちに城壁入り口を外から閉鎖させたので地獄を味わうまで帰れません。んー、ピラニアにみんな喰われちゃうかも? 生きて帰すつもりなんだけどなー。優しいからねー。ピラニアに食われるなんてしょうもないエンドはごめんですぅ。ちょっとかじられろとは思ってるけどね。実際ピラニアって臆病な魚だからそうそうかじられないんだけど。
「お主を敵に回すと本気でヤバいな」
「愛深き故に!」
「かっこいい! 惚れた!」
「ボクはモテモテさ! 女の子に! 女の子に!」
「血を吐くな! まあ男にもそのうちモテるさ!」
「あ、別にいらないや。女の子だけにモテたらいいね!」
「男はいらんのかい! まあ我が愛してやろう!」
マジで? うへへ。ボクって昔から冒険のために男装してたからか男の子より女の子の方が好きなんだよね。そのせいかアイリスやセレナに愛されてるけど。愛ってさ、とっても暖かいよね! 浮気じゃないよ! 浮気じゃないよ!
利用してるわけじゃないんだけどね? リンゴを愛していいのかな?
「え、いや、うん? なんでそうなる?! いいけど?」
「やったぜ!」
たださ、こいつらみたいな女と見たら犯すような奴らを殺す権利は女性にはあると思うんだ。精神的に。
マスタードの海で溺れさせてやる。お前たちの望み通りにな! 天国と感じたらそれは申し訳ない! 地獄を味わわせてやる! 毛穴さえ辛い超辛いマスタードの海だ!
「ぎゃあああああああああ?!」
「ひいえええええええええええええ?!」
「ピラニアに喰われた方がしあわせだああああああ!?」
大量のマスタードを味わうがよい! 穴という穴で!!
地獄より辛い目に遇わせるのは宣言通りだよ。ルビはつらいじゃなくてからいの気がする。
これで終わったと思わない方がいい。君たちがこちらの言い分を聞かずにあまつさえこちらを襲う気で来たのだから、
君らはボクたちを襲うと言ったのだ。逆襲されても仕方あるまい。お前たちのやろうとしていたことを思い知るがいい! 鼻の穴にも目にも耳にもマスタードを詰めてやろう!
ボクはパンと液体を自在に操作できるんだ。地獄のマスタードドリルを食らわせてやろう。快感にめざめてもらってもキモいんで手加減はしてやるが! すでに反応がキモいぞ!
「そ、そろそろやめてもいいんじゃないかなー?」
「愛などいらぬ!」
「やべえ、ホントに殺す気だ!?」
「ぎやっはあああああああっ!? たすけてええええええええええ!!」
「しぬがよい」
「いやあああああああああ!?」
「毛穴の一つ一つにマスタードを染み込ませてくれる!」
「いろんなあながしんじゃううううううう!!」
「キモいこと言うな!!」
「ぎゃひいいいいいいいいいい!?」
「キモいからこの辺りで許してやろう!!」
冒険者四人に地獄を味わわせた。一人ピラニアに食われたので治癒ポーションをおごってやった。泣きながら逃げていったがもう二度とこの地を訪れるでないぞ。
この地に侵入すれば地獄を味わうことは十分に知らしめられたことであろう。広告塔になってくれたら良いな!
え、接触してはいけない禁断の地? 二度と目覚められぬ悪魔の土地?
さすがにそれは言いすぎかな?!
さっさと代官様にこの地の自治権を認めてもらった方が平和的に解決するかもしれない。うーん、連絡先は冒険者ギルドでいいのかな?
明日は代官様にアポ取って面談するかあ。あんまり侵入者を拷問するのも良くないだろうしね!
平和的に問題解決しないかねえ。え、ボクが悪いのかな? きっと気のせいだね!
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