表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/167

襲撃!

 テイムしなきゃ! テイムしなきゃ!

 あー、さすがに疲れた。なんかハイになって魔力使って温かい飲み物出しまくったりした気がするな。バカなのかな?


 昨日は、明日の分のパンとして二十個持って帰らせた。名前考えとこう。


 今日も抱き枕で目覚めてごはん食べて、サラダ巻きパンでいいよね。ライムをカバンに詰めて夢と希望も詰めて、そんなものはない。あら、ベッドのパンはいつ食べたの? 分裂した? そう。ボクは悪い夢を見てるのかな? ライムが一匹ライムが二匹……ぐぅ。


「出かける前に眠るでない」


 あいて、チョップ痛い。ライム五匹は合体していつもライムになった。新種? いつも通りだね。あれ?


「大丈夫かお主……」


「ぐぅ」


「イビキで答えるな」


「あいたっ」


 行くよ非常食……。ふう、そうだ、疲労回復ポーションあるわ。ごくごく直飲み。ふう。あー、ちょっとマシになった。


「よし、もう大丈夫! 行こうリンゴ!」


「それは木だ。ポーションもじわじわ効くものだ」


 そんなフワフワした感じでうちのブース(戦場)にたどりついた。なにか文字に起こしたら変なルビが振ってありそうだ。そう、ここは戦場。ボクの武器はパンと水。


「きっと明日は来るよね」


「お前がボケるな」


「じゃあボケて」


「テイクオフ!」


「なんで飛んだの?! 飛べてないし?!」


「土と風は相性が悪いのだ」


「ボケて?!」


「無理に言われてもぉ~」


「ギャル?!」


「調子がでてきたな。さあ行こう、あの宇宙へと」


「いきなり壮大だな?!」


 行かないし行けない。でもホントに調子でてきたわ。ボクはツッコミ肌だな。さあ今日も戦うか!!


「リンゴパイ十枚!」


「ベーコンレタスサンド二十個!」


「バターロール十個を四セットで!」


「チーズバーガーのダブルを十個!」


 ……調子が出てきたなんて幻想だったよ?


「土属性のとっても硬いグローブで殴るぞ」


「いきなりバイオレンス?!」


「ザッハトルテ1ホール!」


「チョコクリームパン二十個!」


「ビール二十杯! ミーヤちゃんサービスで前転して!」


「嫌です」


「飲み物忘れてたわ、イチゴミルク十杯! あとシードル五杯!」


「どうやって運ぶのかと思ったらギルドの応援様がお盆で運んでるわ」


「よそ見をするな。キスするぞ」


「手順踏んで?!」


 そんなこんなで今日も乗りきった。幸いなことに固定客がまとめ買いするようになってペースが落ち着いた。と、思ったら。新規で貴族らしきお客様たちが行列を……あの昨日のマダムのせい!? しかもお行儀いいよ?!


「なにか高貴な飲み物はあるかね」


「カクテルならいくらでも、メニューはこちらです」


「用意がいいな!」


「ボケて?」


「貴族注文おせえんだよ!」


「絡まないで不良娘!!」


「美味しいケーキはあるかしら?」


「全部ウメえんだよ!」


「そのスタイルやめて?! えーと、メニューはこちらです」


「用意良すぎないか?!」


「ボケて?!」


 こうして貴族もさばけた。郷に入っては郷に従ってほしい。魔族ならきっとそうする。いや?


 このお客様たちもパンと水で洗脳されていくかも。ニヤリ。


「唐突に悪い顔?!」


「ボケがツッコミ続けるの?!」


「たまには出かけてみたいなって」


「忙しい夫婦プレイ誰得?!」


「ボケろって言ったあ~」


「すねないで?!」


 あ、なんでリンゴがこんなボケができるのかと思ったら、この娘が一番ボクのパン食べてたわ。ガチ洗脳してる?! あれ、一番はライムか。……ライム、まさかボケようとしているのか、貴様。


「いあ、いあ」


「いやいや、みたいに言うな! 口がないからボケづらいのね」


「怖いわね。全員戦闘態勢!」


「誰と誰が戦ってるの?! 明日は来るの?!」


 ダメだ、こんなものをもしセレナやアイリスに食べさせたらシンクロ率が高くなりすぎて溶けてしまう。


 幸いなことになぜかこの掛け合いは受けている。パンと水スキルのシンクロ能力がこええ。というかガチめの軍隊チートな気がする。シンクロ率100%の魔法一斉射撃とか真面目に軍隊向きじゃないかな。


 ちなみに掛け合いしながらもパンは出してる。ジュースとお酒は一度にタンクに出してる。不思議なことに炭酸が抜けないんだよね。


 まあ女神様のスキルだからね!


 今日はまあまあ慣れてきた。もうほとんどの町の人がボクに洗脳されて……いやいや、洗脳じゃないって怖いな。ただ、悪い奴らを一掃してからそういう手合いの話を聞かない。


 誰が配ってるのかスラム住民にも代官様にも配られているらしい。その結果町がどんどん一丸となっていってる。


 これはいいことなのかな? 個性を失っていたら心配だけどそうじゃないし。……あれ? なんかこういうシチュエーションも知ってるな。人類がポカーンってなるんだっけ? それじゃダメだそれじゃダメだ。


 後始末も終えて、やっと帰れる。移動用の乗り物買ってみようかな。そのうちドラゴンに乗って移動したり。非常食も乗ってたり。お前は走れや。


 ミーヤちゃんが華麗な前転を決めてこの日の営業は終わった。紳士たちにはバック転してもらおうかな。ロンさん頑張れ。特に見たくもなかったわ。


 あーあ、帰ったらまたゴブリンの名付けだ。今日はフルーツ二十品目で行くか。


 そろそろうちの洞窟だ、と思ったらなんか騒がしい。ゴブリンたち、昨日は大人しかったのに?


「おい、あいつら襲われてるぞ!!」


「はいい?!」


 本当だ! 狼が群れてゴブリンたちを襲って……ゴブたちが返り討ちにしてる。


「強くないか?!」


「おかしいね、でもだいたいパンのせい」


「諦めるの? スキルを愛してるって言ったくせに!」


「ああ、言ったさ、ってなにその茶番?!」


 ってゴブリンたちの統率力がいやに高いな?! 名付けたゴブリンがエサをもらいにきて戦ってるのか。四十匹を超えるゴブリンが一匹も欠けず完璧な連携で狼を追い詰めてる。レベルも少し上がってるし、ゴブ吉が司令官してる!?


 ゴブ吉が……え、なんでかどれがどのゴブ○なのかが全部分かるんだけど。怖い。


 しかし完璧に返り討ちモードだね。あ、いかん! 狼を確保!


『了解!』


 うわ、声が一斉に帰ってきた!?


「お、おお、なんという華麗な連携か。狼を生きて捕らえるゴブリンなど初めて見たぞ!」


 狼を逃がさないように囲み一匹に対して三匹以上で当たってる。人間じみた連携。圧倒的じゃないかな、ボクの軍は!


「行こう! まずは狼をテイムだ!!」


「なるほどな、乗り物にするのだな?」


「大きい狼だから乗りやすいかもよ?」


 待ってて狼ちゃんたち、ボクがテイムしてあげる!






面白いな、って思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!



 評価は☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします! リンゴがアクロバティックに空中三回転捻りくらいでバック転しますから! 誰得?!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ