ゴブリンが増えていく
このお話、実は人気?
応援してくれたらミーヤちゃんとリンゴがコラボで前転します!
ごろりんこ。
ゴブ吉歓迎パーティー会場はこちらです。テイムしてしまうと不気味って感じが薄れた。やっぱり戦闘の恐怖がちょっとあったのかな?
バクダファミリーは殺しに来ていたわけじゃないから怖くなかったんだろう。命取られるならやっぱり怖かったのかな?
ゴブリンの怖さはなにを考えてるか分からない怖さだよね。拐われたらヤバいし。
とにかく大皿にいろんなパンを並べていく。食べなきゃ美味しいかは分からないもんね。
サンドイッチ、あんパン、ジャムパン、カレーパン、ハンバーガーにピザパンだ。ケーキもあるよ。パンがあってもケーキを食べればいいじゃない。お酒やジュースも出しておこう。飲めなければ戻せるしね。
ゴブ吉はなんでも美味しいと感じてるね。そういえばステータス見てないや。
名前 ゴブ吉 種族 ゴブリン 性別 女 年齢 1
レベル 4
HP 25/25
MP 10/10
職業傾向 精霊使い
現職 無職
神授スキル なし
一般スキル 嗅覚 幸運
称号 ルーフィアの使い魔 拾い食い好き
……どうしよう。
ゴブ吉お前女の子かよ! 早く言えよお! 言えないよぉ! テイムしたらすぐにステータス見るべきだった~。改名する? え、初めての名前だから嬉しい? ひょっとしてみんな改名嫌いなの?
でもいい加減このパンと水スキルはチートだね。敵対しててもパンを食べさせたら大人しくなったりして。ゴブ吉も最初から大人しくて礼儀正しかった。どこで覚えた、パンで覚えた、ボクの知識から? ……それ無敵やん?
超チートだよ、平等じゃないよ、いや、ボクは信じる、他のスキルもボクほど鍛練したらチートになるんだって。それはそれで怖い。セレナとか遠くから火球テレポートさせて当ててきたりしそう。やるな、絶対に。もっとすごいことしてきそう。
ちなみにゴブリンではレベル5で立派な戦士なんだって。パンを拾い食いしてたら上がったらしい。……この宴会で立派な戦士が産まれるう!
お客さんの中にも食べれば食べただけレベルアップする性質に気づいた人いるのかも。それであの爆発的な売れ行き、あり得るなぁ。HPやMP回復だって誰かが気づいたら広めるよね。まあ回復量は微々たるものなんだけど。5ポイントくらい。いや、サンドイッチの具材によって変わる、とかもありえるよね。
試してみるにもステータスマックスだよ。そういえばボクまだダメージすら受けてないぞ?
ゴブ吉を送りだす時にお土産をたくさん持たせた。みんなに配るんだよ?
了解、ってイメージが伝わってきた。フラフラしてるな? 飲ませ過ぎたかも?
明日が楽しみだ。訂正。明日も朝から地獄だぜ。
翌日。
「バナナロール五つ!」
「なんのこっちはカツサンド二十!」
「まだまだこちらはジャムパン五十!」
「いっそ五百個ふわふわパン! 貴族街の皆に配って宣伝してくるザマス!」
数争いしないで~。すごいことになってきた~。オークションじゃないから~。五百個ってなに~?!
出しましたよ。ええ、滝のように。お付きの人が五人いたし台車も持ってたんだけど、あの貴族のマダムさん。最初から五百個頼むつもりだったのかな……。やべえ、マジ震えてきやがった……。
ギルドの呼んだ応援の奥様方が白目の下に青い縦線がいくつも入ったみたいな顔になってるう。みんなまつげ長いね。
震えてる場合じゃないや、てかお客さんも呆気に取られてるね。ハイハイどんどんさばいてさばいて。まいどあり~!
ああ、開き直ったさ。こうなったら貴族スペースとか作ってやる。ダンジョンの近くに店を構えたら通勤楽かな? ダメだ、お客がソルジャーになるイメージしかわかねえ。パン屋は戦場じゃねえんだ。帰ってくんな!
ダメだ、テンションがおかしくなってる。ああ、パンと水スキルがAになってるう。確認してる暇は無いよお!
……終わった。幸いなのは二時になったらみんなきっちり帰ってくれることだ。イートインスペースにはもうしばらくお客様がいるけど。なんでイートインオーケーしたのボク。休憩にイチゴミルク飲む。し、し、染みる~!
「敗残兵の顔になっておるぞ」
「タフだねリンゴ……最後お釣りが足りなくなりそうって言ったらお客さんが両替してくれたよね」
「持ち歩く量の銅貨ではなかったな」
「前に一回だけお釣りがヤバくて孤児院の子を走らせただけなんだけどなあ?」
お客さんの協力体制がヤバい。マジでテイムしてないだけの配下みたいになっとる。そのうちお客にデーモンや魔物が変身した姿で現れたりして、うっかりテイムしたりとかありそうだ。マジ震えてきやがった……。
いや、サキュバスとかの店員を増やしたら……さらに忙しくなるだけだよお!!
「一人ツッコミはやめるのだ」
「心を読むのもやめて?」
リンゴがボクのノリに馴染んできたよ。早くきてセレナ、アイリス。
そしてようやく帰宅。す、る、と、…………ゴブリンの行列ってみんな見たことある? ボクは初めてだよぉ?!
二十匹? いやもっと? ねえ、それ誰が名前つけるの? ボクね、はい。
はい、一列に並ん……でるね。争わない……ね。ねえ君たち町の人がゴブリンの皮被ってたりしない? しないね、するわけないね。しても入らないね。ボクおかしくなってきたよ、えーと、名前。ゴブエー、ゴブビー、ゴブシー…………ゴブゼット……次からどうする? あれ、なんかこんな小説読んだことあるな。
……ゴブゴ……ゴブジュー……ゴブゴサーティーンじゃなかったゴブサーティーン、疲れてきた。いや、あの主人公はもっと疲れてた。
あ、終わり? 早かったね。パンを四十個近く配ったけど仕事なら普通さ。……他に仲間がいるゴブリンは? あー、巣に五百匹くらいいるのね。
ねえ女神様、ボクのスローライフ返して。いや、スローライフだったの最初の日くらい? 返してもらうほど貯蓄がない気がするね。知らないけど。
ゴブリンが多すぎるのでこの場でパーティー開催だ。ほらリンゴも地獄のテーブル作り大会だ!
「うむ、ふん!」
「一発?!」
さ、差別だあ、スキルも差別あるんだあ……。いや、ボクの使い方が下手なだけだね。一発で出せばいいんだから。袋詰めとかは任せればいいや。譲渡は任せられないんだよなあ。
このあともたくさんのいろんな種類のパンをドバドバ出して、タライでお酒とジュース出して、ゴブリンたちはなぜか丁寧にコップで飲んでて、それなのにその数のコップもリンゴは一発で出して。
ボクきっとものすごく要領悪い人間だね。寝よう。
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「え、ボクもやらなきゃダメ? ……いや、できなくないけどそれほんと需要あるの? ……ごろりんこ」




