表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/167

アイリス:私の愛しき王子様

 怠惰の能力は「休んだら休んだだけ強くなる」とか「休みを妨害されたらぶちギレる」とかですね。たぶん。



 ヤバイやつよ! ボスってヤツね! セレナもリンゴも敗れてしまったわ!! まあ二人とも死んでないのは分かってるけど! リンゴはなんかお腹空いただけらしいし! 私って実は聖女だからね! 二人を魔力で手繰って回収しておくわ。……なんか暴力的な気がするけどいいわよね。私聖女だし。


 それよりもこのボスよ。こいつ根っこを張って星を喰らいにかかってるらしい。かなりヤバイわね!


 ぶん殴ってやるわ! 私の本気、見せてあげる! セレナやルーフィアすら呆れる天才の本気を! 自分で天才って言っちゃったけどあれよ、なんとかと紙一重の天才よ! 知ってる!


 だから負けられないわ! 私は怠惰の化身でも、友情を忘れるほどではないわ!!


「聖術:結界術:魔力流入停止(ストップオブマナ)、砕いてやるわ! 聖術:光術:星空が堕ちてくるフォーリングミルキーウェイ!!」


 魔力を敵に与えない。その上で空の全ての星を爆発力に変換して落とす! 想像を現実に変えるからこその魔法!!


「普通できんがな?」


「女王様はリアリストねえ!」


 セレナとリンゴがやられてるんだ。油断なんかしない。霊的にでも情報的にでも物理的にでも壊してやるわ!!


「こう言ってはなんだが本当に聖女は頭おかしいな。なんで未知の敵を分析しきってる?」


「強すぎるな。本当に人間かな?」


「魔王と女王様が辛辣よおおお!!」


 というかやっぱり戦力の逐次投入って良くないと思うのよ! 魔王と女王も戦ってね! まあ連携取れてるの軍神のお陰だけど。


 そういえば私って神子らしいのよ。あのオレンジお姉さんに選ばれてるらしいけどどっちかと言うとオレンジお姉さんはルーフィアの方が好きよね。それは置いとこう。戦争中だったわ。


「うーん、しかしな、実際にまとめて戦ったらフレンドリーファイア起こるだろ」


「我らの攻撃は規模が大きすぎるからな」


「兵隊も死なせたくはないしな」


「もおいいわよお!!」


 女王様の立場も魔王の使いどころも分かってるつもりだわ! ぶっちゃけこんな化け物と戦うのは難しいし、クラリスさんとか最終戦力だから使えないのは分かってるんだけどね。空白って言うか、私しかもう戦える人がいないんだから仕方ない。一般兵もテルナ様も死なれては困るしね。私って実は聖女なのよ!


 リンゴやセレナと共闘しておけば良かったかしら? でも邪魔になるでしょ。二人とも凄く強いもんね。セレナとか吹っ飛んじゃったけど大丈夫よね? 回収できたらもちろん治癒するわ。


 ……二人になにかあったら許せないわね。……魔力は感じるから捕まえてこちらに引き返しておくわ。私けっこうヤバイ人な気がするわ。誰よ、知ってるとか言ったの!




 さあ、本気出すわよ。怠惰の私は今日はお休みよ! やっぱり休んでる?!


 セレナとリンゴは生きてるわよ。命を感知するのも聖術の技のひとつなのね。なんでもありだからとっても難しい聖術だけど、極めれば無敵よ。

 ルーフィアが動いてないのは心配ね。まあライムが心配なのね。かじられてたし。あれくらいライムならかすり傷なんだけどねえ。


「援護、します! 気剣:無限遠切断撃フルレンジアタック!!」


「私も手伝おう。神雷:収束雷神砲トールハンマー!」


「結界と回復は得意よおおおおッ!! 撃ちまくれええええッ!!」


「魔人能:闇のアルカナ!!」


「天の技:光あれ!!」


 勇者二人、エリメータさんとメルフィーナ伯爵が加勢してくれる。アークデーモンローランドと熾天使ティファナも。


 聖女は守りこそが奥義だからね、仲間がいれば無敵よ!!


「きしゃ!? きああああっ!!」


 効いてる効いてる!


「ごばあっ!」


 攻撃は純正結界で防御! 万物を凌ぐ盾!! 来るが良いわ!! 聖女なめんなよ!!





 ルーフィアと出会えた頃、私はルーフィアを完璧に男の子だと思っていたの。金髪碧眼、少し草臥れた感じはむしろ野性味を感じさせたわ。


 最初ルーフィアは言ったの。


「下らねえ、貴族だから飯が食えるのかよ」


 きっとあそこがルーフィアの原点。私は、


「え、普通に食えますけど? 貧乏人は大変ね」


 そんなことを言ったの。失礼だったわね。だって、ルーフィアの方が凄い人だもの。


 貴族の爵位なんて結局先祖の遺産でしかないもの。私個人の価値なんかじゃないわ。だからね、私は、自分に価値を求めたの。


 与えられずとも、得られずとも。


 努力とか才能とかとは違うのよ。違うの。


 思い。


 私の愛しき王子様。貴女のために私は、戦っている。


 たぶん少女趣味だとか思い込みだとか批判はあるでしょうね。でもね、私は、


 ルーフィア、貴女が好きなのよ。


 セレナはルーって短縮して呼ぶけれど、私は貴女の全てがほしい。


 性別? 来世に期待で。


 永遠の愛には、関係ないわ。


あま高くそらいずるもの、私のために働きなさあい!! 聖術:四方陣:味方は守る! てめえはぶち殺す!! 天地開闢ディバィンセレクトワールドーーー!!」


 聖霊を介し、世界を私の味方に引き込む。敵は完全なる属性で殴り、味方は無敵にする。


「「「さすがに聖女は頭おかしい!!」」」


「なんでよおおおおお!!」


 魔王とか「無敵に思える術式は数あるけどさすがにこれはおかしくないか?」とか言ってるしテルナ様は「一方的に攻撃エネルギーが敵にのみ降り注ぐ?!」とか言ってるしセレナはいつも「アイリスはこんな感じ」とか言ってるしセレナああああッ!! それおかしい、その評価おかしい!!


「「「「今に始まったことか?」」」」


 それもそうだったわ。


 まあセレナとリンゴはボロボロだし休んでなさい。あ、二人はもちろん私が回収したあと回復したわよ。聖女なめんな。


「「「「聖女は存在からおかしい」」」」


 うっさいわ。全てを守れないで聖女面せいじょづらできるか。やらないでか。みんな守るわよ。


 あとデーモンロードのローランドと熾天使ティファナが攻撃に加わってくれてるわ。相手はデーモンエンプレスらしいわね。二人はオレンジお姉さんに制約を無くされたので全力で戦ってくれる。私たちの家族だわ。守るのよ。聖女だからね!


 私の守りは世界最高峰。伊達ではないのよ! 世界崩壊滅亡の災害でも寝てられるように鍛えたわ! 寝てられないわね!! 無理言うな! まあ無理もこなすから聖女なのよ! 私以上の聖女が歴史上存在しないとかテルナ様がいってるけどね!!


 誰よやっぱり聖女は頭おかしいとか言ったの! え、みんなで言ってる?!


 私だって限界があるわよ!!


 勇者二人と天使と悪魔、みんな守ってるんだから消費してるの分かるでしょうが!! 助けなさいよ!! エリクサーがぶ飲みするわ!!


 しっかしこの巨人タフね!! 早く倒れなさいよ!!


 この局面をクリアするためには貴女が必要なの。私の素敵な王子様、目覚めて! 愛すべき世界の女神、私の王子様、ルーフィア!!


 あ、ちょっとさすがに休むわ。魔王様お願いね。






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 これでストックが切れました。あと6~8話なので、貯まったら更新します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ