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セレナ:取り残された者たちは

 残滓というのはこういうところで使う言葉な気がしますね。



「ブレア、死ぬのか」


「シルフェイス」


 崩れゆくブレアの巨体。私が焼き尽くしてやろうと思っていたラスボスは、私たちに味方をして消えていく。そして残ったのは三流の美味しいところを持っていくだけのラスボス。


 取り残されたような感覚だろうか。シルフェイスの表情は動かないが、涙までは止められないようだ。人はこんなに、滝のように涙を流せるんだな。


「簡単に倒せる相手じゃない。協力して」


「いいのか? 私は敵だ」


「いいえ、貴女は誰も殺していない。ルーフィアも許している以上貴女は無罪。……貴女のお父さんの敵を討ちましょう」


「お、父さん?」


「貴女は孤児じゃない? ブレアに拾われて、悪い扱いを受けたの?」


「……受けていません。食事も寝床も服までも与えられ、才能を引き出してもらいました。ブレアは、ブレアの敵は私が倒します。ブレアは、お父さん?」


 やはり人体実験の結果と言うべきか精霊化による思考能力の低下は起こっているようだ。しかし、味方をしてもらわねば困る。私はもうルーフィアに殺しをやってほしくない。代わりに苦しんでもらう。


 ルーは、本人すら気づいていないだろうが、人間の心は出口のないガラスケースのようなものだ。耐えられると、耐えられていると思っていても、ガラスケースはいずれ満杯になる。そうすれば、ルーの心は壊れてしまうだろう。だからコイツを利用しなければ。


 いや、言い訳だな、これは。


 ブレアの最後の声は聞こえていた。シルフェイスに未来を? 悪党が、やはり面の皮が厚い。今までさんざん私たちを困らせたくせに。しかし、死んだ以上は罪は許された。なら、残された思いは聞かなければ。


「ええ、お父さん。貴女の未来を思う人が、他人なはずがない」


「お、父さん……」


 いい? 貴女は戦わなければならない。でも、死ぬことは許されない。


 貴女の未来を託された以上、私たちは貴女も守るわ。


「あーあ、なあんか、取り残されたって感じよねえ。なによ、さんざん敵対しておいて最後は勝手に味方して死んでいくって。ズルくない?」


「アイリス? まあ、悪い奴が死んで良かったわ」


「まーた強がっちゃって、セレナは。私も付き合い長いんだから、あんたがクールなふりしてたりさんざん悪い奴に腹を立てていたりするのは知ってるのよ。本当に優しい奴なんだから。悪い奴が死んだ、良かったじゃん。でも、死んで罪は許されたから最後の思いは叶えてやるんでしょう? シルフェイス、あんたは戦わなくていいわよ。戦力ならうちは潤沢にあるんだから。勇者二人がアップを始めてるわよ!」


 言われて気がついた。二人の勇者、メルフィーナ伯爵とエリメータさん、それにチェルシーさんもいる? 私たちをさんざん鍛えてくれてこの国に来るまで付いてきてくれた有能な剣士だ。


 圧倒的じゃないか、我が軍は。これは負けフラグ。それは置いといて。


 ラスボスに放置よろしく置いていかれた正義の味方としては、奴の止めは私が刺したい。死なないでよ。味方が死んだらルーフィアが、ルーが壊れてしまう。


「……あれも悪魔が関わった武器であります。我らも手を貸しましょう」


「同じく」


「ティファナにローランド。悪魔対策スペシャルチーム」


「「悪魔対策スペシャルチーム?!」」


「まあ、間違ってはおりませんが」


「拙は女神様に自由権をいただきましたので普通の人とも戦いますであります!」


「あ、それは私もいただきました。ちなみに次のデーモンエンペラーに選ばれる候補にもなってます」


「おめでとう」


「悔しいであります! 拙は昇進とかないであります!!」


「神に挑んでイカロスやルシファーみたいに燃え尽きたら?」


「誰ですかイカロスさんにルシファーさん!! 神に挑むとか不敬罪もはなはだしいですし精霊さんが全員敵に回りますからたちまち腐りますでありまぁす!!」


 この世界の女神様は権能が大きすぎて本人は不満げだけどね。みんなと遊びたいのが神様の本音なのかしらね。無敵の女王様が町歩きする感じ? あれ、ルーと変わんないや。


 私たちが落ち着いて話していられるのは勇者さんたちが意外にも頑張っているからだ。距離は遠いけど魔法剣が届いてるし、メルフィーナ伯爵の神雷の威力がすさまじい。……その二人についていってるチェルシーさんは本当に何者なのか。まあ魔王や神様には手も足も出なかったけど。


 ……それにどうやらブレアが差し込んだ毒が効いてるみたいだ。敵の回復速度も魔力吸収速度も落ちてる。ブレアの事だから、それに死にかけでかけた術式だからなにか穴があるかもしれないけど、今のところそんな雰囲気はないわね。


 しかし、ブレアの研究の凄みを感じるわね。世界さえ滅ぼせそうな威圧感を感じる。


 この私の感覚が合っていたら相当に酷いことになりそうだけど。


 正直に言ってあれはない。世界を滅ぼすレベルだ。真っ向から、ブレアの援護なく当たっていたらルーどころかクラリスさんでもどうか、というところだろう。


 私とアイリス、シルフェイスは勇者たちが抜かれたあとの奥の手だ。戦力の逐次投入に感じるかもしれないが攻撃の圧が強すぎて、まとめて射つと攻撃同士が相殺する部分が出てきて無駄射ちになってしまう。どこまでも地球の戦争とは違うというわけだ。そして私たちはテルナ様の傘下に一時的に入って軍神の加護を受けている。これは戦略に精通しているテルナ様の作戦というわけだ。しかし正直軍神が機能する状況ではない。敵が一人しかいないのだから。軍団として動かすには味方の火力が高すぎるのもある。難儀なことだね。


 だが、もどかしいな。一斉攻撃できたら気持ちいいのに。ただ、私の勘でもそれは悪手な気がする。奴は周辺のエネルギーや魔力を吸収している。それが濃くなれば奴が吸収する分も多くなるんだ。


 ははっ、さすがはブレアね。奴の研究は大成功。ルーフィアを超えたわね。


 もちろん諦めるなんて選択肢はない。動いても無駄になるというなら分析する。


 世界で最も邪悪な一族の末裔を、破壊神私を、侮ってはいけないわ。


 とにかく、はっきりと奴の出力は落ちてる。ブレアがなにかを仕込んだのは間違いない。本当にアイツはどこまでも天才ね。一度、深く話してみたかったわ。いろんなアイデアをくれたんでしょうね。


 ……本当に腹が立つ、馬鹿な人間やデーモンの所業。女神様も許してるはずがないけど、あの人はあくまでも平等の化身だ。


 殴られたら殴り返す。それがこの世界の法だもの。やるわ。


 まったく、私までブレアに取り残された気持ちになってるわね。






 少しでも面白いな、続きを読みたいなって思ったら、ブックマーク、評価、感想をよろしくお願いします!


 評価はできれば☆☆☆☆☆→★★★★★でお願いします!_(:3」 ∠)_


 もうすぐ終わりなんですが書けてませえん!!



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